システムエンジニアの志望動機で「何を書けばいいか分からない」と悩んでいる方は多いでしょう。
この記事では、未経験・経験者・新卒それぞれの状況に合わせた志望動機の書き方を、10の例文とともに解説します。
厚生労働省のデータに基づくSEの職務内容から、説得力を高める3ステップ構成法、避けるべきNGパターンまで網羅しています。
- SEの志望動機に必須の3要素と、説得力を高める書き方について
- 未経験・経験者・新卒それぞれの状況に合わせた具体的な例文10選について
- 採用担当者に評価されるための最終チェックリストとNGパターンについて
1. システムエンジニア(SE)とは?基礎知識を押さえる

志望動機を書く前に、システムエンジニアという職種について正確に理解しておく必要があります。
採用担当者は、応募者が職種の本質を理解しているかを注視しています。
SEの定義と仕事内容【厚生労働省データ】
システムエンジニア(SE)とは、顧客の要望をヒアリングし、それを実現するためのシステムを設計・開発する技術者を指します。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、SEの主な業務は要件定義、基本設計、詳細設計、テスト、運用保守です。
要件定義では顧客の課題をヒアリングし、システムで実現すべき機能を明確化します。
基本設計ではシステム全体の構成や処理の流れを設計し、詳細設計ではプログラマーが実装できるレベルまで設計を具体化します。
テストではシステムが要件通りに動作するか検証し、運用保守では稼働後のシステムを監視し、トラブル対応や改善を行います。
重要な点として、「システムエンジニア」は日本独自の職種名(和製英語)です。
海外では「Software Engineer」や「Systems Analyst」といった職種名が使われますが、日本のSEは技術的な設計だけでなく、顧客折衝やプロジェクト管理も担う点に特徴があります。
IT業界の市場規模と将来性【総務省統計】
総務省が発行する「情報通信白書」によれば、日本の情報サービス産業の市場規模は約13兆円規模で推移しており、堅調な成長を続けています。
特にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、クラウドシステムへの移行需要、AI・機械学習によるデータ活用、サイバーセキュリティ対策の強化といった分野で需要が拡大しています。
2025年以降も、企業のデジタル化ニーズは継続的に高まると予測されており、SEの需要は今後も安定しています。
志望動機でこうした業界の成長性に言及することで、キャリア選択の合理性を示すことができます。
SEに求められるスキルと適性
SEには技術的なスキルだけでなく、顧客や開発チームとの円滑なコミュニケーション能力が求められます。
技術的スキル
プログラミング(Java、Python、C#など)、データベース(SQL、NoSQL)、ネットワーク(TCP/IP、HTTPなどの通信プロトコル)、クラウド(AWS、Azure、GCP)の知識が必要です。
ヒューマンスキル
複雑な業務要件を整理しシステムに落とし込む論理的思考力、顧客の潜在的なニーズを引き出す対話力、トラブル発生時に原因を特定し解決策を導く問題解決力、スケジュール・コスト・品質を管理するプロジェクト管理力が求められます。
未経験者が志望動機を書く際は、前職で培った論理的思考力やコミュニケーション能力といった「ポータブルスキル」をアピールすることが有効です。
2. システムエンジニアの志望動機で必須の3要素とは
採用担当者が評価する志望動機には、明確な構造があります。
「なぜSEなのか」「なぜこの企業なのか」「どう貢献できるか」という3つの問いに順番に答えることで、説得力のある志望動機が完成します。
【要素1】なぜシステムエンジニアなのか
最初に明確にすべきは、「なぜ数ある職種の中でSEを選んだのか」という動機です。
ここで重要なのは、単に「ITに興味がある」といった抽象的な表現ではなく、具体的なきっかけや経験を示すことです。
効果的な動機
前職で業務システムを活用しITによる課題解決の可能性を実感した経験、顧客の潜在的なニーズを技術で形にする仕事に魅力を感じた理由、プログラミング学習を通じてモノづくりの楽しさを発見した体験などが挙げられます。
重要なのは、「技術で社会や企業の課題を解決したい」という前向きな動機を示すことです。待遇面や安定性だけを理由にすると、貢献意欲が感じられず評価が下がります。
【要素2】なぜその企業を選んだのか
数あるIT企業の中で、なぜその企業を志望するのかを明確に説明する必要があります。ここで企業研究の深さが問われます。
具体的に言及すべきポイント
どの業界・分野のシステム開発に強みがあるかという企業の事業内容、使用している技術スタックや開発手法、品質管理の姿勢といった技術的特徴、企業が目指す方向性と自分の価値観の一致を示す企業理念・ビジョン、具体的な製品名やサービス名です。
「御社のサービスに魅力を感じました」といった抽象的な表現ではなく、「貴社の○○システムは△△業界の課題である□□を解決しており、私の××という経験を活かせると考えました」といった具体性が求められます。
【要素3】どのように貢献できるか
最後に、自分のスキルや経験を活かして、その企業にどう貢献できるかを示します。ここで自己PRと志望動機が結びつきます。
貢献の示し方
- 保有スキルの活用(「ex:Java開発3年の経験を活かし、○○システムの開発に貢献したいです」)
- 前職経験の活用(「ex:営業経験で培った顧客折衝力を活かし、要件定義から携わりたいです」)
- キャリアビジョン(「ex:3年後には上流工程を担当し、5年後にはプロジェクトリーダーを目指したいです」)
上記をおさえておくとよいでしょう。
単に「成長したい」「学びたい」だけでは企業側のメリットが見えません。自分の成長が企業の成長にどう結びつくかを示すことが重要です。
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3. 【3ステップ】説得力のあるシステムエンジニア志望動機の書き方
志望動機は、論理的な構成に沿って書くことで説得力が高まります。ここでは、採用担当者に伝わりやすい3ステップの書き方を解説します。
ステップ1:結論を最初に明確に述べる
志望動機の冒頭では、PREP法(Point→Reason→Example→Point)に従い、結論を先に述べます。
採用担当者は多数の応募書類を短時間で確認するため、最初の一文で要点が分かることが重要です。
効果的な書き出しの例
「私は、顧客の業務課題をITで解決できる点に魅力を感じ、貴社のSEを志望します」「システム開発を通じて社会インフラを支える仕事に携わりたく、貴社を志望しました」「前職の営業経験と独学のプログラミングスキルを活かし、貴社でSEとして貢献したいと考えています」といった形です。
冒頭の一文で「なぜSE」「なぜこの企業」が端的に示されていることが理想です。
ステップ2:具体的なエピソードで裏付ける
結論を述べた後は、その結論に至った背景やきっかけを具体的なエピソードで説明します。ここで重要なのは「具体性」です。
具体性を高めるポイント
- 数字を使う(ex:「年間100社の顧客と商談」「Python学習3ヶ月で簡単なツールを開発」)
- 固有名詞を使う(ex:企業名、製品名、技術名を具体的に挙げる)
- 感情を含める(ex:「その時○○を実感しました」「○○という課題に直面し考えました」)
といったことが効果的です。
例文
「営業職として働く中で、顧客の業務効率化ニーズを数多く聞き、ITシステムの重要性を実感しました」という文章よりも、「営業職として年間120社の中小企業と商談する中で、7割以上の企業が『Excelでの手作業に限界を感じている』と語っており、業務システム導入の潜在需要の大きさを実感しました」の方が説得力があります。
ステップ3:入社後のビジョンで締めくくる
志望動機の締めくくりでは、入社後にどう成長し、どう貢献したいかを示します。ここで企業の事業戦略と自分のキャリアビジョンを結びつけることが重要です。
効果的なビジョンの示し方
- 短期目標(1-2年)では「まずは要件定義や基本設計のスキルを習得し、顧客との折衝業務を担えるようになりたいです」
- 中期目標(3-5年)では「3年後にはプロジェクトリーダーとして、チームをまとめる役割を担いたいです」
- 長期的貢献では「将来的には新規事業の企画段階から携わり、貴社の成長に貢献したいです」
といった形が効果的です。
企業の成長と自分の成長を重ね合わせることで、「この人は長期的に活躍してくれそうだ」という印象を与えることができます。
志望動機の最適な文字数
応募書類の形式に応じて、適切な文字数が異なります。
履歴書では150-200字で結論中心に簡潔に、職務経歴書では300-500字でエピソードを含めて具体的に、エントリーシートでは指定文字数に従い3要素をバランスよく配分します。
文字数の配分は、「なぜSE(30%)」「なぜこの企業(40%)」「どう貢献(30%)」を目安とすると、バランスの取れた志望動機になります。
4. 【未経験者向け】システムエンジニア:志望動機の例文5選
未経験からSEを目指す場合、技術的なスキルではなく、ポテンシャル(学習意欲・成長意欲)とポータブルスキル(論理的思考力、コミュニケーション能力)をアピールすることが重要です。
未経験者がアピールすべきポイント
効果的なアピール要素としては、自己学習の実績(プログラミング学習、資格取得など)というポテンシャル、前職で培った論理的思考力、顧客折衝力、問題解決力というポータブルスキル、SEを目指すようになった明確な経験やエピソードという具体的なきっかけ、技術で課題を解決したいという前向きな意欲が挙げられます。
「未経験だから学ばせてください」という姿勢ではなく、「未経験ですが、すでに○○を学習しており、□□のスキルを活かして貢献したいです」という姿勢が評価されます。
例文1:営業職からSEへの転職
私は営業職として年間120社以上の中小企業と商談を重ねる中で、「Excelでの手作業に限界を感じている」「在庫管理システムを導入したいが費用が課題」といった業務効率化のニーズを数多く伺いました。この経験から、ITシステムによる課題解決の重要性を実感し、SEを志望するようになりました。
現在は独学でPythonを3ヶ月学習し、簡単な業務自動化ツールを作成するなど、技術習得に取り組んでいます。貴社の○○システムは中小企業の業務効率化に特化しており、私の顧客折衝経験を活かして、顧客視点でのシステム提案ができると考え志望いたしました。入社後は要件定義や基本設計のスキルを習得し、3年後には顧客の潜在的なニーズを引き出せるSEとして貢献したいと考えています。
アピールポイント解説
前職経験を「顧客課題理解力」に転換しています。具体的な数字(年間120社)で説得力を持たせています。自己学習の実績(Python3ヶ月)を明示しています。企業の特徴(中小企業特化)を理解した志望理由を述べています。
例文2:販売・サービス職からSEへ
私は3年間アパレル販売員として年間1,000名以上の顧客対応を行い、「どのような声掛けで購買意欲が高まるか」を仮説検証してきました。この経験を通じて、人の行動心理を理解し、ニーズに応える提案力を培いました。ある時、店舗の在庫管理システムの非効率性が売上機会損失につながっていることに気づき、ITシステムによる業務改善の可能性に興味を持ちました。
現在は基本情報技術者資格を取得し、JavaとSQLの学習を進めています。貴社のECサイト構築サービスは小売業の売上向上に直結しており、私の接客経験で培った顧客心理の理解を、使いやすいUI設計に活かせると考えています。入社後はフロントエンド開発のスキルを磨き、ユーザー視点に立ったシステム提案ができるSEを目指します。
アピールポイント解説
接客経験を「顧客ニーズの引き出し力」「仮説検証力」に転換しています。資格取得で学習意欲を証明しています。企業のサービス(ECサイト構築)と自分の強みを結びつけています。
例文3:事務職からSEへ
私は経理事務として5年間、月次決算処理や経費精算業務を担当してきました。その中で、Excel VBAで簡単な自動化マクロを作成し、作業時間を30%削減した経験があります。この成功体験から、「業務フローを理解し、システムで効率化する」ことに強い関心を持ち、SEを志望するようになりました。
現在はPythonとSQLを独学で習得し、小規模なデータ分析ツールを作成できるレベルに達しています。貴社の業務システム開発は、企業の業務フローを深く理解した上で最適なシステムを提案する点に特徴があると理解しています。私の業務プロセス理解力と、すでに習得した技術を組み合わせることで、顧客の業務課題を的確に捉えたシステム設計に貢献できると考えています。
アピールポイント解説
業務フローの理解という強みを明確化しています。Excel VBAの経験を技術への関心の起点として提示しています。具体的な成果(作業時間30%削減)で説得力を持たせています。
例文4:異業種(製造業など)からSEへ
私は製造業で生産管理を3年間担当し、生産計画の立案や工程管理を行ってきました。現場では「納期遅延の原因が可視化されていない」「在庫の最適化ができていない」といった課題があり、これらがITシステムの導入で解決できることを知りました。この経験から、製造現場の課題をITで解決するSEを目指すようになりました。
現在は基本情報技術者資格を取得し、Javaの基礎を学習中です。貴社は製造業向けの生産管理システムに強みを持ち、現場の声を重視したシステム開発を行っていると伺いました。私の製造現場での実務経験と、現場目線での課題理解力を活かし、本当に使われるシステムの提案・開発に貢献したいと考えています。
アピールポイント解説
製造現場での問題解決経験を強調しています。業界特化企業への志望理由が明確です。現場理解という他の応募者にない強みをアピールしています。
例文5:第二新卒のSE志望
私は新卒で金融機関に入社しましたが、1年間働く中で「自分の手でモノを作り、その成果が目に見える仕事がしたい」という思いが強まり、SEへのキャリアチェンジを決意しました。在職中からプログラミング学習を開始し、オンラインスクールでPythonとWebアプリ開発の基礎を習得しました。簡単なタスク管理アプリを個人開発し、GitHubで公開しています。
貴社は若手エンジニアの育成に力を入れており、未経験でも実務を通じて成長できる環境があると伺いました。第二新卒という早期のキャリア転換ではありますが、若さと吸収力を武器に、技術力を高速で習得し、貴社のプロダクト開発に貢献したいと考えています。
アピールポイント解説
早期転職の前向きな理由を提示しています。自己学習の具体的な成果物(GitHubでの公開)を示しています。若さとポテンシャルを強調しています。
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5. 【経験者向け】システムエンジニア:志望動機の例文3選
IT業界経験者がSEへ転職する場合、具体的な技術スキル・実績と、明確なキャリアアップの動機を示すことが重要です。
経験者がアピールすべきポイント
経験者の強みの示し方としては、
- 使用してきた開発言語、フレームワーク、ツールという具体的な技術スタック。
- 担当した工程、規模、役割、成果というプロジェクト実績、要件定義、プロジェクト管理など上流工程への意欲。
- 特定分野を極めたいのか新技術に挑戦したいのかという専門性の深化または拡大。
- なぜ転職が必要なのか明確な理由。
という前職で実現できないことを示す必要があります。
「より成長できる環境を求めて」といった抽象的な理由ではなく、「○○の技術領域に挑戦したいです」「上流工程から携わりたいです」といった具体的なキャリア目標が求められます。
例文6:プログラマーからSEへ
私は現職でJava開発に3年間従事し、ECサイトのバックエンド開発を担当してきました。詳細設計から実装、単体テストまでを一貫して担い、年間5つのプロジェクトを完遂しました。開発を通じて技術力は向上しましたが、「なぜこの機能が必要なのか」「顧客の本質的な課題は何か」という上流工程からシステムを考えたいという思いが強まり、SEへのキャリアチェンジを決意しました。
貴社は金融業界向けシステムに強みを持ち、要件定義からリリース後の運用改善まで一貫して携われる環境があると伺いました。私のJava開発経験とAWSの知識を活かし、技術的な実現可能性を踏まえた要件定義ができるSEとして貢献したいと考えています。3年後にはプロジェクトマネージャーとして、顧客とエンジニアの橋渡し役を担いたいです。
アピールポイント解説
具体的な技術スタック(Java、AWS)を明示しています。上流工程志向という明確なキャリア目標を示しています。
企業の強み(金融業界)への理解を表明しています。中長期のキャリアビジョンを提示しています。
例文7:SES企業から自社開発企業へ
私は現職のSES企業でシステムエンジニアとして3年間、複数の顧客先でWebアプリケーション開発に従事してきました。要件定義から設計、開発、テストまで幅広く経験し、PHPとReactを用いた開発を得意としています。しかし、プロジェクトごとに顧客が変わるため、「作ったシステムがどう成長するか」を見届けられないことに物足りなさを感じていました。
貴社は自社プロダクトである○○サービスを展開しており、ユーザーの声を直接聞きながら継続的に改善できる環境があります。私はこれまでの開発経験を活かし、ユーザー視点での機能改善提案や、技術的負債の解消に貢献したいと考えています。長期的には、プロダクトの成長を技術面から支えるテックリードを目指したいです。
アピールポイント解説
SESから自社開発への転職動機が明確です。特定サービスへの深い関与を求める姿勢を示しています。長期的なプロダクト成長への貢献意欲を表明しています。
例文8:インフラエンジニアからSEへ
私は現職でインフラエンジニアとして5年間、オンプレミス環境とクラウド環境の設計・構築・運用に携わってきました。AWSを用いたインフラ構築や、Dockerを使ったコンテナ環境の整備を担当し、システムの安定稼働を支えてきました。しかし、「インフラだけでなく、アプリケーション側も含めたシステム全体を設計したい」という思いが強まり、SEへのキャリアチェンジを決意しました。
貴社はクラウドネイティブなシステム開発に力を入れており、インフラとアプリケーションを一体として設計するアーキテクトを育成する環境があると伺いました。私のインフラ知識を活かし、パフォーマンスやセキュリティを考慮したシステム設計ができるSEとして貢献したいと考えています。
アピールポイント解説
インフラ経験という差別化要素を提示しています。システム全体を見渡せるSEへの志向を明確化しています。クラウドネイティブという企業の技術戦略への理解を示しています。
6. 【新卒向け】志望動機の例文2選
(Python, 画像認識, 精度85%)
(技術 + 使いやすさ)
(研究 + アルバイト経験)
(新規サービス企画)
(SQL, Python, 資格取得)
(ゼミでの財務分析経験)
(経営知識)
(3年後には要件定義へ)
新卒がSEを志望する場合、ポテンシャル(学習意欲、成長意欲)と、学生時代の研究・ゼミ・プロジェクト経験をアピールすることが重要です。
新卒がアピールすべきポイント
新卒の強みの示し方としては、技術への強い興味、継続的な学習姿勢というポテンシャル、研究テーマ、ゼミ活動、チーム開発経験という学生時代の経験、サークル、アルバイト、インターンでのチーム活動という協働経験、課題を分析し解決策を導いた具体例という論理的思考力が効果的です。
「成長したいです」「学びたいです」だけでは不十分であり、「すでに○○を学んでおり、入社後は□□で貢献したいです」という具体性が求められます。
例文9:理系学生(情報系専攻)
私は大学で情報工学を専攻し、卒業研究では機械学習を用いた画像認識システムを開発しました。Pythonとライブラリを活用し、約5,000枚の画像データから特定の物体を検出するモデルを構築し、精度85%を達成しました。研究を通じて技術の可能性と同時に、「ユーザーにとって使いやすいシステム」の重要性を実感し、技術と顧客ニーズを橋渡しできるSEを志望しました。
貴社の○○サービスは、AIの技術力とUIの分かりやすさを両立させている点に魅力を感じています。私の研究経験で培ったデータ分析力と、アルバイトで身につけた顧客対応力を組み合わせ、技術的に優れているだけでなく、ユーザーに本当に使われるシステムの提案・設計に貢献したいと考えています。入社後は要件定義や基本設計のスキルを習得し、将来的にはAI技術を活用した新規サービス企画に携わりたいです。
アピールポイント解説
研究内容を具体的に説明しています(Python、画像認識、精度85%)。技術力だけでなく、ユーザー視点を重視する姿勢を示しています。アルバイト経験も含めた総合的なアピールをしています。長期的なキャリアビジョンを提示しています。
例文10:文系学生のSE志望
私は経営学部でデータ分析ゼミに所属し、企業の財務データから経営課題を抽出する研究を行いました。ExcelとPythonを用いて50社分の財務諸表を分析し、業界ごとの収益構造の違いを可視化しました。この経験からデータを活用した課題解決に強い興味を持ち、ITシステムで企業の経営改善に貢献できるSEを志望しました。文系出身ですが、独学でSQLとPythonを学習し、基本情報技術者資格を取得しました。
貴社は中小企業向けの業務システムに強みを持ち、経営視点でのシステム提案が重視されると伺いました。私のデータ分析力と経営知識を活かし、顧客の経営課題を理解した上でシステム提案ができるSEとして成長したいと考えています。入社後は技術力を高速で習得し、3年後には要件定義を主導できる人材を目指します。
アピールポイント解説
文系ですが技術学習に積極的です(SQL、Python、資格取得)。データ分析という具体的なスキルを提示しています。経営知識という文系ならではの強みをアピールしています。技術習得への強い意欲を示しています。
7. 絶対に避けたい志望動機のNGパターン5選

志望動機には、採用担当者にマイナス評価を与える「地雷」が存在します。ここでは代表的なNGパターンと、その改善方法を解説します。
NG1:待遇・給与中心の志望動機
悪い例
「SEは年収が高いと聞いたので、貴社を志望しました。また、リモートワークが可能な点も魅力的です。」
なぜダメか
待遇面を前面に出すと、「条件が良ければどの企業でもいい」という印象を与え、企業への貢献意欲が感じられません。また、「より良い条件の企業が見つかればすぐに辞めるのでは」という懸念を抱かせます。
改善策
待遇は面接での質問にとどめ、志望動機では「仕事内容」「企業の事業」「自分の成長」を中心に述べます。
どうしても働き方に言及したい場合は、「リモートワークという柔軟な働き方により、地方在住でも最先端のプロジェクトに参加できる点に魅力を感じました」といった、前向きな文脈で触れます。
NG2:前職への不満が理由
悪い例
「現職は残業が多く、労働環境を改善したいと考え転職を決意しました。貴社は働きやすい環境があると伺い、志望しました。」
なぜダメか
ネガティブな動機は、「問題から逃げている」という印象を与えます。また、「自社でも同じ問題が起きたら辞めるのでは」という懸念を抱かせます。
改善策
前職の不満は志望動機に書かず、前向きな理由に転換します。
例えば、「現職では特定分野の開発に限定されていましたが、貴社では要件定義から運用まで幅広い工程に携われるため、専門性を高められると考えました」といった、キャリアの発展という観点で説明します。
NG3:「勉強させてください」のみ
悪い例
「SEの仕事を通じて成長したいと考えています。貴社で様々な技術を学ばせていただきたいです。」
なぜダメか
学習意欲だけを述べると、「企業への貢献」という視点が欠けています。企業は教育機関ではなく、応募者に何ができるかを知りたいのです。
改善策
学習意欲に加えて、すでに取り組んでいる自己学習の実績と、それを活かした貢献を示します。
例えば、「現在Pythonを3ヶ月学習し、簡単な自動化ツールを作成できるレベルに達しています。この技術を活かし、貴社の○○システム開発に貢献しながら、さらに上流工程のスキルを習得したいと考えています」といった形にします。
NG4:抽象的で誰にでも当てはまる内容
悪い例
「ITは将来性があると思い、SE職を志望しました。貴社は業界で高い評価を得ており、成長できる環境があると感じました。」
なぜダメか
企業の具体的なサービスや事業内容に触れていないため、「どの企業にも使える志望動機」になっています。企業研究の不足が明らかです。
改善策
企業の具体的な製品名、サービス名、技術、事業領域に言及します。
例えば、「貴社の○○システムは、△△業界の□□という課題を解決している点に魅力を感じました。私の××の経験を活かし、この分野でさらなる価値提供に貢献したいと考えています」といった具体性を持たせます。
NG5:経験・スキルの羅列のみ
悪い例
「私はJava開発3年、AWS構築2年の経験があります。基本情報技術者とAWS認定資格を保有しています。」
なぜダメか
スキルを列挙するだけでは、それをどう活かして企業に貢献するのかが見えません。職務経歴書の焼き直しになっています。
改善策
スキル・経験と、企業の課題解決を結びつけます。
例えば、「私はJava開発3年、AWS構築2年の経験があります。貴社の○○サービスはクラウド環境での高速処理が求められると理解しており、私のAWSの知識とJavaの開発経験を活かし、スケーラブルなシステム設計に貢献できると考えています」といった形にします。
8.システムエンジニアの志望動機: 最終チェックリスト

志望動機を書き終えたら、提出前に以下のチェックリストで最終確認を行います。このプロセスにより、致命的なミスを防ぎ、完成度を高めることができます。
3要素が揃っているか確認
- ☑ なぜSEか(職種選択の動機が明確に述べられているか)
- ☑ なぜこの企業か(企業固有の魅力に言及しているか)
- ☑ どう貢献できるか(自分のスキル・経験の活かし方を示しているか)
3要素のいずれかが欠けていると、説得力が大きく低下します。特に「なぜこの企業か」が抽象的になりがちなので、企業の具体的なサービス名や事業領域を必ず含めます。
具体性があるか確認
- ☑ 数字・データが入っているか(「年間100社」「3ヶ月学習」など)
- ☑ 企業名・サービス名が具体的か(「貴社の○○システム」)
- ☑ エピソードが具体的か(「その時○○を実感しました」)
- ☑ 技術名が具体的か(「Java」「AWS」「Python」など固有名詞)
抽象的な表現(「やりがい」「成長」「貢献」)だけでなく、具体的な事実や数字を含めることで、説得力が高まります。
企業研究の深さが伝わるか
- ☑ 企業の公式サイトをチェックしたか
- ☑ 製品・サービスの特徴を理解しているか
- ☑ 企業理念・ビジョンへの共感を示せているか
- ☑ 競合他社との違いを理解しているか
志望動機の40%程度は「なぜこの企業か」に割くべきです。企業の公式サイト、IR情報、プレスリリース、採用ページをしっかり読み込み、企業固有の情報を盛り込みます。
文章の質を確認
- ☑ 論理的な構成(PREP法)になっているか
- ☑ 一文が50字以内か(長すぎる文は読みにくい)
- ☑ 誤字脱字・敬語は正しいか
- ☑ 書き言葉で統一されているか(「御社」→「貴社」)
- ☑ です・ます調で統一されているか
特に「御社」は話し言葉なので、書類では必ず「貴社」を使います。また、「思います」を連発せず、「考えています」「志望しています」などバリエーションを持たせます。
文字数は適切か
履歴書では150-200字で簡潔に要点のみ、職務経歴書では300-500字でエピソード含め具体的に、エントリーシートでは指定文字数の90-100%を目指し文字数上限ギリギリまで書きます。
指定文字数がある場合は、90%以上を目指します。文字数が少なすぎると「志望度が低い」と判断される可能性があります。
9. まとめ:システムエンジニアの志望動機作成と次のステップ

システムエンジニアの志望動機は「なぜSE」「なぜこの企業」「どう貢献」の3要素が必須です。
未経験者はポテンシャルとポータブルスキル、経験者は実績とキャリアビジョン、新卒は学生時代の経験を活かしましょう。
具体的なエピソード・数字・企業研究の深さが説得力を生みます。この記事の例文を参考に、自分の状況に合った志望動機を作成してください。