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エンジニア履歴書の書き方|書類選考を通過するポイントとサンプル集

エンジニアの転職活動において、履歴書と職務経歴書は採用選考の最初の関門です。

この記事では、技術スタックの効果的な見せ方から実績のアピール方法、実際に使えるサンプルまで解説します。

経験者・未経験者それぞれに適した戦略で、書類選考の通過を目指しましょう。

この記事を読んでわかること
  • 履歴書と職務経歴書の役割の違いと、エンジニア採用で重視される項目
  • 技術スタックや実績を効果的にアピールする具体的な記述方法
  • 経験者・未経験者それぞれに適した書類作成戦略とサンプル

1. エンジニアの履歴書作成における基本原則と最新動向

1. エンジニアの履歴書作成における基本原則と最新動向

エンジニアの採用選考において、履歴書と職務経歴書はそれぞれ異なる役割を持ちます。

この違いを理解し、最新の市場動向を踏まえた戦略的な書類作成が、選考通過の鍵となります。

履歴書と職務経歴書の役割の違い

履歴書は氏名、生年月日、住所、連絡先といった基本情報に加え、学歴、職歴、保有資格、志望動機、自己PRといった応募者のプロフィールを提供します。

一方、職務経歴書は、これまでのキャリアにおける技術的な貢献、専門知識、具体的なプロジェクト実績に焦点を当てます。

エンジニア採用では職務経歴書が選考の主戦場となります。採用担当者は、応募者が企業の求める技術スタックに適合するか、即戦力として貢献できるかを職務経歴書から判断します。

履歴書で人物像の概要を把握した後、職務経歴書で技術レベルとプロジェクト経験を精査するという流れが一般的です。

この2つの書類は相互補完の関係にあります。履歴書で「誰が」「なぜ応募したのか」を伝え、職務経歴書で「何ができるのか」「どんな価値を提供できるのか」を証明する構造を意識しましょう。

エンジニア履歴書の形式的要件

サイズと作成方法

サイズはB5またはA4(A4が主流)とし、作成方法はPC作成が推奨されます。

エンジニア職ではPCスキルは必須の前提条件であり、手書きの履歴書はほとんど見られません。Word形式で作成し、提出時にはPDF形式に変換することで、フォーマットの崩れを防ぎます。

記載上の注意点

年号表記は和暦または西暦のいずれかに統一します。混在させると読みにくく、注意力不足の印象を与えます。特に重要なのが虚偽記載の厳禁です。技術スキルにおいて、実務経験のない技術を「できる」と記載することは避けましょう。

エンジニアリングの現場では、技術スキルの虚偽はすぐに判明し、採用過程における信頼性を損なうため 、正確な情報を記述することが求められます 。

証明写真は3ヶ月以内に撮影したもので、スーツ着用、清潔感のある身だしなみが基本です。背景は無地(白または薄い色)とし、サイズは履歴書の指定に従います(一般的に縦4cm×横3cm)。

エンジニア採用市場の動向と応募者の優位性

継続する人材不足とエンジニア需要

エンジニア採用市場は、応募者にとって有利な状況が続いています。

厚生労働省の「労働経済動向調査」によると、情報通信業における労働者不足は恒常的な課題となっており、企業は優秀なIT人材の確保を最重要課題としています。

デジタル変革による需要拡大

デジタル変革(DX)の加速により、あらゆる業界でエンジニアの需要が高まっています。

従来のIT企業だけでなく、製造業、金融業、小売業など、非IT企業においてもシステム内製化やデジタル技術の活用が進んでおり、エンジニアの採用競争は激化しています。

IT人材の需給ギャップ拡大

経済産業省の調査では、IT人材の需給ギャップが今後も拡大すると予測されており、応募者にとって有利な状況(売り手市場)が継続する見通しです。

企業は即戦力となる経験者はもちろん、将来性を見込んだポテンシャル採用にも積極的であり、未経験者採用の動きも引き続き見られる見込みです 。

参考:厚生労働省:「労働経済動向調査」 経済産業省:IT人材需給に関する調査

応募者主導の転職活動

このような市場環境において、応募者は企業を選別する立場にも立てます。

履歴書・職務経歴書の作成戦略は、単に「入社したい」と訴える受動的なものではなく、「なぜ貴社を選ぶのか」という論理的な理由と、「なぜ自身を獲得すべきか」という市場価値を戦略的に提示する能動的なものへと転換する必要があります。

2. エンジニアの履歴書|項目別の書き方と記入ポイント

書類選考突破!エンジニア履歴書の5大戦略ポイント

応募書類で採用担当者が重視する「形式」「証明」「戦略」を視覚化。詳細な解説は記事本文で確認してください。

📝

1. 形式の厳守と統一

  • 年号表記の統一 (西暦/和暦)
  • 正式名称 (企業名・学校名)
  • 転職専用メールアドレス
  • 職歴は**直近から逆時系列**

小さなミスが信頼性を損ねます

🏅

2. 客観的スキル証明

  • 国家資格 (IPA) を明記
  • 専門資格 (AWS, CCNA) も有効
  • **学習中**の資格で向上心アピール
  • **バージョン情報**を正確に記載

資格はスキルレベルの確かな裏付け

🌟

3. 実績の数値化と要約

  • **実績を数値化** (例: 効率15%改善)
  • **得意な技術領域**に絞る
  • **職務経歴書のフック**として活用
  • **200〜300文字**程度に端的に要約

成果の規模と貢献度が伝わる記述を

🎯

4. 志望動機の具体性

  • **具体的な事業内容**に言及
  • **企業技術スタック**と経験を結びつける
  • **なぜその企業か**を明確に
  • **入社後の貢献**を具体的に提示

企業研究が不足していると判断されます

🛠️

5. 趣味・特技の戦略的活用

  • **OSS貢献**、技術ブログ運営など**技術的活動**
  • **チームスポーツ**で協調性をアピール
  • **計画性**・**目標達成力**を示す
  • **特記内容がなければ空欄**で問題なし

仕事外の活動から人柄と技術への熱意を伝える

履歴書の各項目には、それぞれ採用担当者が見ているポイントがあります。

形式的な要件を満たしつつ、エンジニアとしての資質を効果的にアピールする記入方法を解説します。

基本情報欄の記入ポイント

氏名・住所・生年月日

履歴書の基本情報欄は、採用担当者が最初に目にする部分です。

氏名はふりがなを忘れずに記載し、生年月日は年号表記を統一(西暦または和暦)します。

住所は都道府県から正確に記入し、郵便番号も忘れずに。現住所と連絡先住所が異なる場合は両方記載しましょう。

連絡先

メールアドレスは転職活動専用のプロフェッショナルなアドレスを使用します。

現職の会社メールは使用せず、Gmail等の個人アドレスを推奨します。アドレス名は本名ベースのシンプルなものが望ましいです。

電話番号は確実に連絡が取れる携帯電話番号を記載し、平日日中に対応できる番号を優先しましょう。

学歴・職歴欄の書き方

学歴の記載

学歴は義務教育卒業後(高校入学)から記載するのが一般的です。

大学卒業者の場合、高校卒業から記載することが多く、学校名は正式名称で記入します(「○○高等学校」「○○大学○○学部○○学科」)。

職歴の記載

職歴は直近の職歴から逆時系列で記載します。企業名は正式名称で記入し(株式会社の位置にも注意)、配属部署や主な業務内容を簡潔に記載します。

在職中の場合は「現在に至る」と記載し、その下の行に「以上」と記入します。

【記載例】

令和○年○月 ○○株式会社 入社
              システム開発部に配属、Webアプリケーション開発に従事
令和○年○月 △△株式会社 入社
              インフラ部門にて、クラウド環境の構築・運用を担当
令和○年○月 現在に至る
以上

免許・資格欄の効果的な記載法

エンジニアに有効な資格

エンジニアにとって、資格は技術レベルを客観的に示す重要な要素です。情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格は、技術力の証明として高く評価されます。

基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、情報処理安全確保支援士試験などが該当します。

その他、AWS認定資格、Oracle認定Java資格、CCNA(Cisco認定ネットワークアソシエイト)なども、専門性を示す資格として有効です。

記載方法

資格名は正式名称で記載し、取得年月を正確に記入(合格証書等で確認)します。勉強中の資格は「○○資格取得に向けて学習中」と記載することが可能です。

これにより、継続的な学習姿勢と向上心をアピールできます。具体的な受験予定日がある場合はそれも併記すると、より真剣度が伝わります。

志望動機欄で差をつける書き方

企業への具体的な言及

志望動機は、採用担当者が「なぜこの応募者は当社を選んだのか」を知る重要な項目です。抽象的な表現は避け、その企業の具体的な事業内容、開発している製品・サービス、解決しようとしている社会課題に言及し、自身のキャリアゴールと企業との親和性を明確に示します 。

技術スタックへの関心

応募企業が使用している技術スタック(プログラミング言語、フレームワーク、クラウド環境など)を調査し、自身の経験や興味と結びつけましょう。

例えば「貴社がマイクロサービスアーキテクチャの導入を進めていることを知り、私がこれまで携わってきたKubernetesを活用したコンテナ環境の構築経験を活かせると考えました」といった具体性が評価を高めます。

履歴書の志望動機欄は200〜300文字程度が一般的です。簡潔に要点をまとめ、詳細は面接で補足する姿勢が重要です。

自己PR欄の戦略的活用法

自己PR欄は、職務経歴書で詳述する実績のサマリーとして活用します。最も得意とする技術領域や、これまでのキャリアで培った強みを端的に示しましょう。

例えば「Webアプリケーション開発において、React/Node.jsを用いたフルスタック開発を3年間経験し、ユーザー体験の向上に貢献してきました」といった形です。

職務経歴書に記載する主要な実績の中から、最もアピールしたいものを1〜2つ選び、簡潔に紹介します。

数値化できる成果があれば、それも含めます。200〜300文字程度で端的にまとめます。履歴書の自己PR欄はスペースが限られているため、詳細は職務経歴書に譲り、ここでは「フック」となる情報を提示します。

趣味・特技欄の活用テクニック

技術への関心を示す活動

趣味・特技欄は、人物像を伝える補助的な項目ですが、エンジニアとしての資質をさりげなくアピールする機会としても活用できます。

仕事外での技術的な活動は、エンジニアとしての資質を示す有効な材料です。オープンソースソフトウェア(OSS)への貢献、技術ブログの運営(QiitaやZenn等での発信)、個人開発プロジェクト、技術コミュニティへの参加などが該当します。

チーム活動の記載

スポーツや文化活動など、チームで取り組む趣味は、協調性やコミュニケーション能力を示す材料になります。例えば「フットサル(チームスポーツを通じた協調性)」「登山(計画性と目標達成力)」といった記載が考えられます。

特筆すべき趣味・特技がない場合、無理に埋める必要はありません。空欄でも問題ありませんが、技術書や技術系ドキュメンタリーなど、職務に関連する内容であれば記載する価値があります。

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3. エンジニアの職務経歴書|履歴書以上に重要な作成ポイント

エンジニアの職務経歴書: 3つの必須要素

タップして作成ポイントと具体的記入例を確認

職務要約: **何を達成したか**を強調

+

書き方の焦点 (200〜300文字)

  • 経験者: **最もアピールしたい経験**とその成果を強調。
  • 経験者: **何を達成したか**に焦点を当てる。
  • 未経験者: **ポータブルスキル**と学習状況を訴求。
**【経験者 例】** Web系システム開発企業にて5年間、フロントエンドエンジニアとして従事。React/TypeScriptを用いたSPA開発を主導し、ECサイトのUI/UX改善プロジェクトでは**コンバージョン率を15%向上**させました。直近2年間はテックリードとして、3名のチームマネジメントと技術選定を担当しています。 **【未経験者 例】** 前職では営業職として3年間、顧客折衝と課題解決に従事。ITエンジニアへのキャリアチェンジを目指し、プログラミングスクールにて**Java/Springを6ヶ月学習**。ECサイトのポートフォリオを作成し、GitHubにて公開しています。

活かせるスキル: **体系的**な技術スタックの列挙

+

記載法と必須要素

  • **技術スタック**を**カテゴリ別**に体系的に列挙。
  • 実務経験年数と**習熟度**(精通/実務レベル)を明記。
  • 重要度が高い技術は**使用バージョン**も記載(例: React 18.x)。
  • 表形式での整理を推奨(一覧性向上)。
**【記載例】** ・JavaScript: (5年, 主言語として使用) ・React: (3年, プロジェクトリードレベル) ・AWS: (3年, EC2/S3/RDS/Lambdaの構築・運用経験あり)

職務経歴: **プロジェクト**と**成果の定量化**

+

プロジェクト構成要素

  • 概要、期間、規模、**役割**(ポジション)。
  • 使用した**技術スタック**と担当工程を明確化。
  • 成果は必ず**数値化**する(コスト、速度、工数、ユーザー数)。
  • 新しいプロジェクトから**逆時系列**で記載。
**【成果の定量化 例】** ・レスポンス時間を平均3秒から**0.5秒に短縮** (83%改善)。 ・サーバーコストを月額50万円から**30万円に削減**。 ・UI/UX改善により、**カート放棄率を22%に削減**。

エンジニアの採用選考において、職務経歴書は履歴書以上に重要な位置を占めます。

採用担当者は、職務経歴書を通じて応募者の技術レベル、プロジェクト経験、そして即戦力性を判断します。

職務経歴書の3つの必須要素

①職務要約の書き方

職務要約は、職務経歴書の冒頭に配置する200〜300文字程度の要約文です。採用担当者が最初に目にする部分であり、書類全体を読み進めるかどうかの判断を下す重要なセクションとなります。

経験者の場合

最もアピールしたい経験と、その経験を通じて得た成果を強調します。単なる業務内容の羅列ではなく、「何を達成したか」に焦点を当てます。

【記載例】

「Web系システム開発企業にて5年間、フロントエンドエンジニアとして従事。React/TypeScriptを用いたSPA開発を主導し、ECサイトのUI/UX改善プロジェクトではコンバージョン率を15%向上させました。直近2年間はテックリードとして、3名のチームマネジメントと技術選定を担当しています。」

未経験者の場合

ポータブルスキル(職種を超えて活用できる能力)と、IT業界への熱意、そして具体的な学習状況を訴求します。

【記載例】

「前職では営業職として3年間、顧客折衝と課題解決に従事し、論理的思考力とコミュニケーション能力を培いました。ITエンジニアへのキャリアチェンジを目指し、プログラミングスクールにてJava/Springを6ヶ月間学習。ECサイトのポートフォリオを作成し、GitHubにて公開しています。即戦力化に向けて、継続的に学習を進めています。」

②活かせる経験・知識・スキルの記載法

このセクションでは、保有する技術スタックを具体的かつ体系的に列挙します。採用担当者が企業の求める要件とのマッチングを判断する際の主要な材料となります。

記載すべき技術要素
  • 開発言語: Java、Python、JavaScript、TypeScript、Go、Ruby、PHPなど
  • フレームワーク: React、Vue.js、Angular、Spring Boot、Django、Ruby on Railsなど
  • OS: Linux(Ubuntu、CentOS)、Windows Server、macOSなど
  • データベース: MySQL、PostgreSQL、Oracle、MongoDB、Redisなど
  • インフラ環境: AWS(EC2、S3、Lambda、RDS)、Google Cloud Platform、Azureなど
  • 開発ツール: Git、Docker、Kubernetes、Jenkins、CircleCIなど
実務経験年数と習熟度の明記

単に技術名を列挙するだけでなく、実務経験年数や習熟度を明記することが重要です。

【記載例】

  • JavaScript(5年、実務で主言語として使用)
  • React(3年、プロジェクトリードレベル)
  • TypeScript(2年、実務レベル)
  • Python(1年、基本的な開発が可能)
  • AWS(3年、EC2/S3/RDS/Lambdaの構築・運用経験あり)

技術によっては、バージョンによって機能や仕様が大きく異なる場合があります。

特に重要度が高い場合は、使用したバージョンも記載します(例:「React 18.x」「Spring Boot 3.x」「Python 3.10以降」)。

表形式での整理

多数の技術スタックを読みやすく整理するため、表形式での記載を推奨します。

カテゴリ技術スタック実務経験年数習熟度
言語Java5年精通
言語Python3年実務レベル
フレームワークSpring Boot4年精通
DBPostgreSQL5年実務レベル
インフラAWS (EC2, S3, RDS)3年実務レベル

③職務経歴(プロジェクト詳細)の書き方

職務経歴は、職務経歴書の中核となるセクションです。担当したプロジェクトごとに、具体的な内容と成果を詳細に記載します。

プロジェクトごとの構成要素

各プロジェクトについて以下の要素を含めます。

  • 概要: プロジェクトの目的と背景
  • 期間: YYYY年MM月〜YYYY年MM月(X年Xヶ月)
  • 規模: チーム人数、システムの規模感
  • 役割: 自身の担当ポジション(メンバー、リーダー、アーキテクト等)
  • 技術スタック: 使用した言語、フレームワーク、インフラ環境
  • 成果: 定量的な成果を必ず含める
成果の定量化

成果は、可能な限り数値で示すことが重要です。処理速度、コスト削減、工数削減、ユーザー数増加など、ビジネスインパクトが明確に伝わる指標を用います。

【成果の定量化例】

  • レスポンス時間を平均3秒から0.5秒に短縮(約83%改善)
  • サーバーコストを月額50万円から30万円に削減(年間240万円のコスト削減)
  • 開発工数を従来比30%削減し、リリースサイクルを2週間に短縮
  • 新機能リリース後、ユーザー登録数が前月比120%増加

システム開発のどの工程を担当したかを明確にします(要件定義、基本設計・詳細設計、実装、テスト、運用・保守)。

新しいプロジェクトから逆時系列で記載します。最新の経験ほど詳しく、古いプロジェクトは簡潔にまとめます。

【プロジェクト詳細の記載例】

■ECサイトリニューアルプロジェクト(2023年4月〜2024年3月)

概要: 大手アパレル企業のECサイト全面リニューアル

規模: 開発チーム8名(フロントエンド4名、バックエンド4名)

役割: フロントエンドリーダー

技術スタック: React 18.x、TypeScript、Next.js、AWS(CloudFront、S3)

担当工程: 要件定義、基本設計、実装、テスト

成果:

  • ページ読み込み速度を平均4.2秒から1.8秒に改善(約57%高速化)
  • UI/UX改善により、カート放棄率を35%から22%に削減
  • 売上が前年比115%増加に貢献

詳細: レスポンシブ対応とパフォーマンス最適化を主導し、Next.jsのSSG機能を活用してSEO対策を強化しました。

技術スタックの効果的な見せ方

カテゴリ分類

技術スタックは、採用担当者が最も注目する情報の一つです。企業が求める技術との対応関係を意識して整理しましょう。

技術スタックは、カテゴリ別に整理すると一覧性が高まります(言語/フレームワーク、インフラ/クラウド、データベース、開発ツールなど)。

スキルマップの活用

視覚的にスキルレベルを示すスキルマップを作成することも効果的です。習熟度を「精通」「実務レベル」「基礎知識」などで区分し、採用担当者がひと目で理解できるようにします。

企業との技術的親和性

応募先企業の求人票や技術ブログを事前に調査し、企業が使用している技術や今後導入予定の技術に合わせて、関連するスキルを強調します。

企業との技術的な親和性が高いことをアピールできれば、選考通過率は大きく向上します。

4. 【経験者向け】エンジニア履歴書で実績をアピールする書き方

4. 【経験者向け】エンジニア履歴書で実績をアピールする書き方

経験者エンジニアが書類選考を突破するためには、単なる業務内容の羅列ではなく、具体的な実績とビジネスインパクトを明確に示すことが不可欠です。

成果を定量化する具体的手法

数値で示すべき要素

成果の定量化は、職務経歴書において最も重要な要素の一つです。

抽象的な「貢献しました」という表現ではなく、数値を用いて客観的に成果を示すことで、採用担当者に説得力を持って訴求できます。

  • 処理速度の改善: レスポンス時間を3秒から0.8秒に短縮(約73%改善)
  • コスト削減: サーバー費用を年間500万円から300万円に削減(200万円削減)
  • 工数削減: テスト自動化により、リグレッションテストの工数を50%削減
  • ユーザー数の向上: 新機能追加により、月間アクティブユーザー数が20%増加
  • エラー率の低減: バグ発生率を月平均15件から5件に削減(約67%改善)
  • 開発スピード向上: CI/CD導入により、デプロイ頻度を月1回から週1回に向上

ビジネスインパクトとの因果関係

技術的な改善が、最終的にどのようなビジネス成果につながったかを示すことが重要です。

【記載例】

「データベースクエリの最適化により、ページ読み込み速度を2.5秒から0.9秒に短縮。その結果、直帰率が45%から32%に改善し、月間コンバージョン数が15%増加しました。」

このように、技術的改善→ユーザー体験向上→ビジネス成果という因果関係を明確に示します。

STAR法の活用

成果を説明する際、STAR法(Situation, Task, Action, Result)を活用すると、論理的でわかりやすい記述になります。

【STAR法の記載例】

「(S)既存システムのバッチ処理に12時間かかり、翌日の業務開始に間に合わないという課題がありました。(T)処理時間を6時間以内に短縮する必要がありました。(A)処理のボトルネックを分析し、並列処理の導入とSQLクエリの最適化を実施しました。(R)処理時間を5時間に短縮し、業務効率が大幅に向上しました。」

専門性を際立たせる記述テクニック

技術選定の理由と設計思想

経験者エンジニアは、単なる実装担当者ではなく、技術的な意思決定や設計に関与できる専門性を示すことが重要です。

「React を使用しました」だけでなく、「なぜその技術を選定したか」という背景や理由を説明することで、技術的な判断力をアピールできます。

【記載例】

「既存のjQueryベースのフロントエンドをReactに移行。コンポーネントベースの設計により、UIの再利用性を高め、保守性を向上させました。また、仮想DOMによるレンダリング最適化により、大量データ表示時のパフォーマンスが大幅に改善しました。」

アーキテクチャレベルの貢献

システム全体の設計や、アーキテクチャの選定に関わった経験は、高い評価につながります。

  • マイクロサービスアーキテクチャへの移行設計
  • クラウドネイティブな構成の提案と実装
  • CI/CDパイプラインの構築
  • セキュリティ対策の設計と実装

【記載例】

「モノリシックなアーキテクチャから、マイクロサービスアーキテクチャへの段階的な移行を設計。Dockerコンテナ化とKubernetesによるオーケストレーションを導入し、スケーラビリティと開発チーム間の独立性を実現しました。」

チームリード・メンター経験

チームをリードした経験や、後輩エンジニアの育成に携わった経験は、マネジメント能力やコミュニケーション能力を示す重要な要素です。

【記載例】

「5名のチームリーダーとして、タスク管理、コードレビュー、技術選定を担当。新卒エンジニア2名のメンタリングを行い、3ヶ月で独力で機能開発ができるレベルまで育成しました。」

複数プロジェクトの優先順位付け

直近3年を重視

職務経歴書に記載するプロジェクトが多数ある場合、すべてを同じレベルで詳述する必要はありません。優先順位をつけて、効果的に記載しましょう。

採用担当者は、直近の経験を最も重視します。直近3年間のプロジェクトは詳細に記載し、それ以前のプロジェクトは主要なもののみを簡潔にまとめます。

応募先企業との関連性

応募先企業の事業領域や技術スタックに関連するプロジェクトは、優先的に詳述します。例えば、Fintech企業に応募する場合、金融系システムの開発経験を詳しく記載します。

多様性と専門性のバランス

幅広い技術領域の経験(フロントエンド、バックエンド、インフラなど)と、特定領域における深い専門性(特定の技術や領域における深い知識)の両方を示すことが理想的です。このバランスを意識して、プロジェクトを選定し記載します。

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5. 【未経験者向け】エンジニア履歴書でポテンシャルを示す書き方

5. 【未経験者向け】エンジニア履歴書でポテンシャルを示す書き方

未経験者がエンジニア転職を成功させるためには、「現在のスキル」ではなく「将来の伸びしろと早期戦力化の可能性」を示すことが重要です。

2025年も未経験者採用が拡大傾向にある中、効果的なアピール戦略を解説します。

ポータブルスキルの効果的なアピール法

IT業務に転用可能なスキル

ポータブルスキルとは、職種や業界を超えて活用できる汎用的な能力のことです。前職での経験を、IT業務の文脈に「翻訳」することで、未経験でも価値を示すことができます。

  • 論理的思考力: 複雑な問題を分解し、筋道立てて解決する能力
  • 問題解決能力: 課題の本質を見極め、効果的な解決策を導き出す力
  • コミュニケーション能力: チーム内外との円滑な情報共有と調整力
  • プロジェクトマネジメント: タスク管理、スケジュール管理、進捗管理
  • 顧客折衝力: 要件のヒアリングと提案力
  • データ分析力: データに基づく意思決定と改善提案

具体的なエピソードとの紐付け

抽象的に「論理的思考力があります」と述べるだけでは不十分です。前職での具体的なエピソードと結びつけて説明します。

【記載例】

「営業職として、顧客の課題をヒアリングし、最適なソリューションを提案してきました。複雑な要件を整理し、優先順位をつけて提案する経験は、エンジニアとして要件定義や仕様策定に活かせると考えています。売上目標に対して、データを分析して戦略を立案した経験も、開発における課題解決に応用できます。」

前職の成果をIT文脈に翻訳

前職での数値的な成果を、IT業務でどう活かせるかという視点で記述します。

【記載例】

「前職では、業務プロセスの改善提案により、チーム全体の作業時間を20%削減しました。この改善思考は、エンジニアとしてコードの最適化や開発プロセスの効率化に活かせると考えています。」

学習状況とポートフォリオの提示方法

現在の学習内容

未経験者にとって、最も重要なのは「学習意欲」と「成長速度」を具体的に示すことです。抽象的な熱意ではなく、実際の学習成果で証明しましょう。

  • 使用教材: 書籍名、オンライン学習サービス(Udemy、Progateなど)、プログラミングスクール名
  • 学習時間: 1日あたりの学習時間、累計学習時間
  • 進捗状況: どこまで学習が進んでいるか、次に学習予定の内容

【記載例】

「2024年4月からプログラミング学習を開始し、累計500時間を学習。Udemyの『Reactチュートリアル完全ガイド』を修了し、現在はTypeScriptとNext.jsを学習中です。平日は2時間、休日は5時間を学習に充てています。」

ポートフォリオの提示

ポートフォリオは、学習成果を具体的に示す最も効果的な手段です。GitHubのリポジトリURLや、デプロイしたアプリケーションのURLを必ず記載しましょう。

【記載例】

「学習の集大成として、ECサイトのポートフォリオを作成しました。React/TypeScript、Node.js/Express、PostgreSQLを使用し、ユーザー登録、商品検索、カート機能を実装しています。

技術ブログやアウトプット

学習内容を技術ブログやQiita、Zennなどで発信している場合、そのURLも記載します。アウトプットの習慣は、継続的な学習姿勢と技術への関心の高さを示します。

【記載例】

「学習した内容をQiitaで定期的に発信しています。『React Hooksの基本と実践』などの記事が、合計3,000いいねを獲得しました。

短期間でどれだけの成果物を作成できたかを示すことで、学習速度とポテンシャルをアピールできます。

未経験者が避けるべき記述

抽象的な熱意のみ

未経験者の職務経歴書には、避けるべき記述パターンがあります。

「御社で一生懸命頑張ります」「プログラミングに情熱を持っています」といった抽象的な表現だけでは、他の応募者との差別化が困難です。具体的な学習成果や、技術的な理解度を示すことが重要です。

技術的裏付けのない志望動機

「AIに興味があるので志望しました」といった、技術的な裏付けのない志望動機は避けましょう。最低限、その技術領域について学習し、基礎的な理解を示す必要があります。

【改善例】

「機械学習に関心を持ち、PythonとsciKit-learnを学習しています。Kaggleの入門コンペティションに参加し、データ前処理と基本的なモデル構築の流れを理解しました。今後は、実務でデータ分析の経験を積み、機械学習エンジニアとしてのキャリアを築きたいと考えています。」

曖昧な学習状況

「プログラミングを勉強中です」だけでは、何をどこまで学習したかが不明確です。具体的な学習内容と成果を記載しましょう。

未経験者採用トレンドの活用

企業が期待する要素

最新の採用市場データによると、未経験者採用は引き続き拡大傾向にあります。この市場環境を理解し、戦略的にアピールしましょう。

企業が未経験者を採用する際に重視するのは、

  • 学習速度(新しい技術を短期間で習得できる能力)
  • 自走力(自ら課題を見つけ、解決策を調べて実行できる力)
  • コミュニケーション能力(チーム内で円滑に情報共有できる力)
  • 成長意欲(継続的に技術を学び続ける姿勢)

です。

早期戦力化の可能性

未経験者でも、基礎的なプログラミングスキルの習得、実際に動作するアプリケーションの作成経験、GitやGitHubを使ったバージョン管理の理解、チーム開発の基礎知識(アジャイル、スクラムなど)、技術ドキュメントの読解力を示すことで、早期戦力化の可能性をアピールできます。

【記載例】

「6ヶ月間の集中学習により、Reactを用いたフロントエンド開発の基礎を習得しました。GitHubで複数のポートフォリオを公開しており、コードレビューのフィードバックを受けながら、継続的にスキル向上に取り組んでいます。入社後は、早期にチームの一員として貢献できるよう、引き続き学習を進めています。」

6. エンジニア履歴書・職務経歴書のサンプルとテンプレート

6. エンジニア履歴書・職務経歴書のサンプルとテンプレート

実際の履歴書・職務経歴書のサンプルとテンプレートを参考にすることで、効率的に質の高い応募書類を作成できます。

履歴書サンプル(基本形式)

基本情報欄の記入例

氏名:山田 太郎(やまだ たろう)
生年月日:1995年4月15日(29歳)
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-2-3
電話番号:090-1234-5678
メールアドレス:yamada.taro@example.com

学歴・職歴欄の記入例

【学歴】
2011年3月 東京都立○○高等学校 卒業
2011年4月 ○○大学 工学部 情報工学科 入学
2015年3月 ○○大学 工学部 情報工学科 卒業

【職歴】
2015年4月 株式会社○○ システム開発部 入社
           Webアプリケーション開発に従事
2020年4月 株式会社△△ エンジニアリング部 入社
           フロントエンド開発チームリーダーとして従事
2024年12月 現在に至る
以上

志望動機の記入例

「貴社がマイクロサービスアーキテクチャの導入を積極的に進めていることを知り、強く関心を持ちました。前職ではモノリシックなシステムの課題を経験しており、貴社の技術スタック(Kubernetes、Go、gRPC)を活用した開発に携わることで、よりスケーラブルなシステム構築に貢献したいと考えています」

職務経歴書サンプル①: Webエンジニア(経験3年)

職務要約

「Web系システム開発企業にて3年間、フロントエンドエンジニアとして従事。React/TypeScriptを用いたSPA開発を担当し、コーポレートサイトのリニューアルプロジェクトではページ表示速度を40%改善しました。直近ではバックエンド開発(Node.js/Express)も経験し、フルスタックエンジニアとしてのスキルを広げています」

活かせる経験・知識・スキル

カテゴリ技術スタック実務経験年数習熟度
言語JavaScript3年精通
言語TypeScript2年実務レベル
フレームワークReact3年精通
フレームワークNext.js1年実務レベル
バックエンドNode.js/Express1年基礎レベル
インフラAWS (S3, CloudFront)2年実務レベル

職務経歴

■コーポレートサイトリニューアルプロジェクト(2023年1月〜2023年12月)

  • 概要: 自社コーポレートサイトの全面リニューアル
  • 規模: 開発チーム4名
  • 役割: フロントエンドエンジニア(メイン担当)
  • 技術スタック: React 18、TypeScript、Next.js、Tailwind CSS
  • 担当工程: 基本設計、実装、テスト
  • 成果:
    • ページ表示速度をLighthouseスコア65点から92点に改善(40%向上)
    • レスポンシブ対応により、モバイルからのアクセス数が30%増加
    • SEO最適化により、オーガニック検索流入が25%増加

職務経歴書サンプル②: インフラエンジニア(経験5年)

職務要約

「SIerにて5年間、インフラエンジニアとして従事。オンプレミス環境の構築・運用から、AWSを活用したクラウドインフラの設計・構築まで幅広く経験。直近2年間はDevOpsエンジニアとして、CI/CDパイプラインの構築と運用自動化を推進し、デプロイ時間を80%短縮しました」

活かせる経験・知識・スキル

カテゴリ技術スタック実務経験年数習熟度
OSLinux (Ubuntu, CentOS)5年精通
クラウドAWS (EC2, S3, RDS, Lambda)3年精通
コンテナDocker3年実務レベル
オーケストレーションKubernetes2年実務レベル
CI/CDJenkins, GitHub Actions2年実務レベル
IaCTerraform2年実務レベル

職務経歴

■クラウド移行プロジェクト(2022年4月〜2023年3月)

  • 概要: オンプレミス環境からAWSへのシステム移行
  • 規模: インフラチーム5名
  • 役割: インフラエンジニア(リーダー)
  • 技術スタック: AWS (EC2, RDS, S3, CloudFront, Route53)、Terraform
  • 担当工程: 要件定義、設計、構築、移行、運用
  • 成果:
    • インフラコストを月額180万円から120万円に削減(年間720万円削減)
    • 可用性が99.9%から99.95%に向上
    • Terraformによるインフラのコード化により、環境構築時間を2週間から2日に短縮

職務経歴書サンプル③: 未経験からの転職者

職務要約

「前職では営業職として3年間、顧客折衝と課題解決に従事し、論理的思考力とコミュニケーション能力を培いました。ITエンジニアへのキャリアチェンジを目指し、2024年4月からプログラミング学習を開始。8ヶ月間でReact/TypeScriptを習得し、ECサイトのポートフォリオを作成しました。即戦力化に向けて、継続的に学習を進めています」

活かせる経験・知識・スキル(ポータブルスキル)

前職の営業活動において、顧客課題を分析し最適なソリューションを提案してきた経験から、論理的思考力を培いました。売上目標未達成時にデータを分析して戦略を立案し、目標達成に導いた経験から、問題解決能力を習得しています。また、社内外との調整業務を通じて、円滑な情報共有と合意形成を行うコミュニケーション能力も身につけました。

技術スキル(独学)

カテゴリ技術スタック学習期間習熟度
言語JavaScript8ヶ月基礎レベル
言語TypeScript6ヶ月基礎レベル
フレームワークReact6ヶ月基礎レベル
バックエンドNode.js/Express4ヶ月入門レベル
DBPostgreSQL3ヶ月入門レベル
ツールGit/GitHub6ヶ月基礎レベル

学習実績・ポートフォリオ

無料テンプレートのダウンロード案内

履歴書・職務経歴書の作成をスムーズに進めるために、テンプレートの活用をおすすめします。履歴書テンプレート(A4、JIS規格)、職務経歴書テンプレート(編年体形式)、職務経歴書テンプレート(キャリア式形式)などが有効です。

転職エージェントの多くは、履歴書・職務経歴書のテンプレートを無料で提供しています。また、書類添削サービスも無料で利用できるため、第三者の視点でチェックを受けることをおすすめします。

7. エンジニアの履歴書作成でよくある失敗と対処法

書類選考を突破せよ!
エンジニア履歴書の4大失敗と対処法

詳細な解説は記事本文で!まずは「NG」をチェック!

1. 技術スタック:曖昧な表現

NG

「〇〇できます」
バージョン情報なし

OK (対処)

実務年数・役割を明記
バージョン記載

採用担当者への伝達効率

曖昧な記載: 20% → 具体的な記載: 95%

2. 成果:数値でのインパクト不足

NG

「改善に貢献しました」
具体的行動不明

OK (対処)

STAR法で数値化
ビジネス成果を明示

貢献度の伝わりやすさ

不明確な貢献: 0% → 数値で短縮: 66%改善

3. 職務経歴書:分量が不適切

経験年数に応じて、適切なページ数で簡潔にまとめる

経験年数と推奨ページ数

3年未満 (1〜2枚)

3〜5年 (2〜3枚)

5年以上 (3〜4枚)

NG

全てを詳細に記述
(冗長/情報不足)

OK (対処)

直近は詳細 / 過去は簡潔
関連性の高い内容を優先

4. 応募先:企業への最適化不足

NG

汎用的な志望動機
企業研究が不十分

OK (対処)

企業課題への貢献を記述
学習意欲を示す

パーソナライズ度

汎用的な応募: 20% → 最適化された応募: 85%

書類選考通過の鍵:【数値化】【役割】【適合性】

書類選考で不合格になる応募書類には、共通する失敗パターンが存在します。

ここでは、エンジニアの履歴書・職務経歴書でよくある失敗と、その対処法を解説します。

技術スタックの記載ミス

曖昧な習熟度表現

技術スタックの記載は、採用担当者が最も注目する部分ですが、曖昧な表現や情報不足により、適切に評価されないケースが多く見られます。

「Javaができます」「Pythonが使えます」といった曖昧な表現では、実際のスキルレベルが伝わりません。

実務経験年数を明記し、具体的な習熟度レベルを示し(「精通」「実務レベル」「基礎レベル」など)、プロジェクトでの役割を明示します(「メイン言語として使用」「補助的に使用」など)。

【NG例/OK例】
  • NG例:「Javaができます」
  • OK例:「Java(実務経験5年、Spring Bootを用いた業務システム開発でメイン言語として使用、チームリーダー経験あり)」

バージョン情報の欠落

技術によっては、バージョンによって機能や仕様が大きく異なる場合があります。特に重要度が高い場合は、使用したバージョンも記載しましょう(例:「React 18.x(Hooks、Context APIを活用)」「Spring Boot 3.x」「Python 3.10以降」)。

実務経験と自己学習の区別

実務で使用した技術と、独学で学習した技術を明確に区別することが重要です。混同すると、採用担当者が正確なスキルレベルを判断できません。

【記載例】
【実務経験】
- Java(5年、業務システム開発)
- React(3年、Webアプリケーション開発)

【自己学習】
- Go(6ヶ月、個人プロジェクトで使用)
- Rust(3ヶ月、学習中)

成果の記述が抽象的

具体的な数値で示す

成果を抽象的に記述すると、応募者の貢献度が伝わらず、評価が困難になります。

「プロジェクトの成功に貢献しました」「システムの改善に寄与しました」といった表現では、具体的に何をしたのかが十分に伝わりません 。

【NG例/OK例】
  • NG例:「システムの性能改善に貢献しました」
  • OK例:「データベースクエリの最適化により、ページ読み込み速度を平均3.2秒から1.1秒に短縮(約66%改善)し、ユーザー満足度調査のスコアが4.2から4.7に向上しました」

ビジネスインパクトの明示

成果は、可能な限り数値で示すことが重要です。処理時間の短縮、コスト削減、ユーザー数の増加、エラー率の低減、開発効率の向上などの指標を活用します。

技術的な改善が、最終的にどのようなビジネス成果につながったかを示すことで、応募者の価値が明確になります。

【記載例】

「CI/CDパイプラインの構築により、デプロイ時間を4時間から30分に短縮。これにより、新機能のリリースサイクルが月1回から週1回に向上し、顧客からの機能要望への対応速度が大幅に改善しました」

職務経歴書が長すぎる/短すぎる

適切な分量の目安

職務経歴書の分量が適切でないと、採用担当者に読まれない可能性があります。

経験年数3年未満はA4で1〜2枚、経験年数3〜5年はA4で2〜3枚、経験年数5年以上はA4で3〜4枚(最大4枚まで)が目安です。

冗長性の排除

長すぎる職務経歴書は、重要な情報が埋もれてしまいます。

直近3年間のプロジェクトは詳細に、それ以前は簡潔に記載し、応募先企業に関連するプロジェクトを優先的に詳述し、同じような内容のプロジェクトは統合してまとめましょう。

逆に、短すぎる職務経歴書は、情報不足で評価されません。

最低限、職務要約、技術スタック(具体的かつ詳細に)、プロジェクト詳細(概要、期間、規模、役割、技術、成果)は必ず含めましょう。

応募先企業への最適化不足

企業研究不足の志望動機

すべての企業に同じ内容の履歴書・職務経歴書を提出すると、選考通過率が下がります。

志望動機が「貴社の事業に興味を持ちました」といった一般的な内容だと、企業研究不足が明らかです。

応募企業の事業内容、開発しているプロダクト、技術ブログを事前に調査し、企業のミッション、ビジョン、バリューを理解し、自身の価値観との一致点を示し、企業が解決しようとしている課題に対して、自分がどう貢献できるかを具体的に記述しましょう。

技術スタックのミスマッチ

求人票に記載されている技術スタックと、職務経歴書に記載した技術が全く異なると、マッチング不足と判断されます。

求人票の「必須スキル」「歓迎スキル」を精査し、保有スキルの中で、企業が求める技術に関連するものを優先的に詳述し、企業が使用している技術を学習中の場合、その旨を記載しましょう。

【記載例】

「現在、貴社が使用しているKubernetesについて、公式ドキュメントとUdemyの講座で学習中です。ローカル環境でクラスタを構築し、基本的なデプロイメントを実践しています。」

8. エンジニアの履歴書提出後|書類選考通過のための準備

書類選考を通過した後は、面接に向けた準備が重要です。職務経歴書に記載した内容を深掘りされることを前提に、しっかりと対策を行いましょう。

技術面接の準備

職務経歴書に記載した技術の深掘り質問対策

書類選考を通過すると、多くの場合、技術面接が実施されます。職務経歴書に記載した技術やプロジェクトについて、詳細を質問されることを想定して準備しましょう。

面接官は、職務経歴書に記載された技術やプロジェクトについて、

「○○の技術を選定した理由は何ですか?」
「プロジェクトで最も苦労した点は何ですか? どう解決しましたか?」
「なぜその設計にしたのですか? 他の選択肢は検討しましたか?」
「チーム内でどのような役割を担いましたか?」「成果として記載した数値の根拠を教えてください」
といった質問をします。

職務経歴書に記載した技術については、基本的な仕組みから実装の詳細まで、説明できるように準備しておきましょう。

アルゴリズム・データ構造の復習

企業によっては、コーディングテストやアルゴリズム問題が出題されます。配列、リスト、スタック、キュー、ソート、探索アルゴリズム、木構造、グラフ、動的計画法、計算量などが頻出です。

LeetCodeやAtCoderなどのプラットフォームで、実際に問題を解いて練習することをおすすめします。

システム設計の考え方整理

シニアエンジニアやリードエンジニアのポジションでは、システム設計に関する質問が行われることがあります。

スケーラビリティを考慮した設計、データベース設計(正規化、インデックス)、キャッシング戦略、負荷分散の方法、セキュリティ対策などについて、過去に設計したシステムをアーキテクチャ図を描きながら説明できるように準備しましょう。

ポートフォリオのブラッシュアップ

コードの可読性向上

未経験者や経験の浅いエンジニアにとって、ポートフォリオは技術力を証明する重要な材料です。面接前に、ポートフォリオの品質を高めておきましょう。

面接官がコードをレビューする際、最も重視されるのは可読性です。適切な変数名、関数名を使用し、コメントを適切に記載し、コードの重複を避け、関数やモジュールに分割し、一貫したコーディングスタイルを保ちます(Linterの使用を推奨)。

READMEの充実

GitHubのREADMEは、ポートフォリオの「顔」です。

プロジェクトの概要と目的、使用した技術スタック、主要な機能、インストール方法と実行手順、デモサイトのURL(あれば)、工夫した点や技術的なチャレンジを必ず含めましょう。

デプロイ環境の整備

可能であれば、実際に動作するアプリケーションをデプロイしましょう。面接官が実際に触れることで、完成度の高さが伝わります。

Vercel、Netlify(フロントエンド)、Heroku、Render、AWS(バックエンド)などのプラットフォームが利用できます。デプロイURLを履歴書や職務経歴書に記載し、面接でも紹介できるように準備しておきましょう。

年収交渉の準備

自身の市場価値の把握

書類選考を通過し、面接が進むと、最終的に年収交渉の場面が訪れます。適切な準備を行い、自身の市場価値に見合った条件を引き出しましょう。

年収交渉を成功させるためには、自身の市場価値を客観的に把握することが重要です。転職サイトの年収診断ツールを活用し、同じスキルセット・経験年数のエンジニアの年収相場を調査し、業界や職種ごとの平均年収データを確認しましょう。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」や、大手転職サービスが公開している年収データを参考にしましょう。

希望年収の根拠づくり

希望年収を提示する際は、根拠を明確に説明できるようにしておきます。

現在の年収と、転職によって期待する上昇幅、自身のスキルセットと市場相場との比較、類似ポジションの求人の年収レンジ、前職での実績や成果(売上貢献、コスト削減など)を整理します。

【年収交渉の例】

「現在の年収は500万円ですが、これまでの実績(システム改善による年間300万円のコスト削減、チームリーダー経験)と、市場相場(同じスキルセットのエンジニアの平均年収600万円)を踏まえ、600〜650万円を希望します。」

年収交渉は、自身の価値を適切に評価してもらうための重要なプロセスです。遠慮せず、根拠を持って交渉に臨みましょう。

9. エンジニア履歴書に関するよくある質問

9. エンジニア履歴書に関するよくある質問

エンジニアの履歴書・職務経歴書作成に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1: 履歴書は手書きとPC作成どちらが良いですか?

A: エンジニア職ではPC作成が主流で推奨されます。

エンジニア職では、PCスキルは必須の前提条件であり、手書きの履歴書はほとんど見られません。

Word、Googleドキュメント、Excelなどで作成し、提出時にはPDF形式に変換することで、フォーマットの崩れを防ぎます。履歴書をPC作成することで、基本的なITリテラシーを示すことができます。

Q2: 職務経歴書は何枚程度が適切ですか?

A: A4で2〜3枚が目安、経験年数に応じて調整します。

職務経歴書の適切な分量は、経験年数によって異なります。経験年数3年未満はA4で1〜2枚、経験年数3〜5年はA4で2〜3枚、経験年数5年以上はA4で3〜4枚(最大4枚まで)が目安です。

長すぎると採用担当者が読み切れず、重要な情報が埋もれてしまいます。逆に短すぎると、技術スタックやプロジェクト経験が十分に伝わりません。

直近3年間のプロジェクトは詳細に記載し、それ以前のものは簡潔にまとめるなど、メリハリをつけることが重要です。

Q3: 複数の職種を経験している場合、どう記載すべきですか?

A: 応募職種に関連性の高い経験を優先的に詳述します。

キャリアの中で複数の職種を経験している場合、すべてを同じレベルで詳述する必要はありません。応募するポジションに最も関連性の高い経験を優先的に詳しく記載します。

例えば、フロントエンドエンジニアのポジションに応募する場合、フロントエンド開発の経験を詳述し、バックエンドやインフラの経験は簡潔にまとめます。

ただし、フルスタックエンジニアとしての幅広いスキルをアピールしたい場合は、各領域での経験をバランスよく記載しましょう。

職務要約で「フロントエンド開発を中心に、バックエンドやインフラも経験」といった形で全体像を示し、詳細部分で応募職種に関連する経験を強調する構成が効果的です。

Q4: 短期離職がある場合、どう説明すべきですか?

A: 事実を簡潔に記載し、そこから得た学びを前向きに表現します。

短期離職は、採用担当者が気にするポイントの一つですが、隠すのではなく、事実を簡潔に記載し、前向きに説明することが重要です。

【記載例】

「○○株式会社に入社しましたが、企業の事業方針の変更により、当初想定していた業務内容と大きく異なることが判明しました。早期に自身のキャリアビジョンと一致する環境を見つけるため、6ヶ月で退職を決断しました。この経験から、入社前の企業研究と自己分析の重要性を学び、今回の応募では慎重に企業選定を行っています。」

ポイントは、他責にせず、自身の判断として説明し、そこから得た学びを示すことです。短期離職を単なる失敗ではなく、キャリア形成の一部として前向きに捉えている姿勢を示しましょう。

Q5: フリーランス経験はどう記載しますか?

A: 個人事業主として期間と主要案件を記載します。

フリーランスとしての経験は、正社員と同様に職歴として記載できます。

【記載例】

2020年4月〜2023年3月 個人事業主(フリーランスエンジニア)
Webアプリケーション開発を中心に、複数の企業案件を受託

【主要案件】
■ECサイト開発(2022年4月〜2023年3月)
・クライアント:○○株式会社
・役割:フロントエンドエンジニア
・技術スタック:React、TypeScript、Next.js
・成果:ページ読み込み速度を50%改善

フリーランス期間中の主要な案件を、通常のプロジェクト経歴と同様に記載します。守秘義務の範囲内で、クライアント企業名や成果を具体的に示すことで、信頼性を高めることができます。

Q6: 保有資格が少ない場合、資格欄はどうすべきですか?

A: 勉強中の資格や関連する資格を記載、無理に埋める必要はありません。

エンジニア職において、資格は技術力を示す一つの要素ですが、必須ではありません。保有資格が少ない場合でも、無理に関係のない資格を記載する必要はありません。

現在学習中の資格がある場合、その旨を記載することで、継続的な学習姿勢をアピールできます。

【記載例】

【保有資格】
・基本情報技術者試験(2020年10月取得)
・TOEIC 750点(2022年6月)

【学習中】
・応用情報技術者試験(2025年春期試験受験予定)
・AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(学習中)

資格欄が空欄または少ない場合は、職務経歴書の「技術スタック」や「ポートフォリオ」で実力を示すことに注力しましょう。

実務経験や成果物の方が、資格よりも高く評価されるケースが多くあります。

Q7: 転職回数が多い場合の対処法は?

A: 各転職の理由を簡潔に記載し、キャリアの一貫性を示します。

転職回数が多いことは、それ自体がマイナス評価につながるわけではありません。重要なのは、各転職に明確な理由があり、キャリアに一貫性があることを示すことです。

職務経歴書の各社の職歴に、簡潔に転職理由を添えます。

【記載例】

「○○株式会社(2018年4月〜2020年3月) Webアプリケーション開発に従事。より大規模なシステム開発に携わりたいと考え、転職を決意。」

職務要約で、転職を通じてどのように技術を深めてきたか、キャリアのストーリーを示します。

【記載例】

「Web開発エンジニアとして、小規模から大規模まで様々なシステム開発を経験。各社で新しい技術スタックに挑戦し、フロントエンドからバックエンド、インフラまで幅広いスキルを習得してきました。」

転職のたびにスキルアップしていることを示せれば、転職回数の多さはキャリア形成の積極性として評価されます。

Q8: 外資系企業への応募の場合の注意点は?

A: 英文レジュメが必要な場合も、基本構成は同様です。

外資系企業に応募する場合、英文レジュメ(Resume / CV)の提出を求められることがあります。基本的な構成は日本語の職務経歴書と同様ですが、いくつか注意点があります。

英文レジュメの基本構成は、Summary / Objective(職務要約)、Skills(技術スタック)、Work Experience(職務経歴)、Education(学歴)、Certifications(資格)となります。

記載の注意点として、簡潔で明確な表現を心がけ(冗長な説明は避ける)、成果は必ず数値で示し、動詞を効果的に使い(Developed, Implemented, Achieved, Improved など)、1〜2ページ以内にまとめます。

【成果の記載例】

“Improved page load speed by 65% (from 3.2s to 1.1s) through database query optimization, resulting in a 20% increase in user engagement.”

英文レジュメが必要な場合でも、まずは日本語の職務経歴書をしっかりと作成し、それを英訳する形で進めると効率的です。

専門の翻訳サービスや、ネイティブチェックを利用することも検討しましょう。

10. エンジニアの履歴書作成|重要ポイントのまとめ

エンジニアの履歴書・職務経歴書で選考を通過するには、履歴書と職務経歴書の役割分担を理解し、職務経歴書で技術スタックと成果を定量化することが重要です。

経験者は実績を、未経験者はポテンシャルを強調し、応募企業に合わせて最適化します。

現在も多くの企業が積極採用を計画する売り手市場を活かし、戦略的にアピールしましょう。テンプレートを使用して作成を開始し、信頼できる第三者にレビューを依頼することで、書類の質を高められます。

応募企業の求人票を再確認してカスタマイズし、転職エージェントの無料添削サービスも積極的に活用しましょう。

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