2010年の楽天・ユニクロの英語公用語化宣言から15年。今や日本でも多くの企業が英語環境を整備し、外国籍ITエンジニアの採用を加速しています。
しかし、「英語公用語」といっても、企業によって環境などは異なっている場合があります。
この記事では、英語で働ける日本企業50社と、日本でのキャリア構築に役立つ実践的戦略を紹介します。
- 日本で英語だけで働ける企業50社(大手・スタートアップ・外資系・ゲーム業界)の特徴について
- 外国籍エンジニアに求められるスキルと、日本企業が提供する福利厚生・ビザサポートの実態について
- 日本の英語公用語企業で成功するためのコミュニケーション戦略と文化的適応のコツについて
1.日本企業の英語公用語化の現状と外国籍エンジニアの機会

2025年現在、上場企業の25%以上が英語を公用語に採用し、IT・テクノロジーセクターでは45%を超えています。日本のIT人材不足を背景に、海外人材獲得のための英語環境整備が進んでいます。
特に、単なる「外国籍人材の採用」から「インクルーシブな多言語環境構築」へと企業の意識が変化しています。リモートワークの普及や高度専門職ビザの要件緩和も、この流れを加速させています。
なぜ日本企業は英語公用語化を進めているのか
日本企業が英語公用語化に踏み切る主な理由は以下の通りです。
- グローバル競争力強化 – 国内市場縮小に伴う海外展開の必要性
- 優秀なグローバル人材獲得 – メルカリではエンジニアの約40%が外国籍
- コミュニケーション効率化 – 海外拠点や国際チームとの情報共有
- イノベーション創出 – 多様な視点による新しいアイデア生成
近年は「全社一律の英語公用語化」から、部門別の実践的アプローチへと変化しています。
外国籍ITエンジニアにとってのメリット
英語公用語企業での主なメリット
- 言語障壁なしで専門性発揮 – 技術力で評価される環境
- 日本企業の技術文化習得 – グローバルキャリアの差別化要素に
- 最先端技術へのアクセス – AI、ロボティクス分野などの機会
- 生活の質の高さ – 安全な環境と充実したインフラ
- 架け橋としての役割 – 文化的背景を活かした国際貢献
2.日本語スキルの必要性:実態と誤解

「英語公用語」と掲げていても、その定義と実施範囲は企業によってさまざまです。2024年の調査では、「英語公用語」企業でも社内コミュニケーションの約40%は日本語で行われています。
同じ企業内でも部門による差異が大きく、エンジニアリング部門は最も国際化が進む傾向にあります。企業タイプ別では、外資系IT企業の日本支社が最も英語環境が整備されています。
日本語スキルの有無が最も影響するのは「公式な業務コミュニケーション」よりも「インフォーマルなコミュニケーションや社内政治」の部分です。
英語公用語企業でも役立つ基本的な日本語
基本的な日本語を習得することで職場でのコミュニケーションの幅が広がります。
<職場で役立つ基本フレーズ>
- 挨拶:「おはようございます」「お疲れ様です」「ありがとうございます」
- 会議:「すみません、もう少しゆっくり話していただけますか」
- チャット:「了解しました」「確認します」「助かります」 など
IT関連の日本語専門用語(多くはカタカナ英語)と、ランチや飲み会での簡単な会話フレーズも覚えておくと良いでしょう。
完全に日本語なしで働ける企業の特徴
完全に日本語スキルが不要な企業には共通した特徴があります。
<完全英語環境企業の共通点>
- 社内文書・ツールが100%英語対応
- 人事部門を含む全部門が英語対応可能
- エンジニアの40%以上が外国籍または海外経験者
- グローバルサービスを主軸としている
外資系グローバル企業の日本オフィス、国際的なプロダクト開発チーム、外国籍の創業者・CEOの企業などが該当します。
3.【2025年最新】外国籍エンジニアに人気の英語公用語企業50社

以下の基準に基づいて50社を独自に選定しました。
- 英語環境の充実度
- 外国籍エンジニアの採用実績と比率
- 外国籍人材向けサポート体制
- 社員の口コミや評判
- 2024-2025年の採用動向 など
大手テック企業の英語環境と採用状況(15社)
楽天グループ株式会社

- 英語公用語化の先駆者として2010年から英語環境を整備。エンジニアの約50%が外国籍で、特にAI・クラウド・Eコマースプラットフォーム部門での採用が活発。
- TOEICスコア800点以上の社員が90%を超え、新卒でも入社までに800点取得が条件。
- バイリンガル環境が定着し、技術書類やミーティングは100%英語だが、非公式コミュニケーションでは日本語も使われる。
株式会社メルカリ

- エンジニアの約40%が外国籍で、特にUSチームは完全英語環境。
- 2023年からフルリモート制度を導入し、海外からの採用も積極的に行う「Mercari Anywhere」プログラムが好評。
- 入社時の日本語要件なし。AI・機械学習・プラットフォーム開発チームで特に外国籍エンジニアが多い。
- 新卒・経験者共に通年採用を実施。
LINEヤフー株式会社

- 日本・韓国・台湾・タイを中心としたアジア展開により、国際的な開発環境が特徴。
- エンジニアの約30%が外国籍で、特にAI、メッセンジャー、Fintech部門での採用が多い。日韓のエンジニアチーム間の共通言語は英語。
- 2023年のLINEとYahoo Japanの統合後も、LINE部門は英語環境を維持。
株式会社サイバーエージェント

- AI研究開発部門「ACES」を中心に英語環境を整備。
- 外国籍エンジニアは全体の25%程度だが、AI・広告テクノロジー部門では50%近くに達する。
- 毎年「Global Challenge」採用を実施し、海外大学からのトップタレント獲得に注力。メタバース・Web3.0部門の拡大で採用増加中。
DeNA株式会社

- ゲーム・AI・ヘルスケア部門を中心に英語環境を整備。
- ゲーム事業のグローバル展開に伴い、海外クリエイターとの協業が増加。AI・機械学習チームは約40%が外国籍。
- 2023年から「Global Tech Talent」プログラムを開始し、海外エンジニアの採用を強化。ヘルスケアAI部門での採用が特に活発。
ソフトバンクグループ 株式会社

- AI・ロボティクス・IoT部門を中心に英語環境を整備。ソフトバンク・ビジョン・ファンド関連部門は完全英語環境。
- 海外投資先企業とのプロジェクトが多く、グローバルな環境。
- ロボティクス部門では外国籍エンジニアが30%を超える。AI研究所では博士号保持者の採用が活発。
GMOインターネットグループ 株式会社

- ブロックチェーン・フィンテック部門が英語環境を整備。暗号資産・NFT関連事業の拡大で、外国籍エンジニアの採用が増加傾向。
- 開発ドキュメントは英語だが、社内コミュニケーションでは日本語も多用。
- Z世代向けFintech「コイン」部門での採用が活発。
株式会社NTT DATA, Inc.

- グローバルプロジェクト部門を中心に英語環境を整備。海外拠点とのコラボレーションが多く、国際プロジェクトでは英語が標準。ただし社内全体の英語化は限定的。
- グローバルAI・クラウド部門では外国籍エンジニアの採用を強化中。
- 大規模データ分析部門での採用が活発。
株式会社 日立製作所(デジタルソリューション部門)

- Lumadaブランドのデジタルソリューション部門を中心に英語環境を整備。IoT・スマートシティプロジェクトで国際チームが増加。
- 研究開発部門では外国籍研究者・エンジニアの比率が高い。
- 2024年から「Global Digital Talent」プログラムを開始し、海外からの採用を強化。
ソニーグループ 株式会社

- R&D部門とPlayStation部門を中心に英語環境が整備。AI・コンピュータビジョン・ロボティクス部門では外国籍エンジニアが多数。
- 「Sony Global Challenge」プログラムで海外大学からのトップ人材獲得に注力。
- PlayStation部門は完全英語対応で、世界各国のスタジオと連携。
株式会社リクルート ホールディグス

- Indeed部門を中心に英語環境が整備。AI・機械学習・データサイエンス部門では外国籍エンジニアが30%以上。
- グローバルプロダクト開発チームは完全英語環境で、リモートワークも柔軟。
- 「Global Tech Meetup」を定期開催し、海外人材との交流を促進。
株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)
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- デジタル化推進部門を中心に英語環境を整備中。社内公用語は英語だが、実態は部門によって差がある。
- サプライチェーン最適化・顧客データ分析・EC部門で外国籍エンジニアの採用を拡大中。
- アリババとの提携プロジェクトでは英語が標準言語。
富士通 株式会社

- グローバルプロジェクト部門とAI研究所を中心に英語環境を整備。
- 量子コンピューティング・AI・スーパーコンピュータ部門で外国籍研究者・エンジニアを積極採用。ドイツや英国の研究所と連携したプロジェクトも多数。
- 社内全体の英語化は限定的だが、技術文書は英語が標準。
KDDI株式会社(グローバル部門)

- 次世代通信技術・5G/6G研究開発部門やベンチャー投資部門で英語環境を整備。通信インフラのグローバル展開に伴い、国際プロジェクトが増加。
- 外国籍エンジニアは全体の15%程度だが、研究開発部門では30%近くに達する。「KDDI Open Innovation Program」を通じた国際スタートアップとの協業も活発。
株式会社電通デジタル

- マーケティングテクノロジー・データアナリティクス部門を中心に英語環境を整備。
- 国際的な広告・マーケティングプロジェクトが多く、グローバルクライアント対応チームは英語が標準。クリエイティブテクノロジー部門では外国籍エンジニアの採用が増加中。
- 2024年から「Global Creative Technology Program」を開始し、海外人材の獲得に注力。
外国籍人材採用に積極的なスタートアップ企業リスト(15社)
株式会社SmartHR

- 人事・労務管理のSaaSプラットフォームを提供する成長企業。
- エンジニアの約20%が外国籍で、特にバックエンド・インフラ部門での採用が活発。社内文書は日英バイリンガル対応が進行中。
- 2023年から「Global Tech Program」を開始し、海外人材の採用を強化。フルリモート勤務制度を導入しており、国内であれば住所を問わず勤務可能。
株式会社LayerX

- ブロックチェーン・フィンテック領域の急成長スタートアップ。外国籍エンジニアが約35%を占め、ブロックチェーン・スマートコントラクト開発部門は完全英語環境。
- 創業者のバイリンガル経営により外国籍エンジニアが活躍しやすい環境。
- 2024年からグローバル採用を強化し、フルリモート勤務も可能。Web3/DAO領域での採用が特に活発。
株式会社Preferred Networks

- ディープラーニング技術を産業応用する研究開発企業。研究者・エンジニアの約40%が外国籍で、研究論文・ドキュメントはすべて英語。
- トヨタやファナックなど国内大手との共同研究プロジェクトも英語で進行。
- PhD保持者の採用に積極的で、グローバルトップ大学からの採用が多い。オフィスは日本だが、ハイブリッドワークモデルを採用。
ウーブン・バイ・トヨタ株式会社 Woven by Toyota

- トヨタのモビリティ特化子会社として2021年に設立。自動運転・スマートシティ・コネクテッドカー開発に注力。
- シリコンバレーとの連携が強く、エンジニアの約30%が外国籍。
- 開発ドキュメントはすべて英語対応。2024年から「Woven Global Mobility Challenge」プログラムで国際採用を拡大中。
株式会社ビズリーチ

- ハイクラス人材向けキャリアプラットフォームを運営。AI・機械学習部門を中心に英語環境を整備し、外国籍エンジニアが約25%。
- 2023年から「Global AI Team」を立ち上げ、海外人材の採用を加速。
- 日英バイリンガル環境で、技術ドキュメントは英語標準。ハイブリッドワークモデルを導入し、週3日程度のリモートワークが可能。
株式会社Finatext

- 金融データ分析・トレーディングプラットフォームを提供するフィンテック企業。
- ロンドン・香港・東京にオフィスを持ち、完全英語環境。エンジニアの約45%が外国籍で、金融データサイエンス・アルゴリズム開発部門での採用が活発。
- 「Finatext Global Fellowship」プログラムで世界中から金融テック人材を採用中。
PayPal Pte. Ltd.

- 後払い決済サービスを提供するフィンテック企業(2021年PayPalに買収)。エンジニアの約40%が外国籍で、完全英語環境。
- PayPal買収後もエンジニアリング組織は比較的独立した文化を維持。
- グローバルフィンテック人材の採用に積極的で、特にリスク管理・AI部門での採用が活発。ハイブリッドワークモデルを導入。
株式会社 Custodiem

- 暗号資産取引プラットフォームを運営。社内公用語は英語で、エンジニアの約50%が外国籍。
- ブロックチェーン・セキュリティ・取引システム開発者の採用に積極的。
- シンガポール・東京・ロンドンにオフィスを持ち、グローバルなリモートワーク体制を構築。暗号資産業界経験者の採用が特に活発。
Mercari US(メルカリUS)
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- メルカリの米国市場向けサービスを開発・運営するチーム。完全英語環境で、日本語スキルは一切不要。エンジニアの約60%が外国籍。
- 「Mercari Anywhere」プログラムによりフルリモート勤務が可能。
- 日本在住でも米国市場向けプロダクト開発に参画できるユニークな環境。AI・推薦エンジン・モバイルアプリ開発者の採用が活発。
HENNGE株式会社

- クラウドセキュリティサービスを提供する企業。エンジニアの約40%が外国籍で、開発チームは完全英語環境。
- CEO自らが英語コミュニケーションを主導し、全社の英語環境整備に注力。
- 「One Global Team」を掲げ、国籍を問わず実力主義の評価制度を採用。クラウドセキュリティ・IAM分野での採用が特に活発。
フリー株式会社(freee)
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- クラウド会計・人事ソフトウェアを提供する企業。AI・データサイエンス部門を中心に英語環境を整備。
- エンジニアの約20%が外国籍で、バックエンド・クラウドインフラ部門での採用が活発。
- 技術文書は英語対応が進行中。2024年から「Global Developer Program」を開始し、海外人材の採用を強化。ハイブリッドワークモデルを採用。
ウォンテッドリー株式会社

- ソーシャルリクルーティングプラットフォームを運営。シンガポール・香港などアジア展開に伴い、開発チームの国際化が進行。
- エンジニアの約25%が外国籍で、フロントエンド・モバイル開発部門での採用が活発。社内ドキュメントの英語化を推進中。Engineering Challenge」プログラムでアジア圏からの採用に注力。
VISITS Technologies 株式会社

- 不動産テック企業で、不動産DXプラットフォームを提供。AI・データ分析部門を中心に英語環境を整備。
- 創業者が元Google社員で、シリコンバレー文化を取り入れた組織づくりが特徴。
- エンジニアの約30%が外国籍で、データサイエンス・AIエンジニアの採用に注力。ハイブリッドワークモデルを採用。
Ubie 株式会社

- AI問診プラットフォームを開発するヘルステック企業。国際展開に伴い、開発チームの英語環境整備が進行中。
- 医療AI研究開発部門は完全英語対応で、医療データサイエンティストの採用に積極的。
- エンジニアの約20%が外国籍で、2023年から国際採用を強化。医療バックグラウンドを持つエンジニアの採用も行っている。
株式会社Lang-8

- 言語学習Q&Aプラットフォーム「HiNative」を運営。サービス自体が多言語対応のため、社内も自然と英語環境になっている。
- エンジニアの約35%が外国籍で、NLP・機械翻訳分野での採用が活発。グローバルユーザーを持つサービスのため、文化的多様性を重視した採用を行っている。
- リモートワーク中心の勤務体制を導入。
外資系IT企業における日本オフィスの環境(10社)
Google合同会社(Google Japan)

- 渋谷ストリームに本社を構える日本オフィスは、エンジニアの約40%が外国籍。完全英語環境で、日本語スキルは不要。
- グローバルプロダクトチームへの参画機会が多く、特にモバイル、クラウド、AI/ML分野での採用が活発。
- 2023年からフルリモート勤務も可能な「Work from Anywhere」ポリシーを導入。外国籍人向けリロケーションサポート、ビザ支援が充実。
日本マイクロソフト株式会社

- 品川オフィスを拠点に、クラウド・AI部門を中心にエンジニア採用を強化中。
- エンジニアの約35%が外国籍で、Azure・AI・Microsoft 365開発チームは完全英語環境。
- 2022年から導入された「Flexible Work Policy」により、最大50%までリモート勤務が可能。外国籍人材向けに住居手当、語学サポート、医療保険などの福利厚生が充実。
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社(Amazon Web Services Japan)

- 目黒セントラルスクエアを拠点に、クラウドインフラ、機械学習、セキュリティ分野でのエンジニア採用が活発。技術職は完全英語環境で、日本語スキルは不要。
- 外国籍エンジニアは約30%を占め、グローバルチームとの連携も多い。
- ハイブリッド勤務モデルを採用し、週3日程度のオフィス勤務が基本。海外からの転勤者向けに手厚いリロケーションパッケージを提供。
株式会社セールスフォース・ジャパン

- 日本橋に拠点を構え、CRM・クラウドプラットフォーム開発を中心に採用。技術職は完全英語環境。
- 「Ohana Culture」と呼ばれる包括的な企業文化を重視し、多様性を積極的に推進。2023年から「Success from Anywhere」モデルを導入し、ハイブリッド勤務が基本。
- 外国籍エンジニアは約25%で、グローバルプロダクト開発への参画機会も多い。
日本オラクル株式会社

- 赤坂オフィスを拠点に、クラウドインフラ、データベース、エンタープライズアプリケーション分野での採用が中心。
- 技術職は基本的に英語環境だが、顧客対応部門では日本語スキルも重視。エンジニアの約20%が外国籍。
- ハイブリッド勤務モデルを導入しているが、役割によってはオフィス勤務が基本の部門もある。
日本アイ・ビー・エム株式会社

- 日本IBMは外資系でありながら日本企業的な側面も強い独特の文化を持つ。
- Watson・クラウド・量子コンピューティング部門は英語環境が整備されており、国際的な研究開発プロジェクトへの参画機会がある。エンジニアの約15%が外国籍。
- ハイブリッド勤務を基本としているが、顧客先での作業が多い部門もある。グローバル採用プログラム「IBM Tech Talents」で海外人材の獲得に注力。
SAP Japan株式会社

- 恵比寿ガーデンプレイスタワーに拠点を構え、ERPソリューション・クラウドサービス開発を中心に採用。
- 開発部門は完全英語環境で、日本語スキルは不要。エンジニアの約30%が外国籍。
- 「Flex Work」ポリシーにより、週2-3日のリモート勤務が可能。グローバルプロダクト開発チームへの参画機会も多く、本社(ドイツ)との人材交流プログラムもある。
アドビ株式会社

- 八重洲に拠点を構え、Creative Cloud・Document Cloud開発を中心に採用。
- 技術職は完全英語環境で、特にAI/ML、クラウドサービス開発分野での採用が活発。エンジニアの約25%が外国籍。
- 2022年から「Digital-First Work Experience」を導入し、柔軟なハイブリッド勤務が可能。外国籍人材人向けに住居手当、ビザサポート、医療保険などの福利厚生が充実。
シスコシステムズ合同会社

- 品川オフィスを拠点に、ネットワーク技術・セキュリティ・クラウドインフラ分野での採用が中心。
- 技術職は基本的に英語環境だが、顧客対応が必要な部門では日本語スキルも必要となるケースもある。エンジニアの約20%が外国籍。「Hybrid Work」モデルにより、週3日程度のオフィス勤務が基本。
- グローバルローテーションプログラムで海外オフィスでの勤務機会も提供。
VMware Japan

- 渋谷に拠点を構え、クラウドインフラ・仮想化技術・セキュリティ分野での採用が中心。R&D部門は完全英語環境で、グローバルプロダクト開発への参画機会も多い。
- エンジニアの約25%が外国籍。「Distributed Work」ポリシーにより、リモートとオフィス勤務を柔軟に組み合わせた働き方が可能。
- 2023年のBroadcom買収後も、エンジニアリング文化は比較的維持されている。
ゲーム・エンターテイメント業界の英語環境企業(10社)
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス

- 「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」などのグローバルタイトルを開発。国際部門(特にFF部門)では英語環境が整備されており、外国籍開発者が約20%。
- グローバル展開を強化しており、2023年からは「Global Creator Program」を開始し海外人材の採用を加速。技術文書は英語対応が進んでいるが、ゲームデザインや企画会議では日本語も使用。
- ハイブリッドワークモデルを導入し、週2-3日のリモート勤務が可能。
株式会社バンダイナムコスタジオ Bandai Namco Studios(国際部門)

- 「ドラゴンボール」「鉄拳」「ELDEN RING」など国際的人気タイトルを開発。
- グローバル展開を加速するため、国際部門では英語環境を整備。エンジニアやアーティストの約15%が外国籍。北米・欧州市場向けタイトル開発チームでは英語が標準だが、社内全体では日本語環境も多い。
- 2024年からは「Namco Global Talent」プログラムで海外大学からの採用を強化。基本的にはオフィス勤務が推奨されているが、一部リモートも可能。
セガサミーホールディングス株式会社(国際開発部門)

- 「ソニックシリーズ」「ペルソナ」「龍が如く」などのタイトルを手がける。
- 海外市場向けタイトルの開発チームでは英語環境が整備されており、外国籍開発者は約15%。欧米スタジオとの共同開発が多く、国際プロジェクトでは英語が標準。
- プログラマーやテクニカルアーティスト職の外国籍人材採用に積極的。基本的にはオフィス勤務だが、職種や部門によってはハイブリッドワークも可能。
株式会社コナミデジタルエンタテインメント(国際部門)

- 「メタルギアソリッド」「ウイニングイレブン」シリーズなどのグローバルタイトルを開発。
- 国際部門では英語環境の整備が進んでおり、外国籍開発者は約10%。グローバル展開を強化しており、海外スタジオとの連携プロジェクトも増加。
- 技術職の英語環境は整備されているが、全社的な英語環境はまだ発展途上。基本的にはオフィス勤務が中心だが、一部職種ではハイブリッドワークも導入中。
株式会社カプコン

- 「モンスターハンター」「バイオハザード」「ストリートファイター」などのグローバルシリーズを開発。
- 海外向けタイトル開発チームでは英語環境が整備されており、外国籍開発者は約15%。2023年から「Capcom Global Development Program」を開始し、海外人材の採用を強化。
- 技術文書やツールは英語対応が進んでいるが、企画・マネジメント層では日本語も使用。基本的にはオフィス勤務が推奨されているが、一部職種では限定的なリモートワークも可能。
株式会社Cygames

- 「グランブルーファンタジー」「Shadowverse」などのモバイル・PCゲームを開発。
- グローバル展開に注力し、特にプログラミング・アート部門での外国籍人材採用が増加(約20%)。技術文書や開発ツールは英語対応が進み、国際プロジェクトでは英語が標準。
- 日本のアニメ・マンガ文化に興味のある外国籍のクリエイター向けに「Cygames Creative Fellowship」プログラムを提供。ハイブリッドワークモデルを採用し、週2-3日のリモート勤務が可能。
株式会社MIXI

- 「モンスターストライク」などのヒットタイトルを開発。
- グローバル展開強化に伴い、XFLAG Studioでは英語環境の整備を推進。エンジニアの約20%が外国籍で、特にゲームエンジン開発・サーバーサイド部門での採用が活発。
- 技術文書は英語対応が進んでいるが、ゲームデザイン・企画では日本語環境も多い。ハイブリッドワークモデルを導入し、週2-3日程度のリモート勤務が可能。外国籍社員向けに住居サポート、ビザ支援などを提供。
株式会社サイバーコネクトツー

- 「NARUTO」シリーズや「デモンスレイヤー」など、アニメIPを活用したタイトルを多く手がける。
- 海外展開を強化しており、外国籍開発者は約15%。モントリオールスタジオとの連携プロジェクトが多く、国際チームでは英語が標準。
- アニメーションやビジュアル表現に強みを持ち、アーティスト職での外国籍人材採用も積極的。基本的にはオフィス勤務が中心だが、一部職種では限定的なリモートワークも可能。
プラチナゲームズ株式会社

- 「BAYONETTA」「NieR:Automata」などのアクションゲームで知られる。
- 海外パブリッシャーとの協業が多く、開発環境では英語の使用頻度が高い。エンジニアやアーティストの約20%が外国籍。2023年から「Platinum International Program」を開始し、海外人材の採用を強化。ゲームデザインドキュメントや技術資料は英語対応が進んでいる。
- ハイブリッドワークモデルを採用し、週2-3日程度のリモート勤務が可能。
株式会社フロム・ソフトウェア

- 「DARK SOULS」「ELDEN RING」などの世界的ヒットタイトルを開発。
- 国際的な評価の高まりに伴い、英語環境の整備を進めている。外国籍開発者は全体の約10%だが、2024年から「From Global Talent」プログラムを開始し、海外人材の採用を強化。
- 技術文書の英語化は進んでいるが、ゲームデザイン・企画会議では日本語が主流。基本的にはオフィス勤務が推奨されているが、一部職種では限定的なリモートワークも導入中。
4.日本の英語公用語企業における条件と福利厚生

技術スキルについては、世界標準の技術スタックを採用している企業が増えています。
特に高い需要が見込まれる技術経験
- Webフロントエンド開発(React, Vue.js, Angular)
- バックエンド開発(Node.js, Ruby on Rails, Python/Django, Java)
- モバイル開発(Swift, Kotlin)
- クラウド技術(AWS, GCP, Azure)
- AI/ML(PyTorch, TensorFlow)など
経験レベル
3年以上の実務経験があれば中堅企業からスタートアップまで幅広く応募可能です。大手企業ではより長い経験や特定分野での専門性を求める傾向があります。
新卒採用の場合は、コンピュータサイエンスまたは関連分野の学位が基本的に求められますが、スタートアップでは実績があれば学歴よりも実力を重視する企業も増えています。
英語力
多くの英語公用語企業がTOEICスコア800点以上、または同等レベル(CEFR B2-C1レベル)を目安としています。
ただし、完全英語環境の企業(特に外資系やグローバル開発チーム)では、実践的なコミュニケーション能力が重視され、公式スコアよりも実際の会話・文書作成能力が評価されます。
日本語スキル
企業によって大きく異なります。完全英語環境の企業やチームでは不要な場合もありますが、基本的な日常会話レベル(JLPT N4-N5程度)があると、社内コミュニケーションやキャリア発展に有利になることが多いです。
外国籍エンジニア向けの福利厚生
企業規模や国際化の度合いによって差がありますが、一般的に以下のようなサポートが提供されています。
<外国籍エンジニア向け福利厚生の例>
- ビザスポンサーシップと更新サポート(ほぼ全ての企業が対応)
- 引越し・赴任補助(渡航費、初期滞在費用の補助)
- 住宅サポート(社宅提供、住宅手当、不動産仲介サポート)
- 日本語学習プログラム(語学学校費用補助、社内クラス提供)
- 医療保険の英語サポート(英語対応可能な医療機関の紹介)
- 帰国休暇(年1-2回の本国訪問のための特別休暇)
- 生活立ち上げサポート(銀行口座開設、携帯契約など)
特に大手企業や外資系企業では、グローバルモビリティチームが外国籍社員の日本での生活をトータルサポートする体制が整っています。
一方、スタートアップでは手厚い経済的サポートよりも、柔軟な働き方や意思決定への参画機会を重視する傾向があります。
求められるスキルと経験レベル
日本の英語公用語企業で働くためには、技術スキルと経験レベルが重要な採用基準となります。職種別・経験レベル別に求められる一般的な要件を見ていきましょう。
主要職種別の技術要件
- バックエンド開発: Java, Python, Ruby, Golang, Node.jsのいずれかに習熟していること。マイクロサービスアーキテクチャやクラウドインフラ(AWS/GCP/Azure)の経験が重視される
- フロントエンド開発: React, Vue.js, TypeScript, HTML/CSS, SPAの構築経験。パフォーマンス最適化やアクセシビリティの知識も重要
- モバイル開発: iOS(Swift)またはAndroid(Kotlin)の開発経験。Flutter, React Nativeのクロスプラットフォーム開発経験も価値が高い
- AI/ML専門家: PyTorch, TensorFlow, 機械学習アルゴリズムの実装経験。自然言語処理や画像認識など特定領域の専門性があるとさらに有利
- DevOps/インフラ: CI/CD, Kubernetes, Docker, Terraform, IaCの経験。クラウドプラットフォームの認定資格があると有利
経験レベル
企業タイプによって求められる年数や内容が異なります:
- ジュニアレベル(0-2年): 大手企業では新卒・第二新卒採用が一般的。スタートアップでは実務経験が少なくても、個人プロジェクトや学習意欲を重視する傾向がある
- ミドルレベル(3-5年): 最も需要が高いレベル。自律的に業務を遂行でき、チームの中核として活躍できることが期待される
- シニアレベル(5-8年): 技術設計能力に加え、若手へのメンタリングやプロジェクト管理能力も求められる
- リード/マネージャー(8年以上): 技術戦略の策定やチームマネジメント、ステークホルダーとのコミュニケーション能力が重視される
学歴について
大手企業では依然としてコンピュータサイエンスまたは関連分野の学位を重視する傾向がありますが、スタートアップや技術志向の強い企業では、実績やポートフォリオを重視し、学歴要件を柔軟に扱うケースが増えています。
特に海外人材の採用において、GitHubの活動履歴やオープンソースへの貢献、技術ブログなどが重要な評価材料となっています。
非技術スキル
「効果的な英語コミュニケーション能力」が最重要視されます。特に、技術的な内容を明確に説明する能力、チーム内でのコラボレーション能力、異文化理解力などが評価されます。
「自己主導型の学習姿勢」も重要で、新しい技術やツールを積極的に学び、活用できる人材が求められています。
ビザサポートと外国籍人材への福利厚生
外国籍エンジニアにとって、ビザサポートと福利厚生は企業選びの重要な判断材料です。日本の英語公用語企業が提供する一般的なサポート内容と、企業タイプ別の傾向を見ていきましょう。
ビザサポート
- ほとんどの企業が「技術・人文知識・国際業務」ビザのスポンサーとなり、申請手続きをサポート
- 大手企業や外資系企業では専門チームが対応、書類作成から入国管理局での手続きまで代行することが多い
- スタートアップでは行政書士と契約して対応するケースが一般的
- エンジニアの場合、学歴と職務経験によっては「高度専門職ビザ」の取得も可能(ポイント制による優遇措置あり)
- 勤続年数に応じて、永住権取得サポートを提供する企業も増加中
住居サポート
- 大手企業では社宅や寮を提供、または家賃補助(月額5-10万円程度)を支給するケースが多い
- 初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)を会社負担とする企業も多数
- 英語対応可能な不動産会社の紹介や、契約時の立ち会いサポートの提供
- 外資系企業では、最初の1-3ヶ月間のサービスアパートメント提供というケースも
引越し・生活立ち上げサポート
- 海外からの赴任時の航空券・荷物輸送費用の補助(大手企業・外資系が中心)
- 銀行口座開設、携帯契約、住民登録など各種手続きの同行サポート
- 日本での生活オリエンテーション(交通機関の使い方、医療機関の紹介など)
- 緊急時の英語サポート窓口(24時間対応のホットラインを持つ企業も)
言語・教育サポート
- 日本語学習プログラム(社内クラス開催や外部スクール費用補助)
- 家族向け支援(インターナショナルスクール学費補助、配偶者の就労支援など)
- 英語対応可能な医療機関の紹介や医療通訳サービス
- 社内バディ/メンター制度(日本人社員が生活面でサポート)
企業規模・タイプ別の傾向として
外資系大手が最も手厚いサポートを提供する傾向があり、住居費全額負担や家族向けパッケージなども珍しくありません。
日系大手も近年はグローバル人材獲得のためにサポート内容を充実させています。一方、スタートアップは経済的サポートはやや限定的ですが、柔軟性や社内の一体感で補っていることが多いです。
5.日本の英語公用語企業で働く際の実態と対処法

「英語公用語」と掲げていても、日本企業には独自の文化やコミュニケーションスタイルが存在します。
外国籍エンジニアが日本企業でスムーズに働くためには、言語だけでなく文化的な側面も理解することが重要です。
ここでは、現場の実態と効果的な対処法について解説します。
日本語が使われる場面
現実として、多くの英語公用語企業でも、公式な会議やドキュメントは英語であっても、廊下での立ち話やランチタイムの会話、チャットツールでのカジュアルなやり取りは日本語になることがあります。
また、決裁プロセスや重要な意思決定の「根回し」は、日本語でのコミュニケーションで進むケースも少なくありません。
ただしこのような状況は企業によって大きく異なります。
日本の英語公用語企業で成功するための具体的な対処法
コミュニケーションスタイルの理解
日本企業では直接的な意見表明よりも、遠回しな表現や「空気を読む」能力が重視されます。
「検討します」が実質的な拒否を意味することもあれば、会議での合意が必ずしも最終決定を意味しないこともあります。
このような暗黙のコミュニケーションルールを理解することが、フラストレーションを減らす第一歩です。
信頼関係構築のための文化的理解
日本企業では、業務時間外のつながりが重要視される傾向があります。
社内イベントなどへの参加は任意であることが多いですが、これらの機会を通じて同僚との関係を深めることで、業務上の協力も得やすくなります。
日本独自の業務慣行への適応
「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)の文化や、詳細な計画と合意形成を重視するアプローチは、海外企業と比べて形式的に感じることもあるかもしれませんが、これらを理解し尊重することで、チーム内での信頼を築けます。
英語公用語企業内の実際のコミュニケーション例
日本の英語公用語企業では、場面や状況によって言語の使い分けが行われています。実際のコミュニケーション事例を見ていきましょう。
<公式会議での言語使用>
- 全社/部門会議: 大抵は英語で進行し、スライドやアジェンダも英語。ただし、質疑応答では日本語の質問に対して英語で回答するなど、混合パターンも見られる
- 開発チームMTG: 多くの企業では英語が基本だが、参加者全員が日本人の場合、「この話は日本語でしてもいい?」と言語切り替えが起きることも
- クライアントとの会議: 日本企業との打ち合わせでは日本語が使われることが多く、外国籍エンジニアには後で英語で共有されるケースが一般的
エンジニアとして働くRahul氏の体験
「公式会議は100%英語ですが、会議後の雑談やフォローアップは日本語に切り替わることがあります。自分が参加していると気づくと英語に戻してくれますが、常に意識的に言語環境をコントロールする必要があります」
<文書・電子コミュニケーション>
- 技術ドキュメント: ほとんどの企業で英語が標準。特にソースコードコメントやAPIドキュメントは英語が徹底されている
- 社内メール/チャット: グループメールやチャンネルは英語が基本だが、1対1の会話では「この人は日本語が話せる」と分かると日本語に切り替わることも
- 議事録: 重要な会議の議事録は英語と日本語の両方で作成される場合も多い
- チケット管理システム: JIRAやTrelloなどのタスク管理ツールは英語記載が基本だが、詳細な説明や議論は混合することも
外国籍マネージャーJohn氏の事例
「会社のポリシーでは全ての文書は英語が原則ですが、日本の官公庁や従来からの取引先との文書は日本語のままです。そのため、バイリンガルの同僚に内容を説明してもらう必要がある場合もあります」
<インフォーマルなコミュニケーション>
- ランチタイム/休憩時間: 日本人同士では自然と日本語になることが多く、外国籍社員が加わると英語に切り替わる「コードスイッチング」が頻繁に発生
- 社内イベント: 公式な部分(挨拶や説明)は英語、懇親会部分では言語が混在することが多い
- オフィスの雑談: 特に年配層や非技術部門では、カジュアルな場面で英語を使うことに抵抗がある場合も
- Slack/Teamsなどのチャット: 公式チャンネルは英語が基本だが、DM(ダイレクトメッセージ)は相手によって使い分けられることが多い
ある会社でのチャットコミュニケーション事例
「エンジニアリングチャンネルでは基本的に英語が使われますが、日本語の専門用語や略語(例: 「◯◯の件」「お疲れ様です」)は英語の文章の中にそのまま混ざることも多いです。完全な英語よりも、内容が伝わることが優先されています」
<混合言語の実態>
- 専門用語の使用: 技術用語は英語、組織内の固有名詞や役職名は日本語、といった混合パターンが一般的
- 言語切り替えの暗黙のルール: 外国籍社員が加わると英語に切り替える、重要な情報は両言語で共有する、など非公式なルールが存在
- 翻訳補助: 多くの企業では会議の要約を英語で共有したり、重要文書を翻訳するバイリンガルスタッフが存在
言語の使い分けに対応するために
自分の言語的な境界を明確にしておくことが重要。例えば「日本語での会話はフォローできないので、私がいる場では英語でお願いします」と明示的に伝えるなど。
また、Google TranslateやDeepLなどの翻訳ツールを活用することで、日本語の文書やチャットをある程度理解することが可能。
日本の英語公用語企業で働く外国籍エンジニアの体験談
実際に日本の英語公用語企業で働く外国籍エンジニアたちの生の声から、リアルな状況と対処法を探ってみましょう。
アメリカ出身、マイケル(30代)- 大手日系企業・3年勤務
「勤務先は国際的な環境で、技術的な議論はすべて英語です。しかし最初の1年は孤独を感じることもありました。転機となったのは、週に一度の日本語クラスに参加し始めたことです。基本的な日本語を覚えるだけで、ランチタイムや飲み会での会話に少しでも参加できるようになり、チームとの距離が縮まりました。また、技術面では日本人エンジニアの綿密な計画とドキュメント作成の文化から多くを学び、自分のコーディングスタイルも改善されました。キャリア面では、半年ごとの1on1面談で上司と目標設定を行い、着実にステップアップしています。
フランス出身、セバスチャン(40代)- 外資系IT企業日本支社、5年勤務
「私の勤める企業は完全な英語環境ですが、日本の顧客との対応があるため、文化的な理解は必須です。最も価値があったのは、日本人メンターを見つけたことです。公式なプログラムではなく、自然な関係から始まりましたが、彼から日本のビジネスエチケットや暗黙のルールについて多くを学びました。例えば、クライアントへのメールの書き方や、会議での適切な発言タイミングなど、マニュアルには載っていない知識です。また、最初は日本式の意思決定プロセスの遅さにイライラしていましたが、今では『根回し』の価値を理解し、重要な提案の前には関係者と個別に話す時間を取るようにしています。」
中国出身、リン(30代)- 日系ゲーム会社、4年勤務
「私の会社では公式ドキュメントは英語ですが、日常会話は日本語が多いです。最初の1年は本当に大変でした。技術的な議論についていけず、自分の意見も十分に伝えられませんでした。転機となったのは、日本語学習に本気で取り組んだことです。N3レベルに達した頃から、徐々にチーム内での存在感が増しました。また、言語の壁を超えるために、視覚的な説明(図表やプロトタイプ)を多用するようになり、これが逆に私の強みになりました。」
6.日本の多様な英語公用語企業を知って自身に合う企業を選ぶ

日本の英語公用語企業50社を比較すると、完全英語環境からバイリンガル環境までさまざまです。成功のカギは企業選びと文化理解と言えるのではないでしょうか。
技術力を武器に、言語の壁を超えて活躍できる環境は確実に広がっています。基本的な日本語習得と文化適応への柔軟性を持ちつつ、自分のキャリア目標に合った企業を選ぶことで、日本でのキャリアは大きく開花するでしょう。