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ITエンジニアは未経験からでもなれる?年収・職種・転職成功ロードマップ

未経験からITエンジニアへの転職は可能です。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」によれば、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると試算されており、市場は売り手市場が続いています。

ただし、未経験可という求人は「スキル不問」を意味するわけではなく、学習への継続的な姿勢やポテンシャルが問われます。

本記事では、①未経験から転職しやすい職種の選び方、②未経験エンジニアの年収の現実と推移、③6ヶ月学習ロードマップの3点を解説します。

この記事を読んでわかること
  • 未経験からITエンジニアに転職できる職種と、それぞれの難易度・年収の目安について
  • 未経験エンジニアが6ヶ月で転職を実現するための具体的な学習ロードマップについて
  • 入社後に後悔しないための、優良企業とブラックSESの見分け方について

1. ITエンジニアは未経験でもなれるのか?市場の現実を公的データで確認する

1. ITエンジニアは未経験でもなれるのか?市場の現実を公的データで確認する

未経験からITエンジニアへの転職を検討するなら、まず市場の実態を正しく把握することが重要です。

「未経験では無理」という思い込みと、「誰でもなれる」という楽観論、どちらも正確ではありません。公的データをもとに確認します。

IT人材は2030年に最大79万人不足する——経済産業省の試算が示す、未経験ITエンジニアへの参入機会

日本のIT人材不足は、国が公式に認めた構造的な課題です。

経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)では、2030年に最大約79万人のIT人材が不足するという試算が示されています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速や、既存システムの老朽化対応(「2025年の崖」)など、複合的な需要増が背景にあります。

IT業界の採用市場は慢性的な人材不足の状態にあります。エンジニアとして一定のスキルを身につければ、転職後も長期にわたって安定した需要が見込めます。

未経験からの参入を検討しているなら、今が最も機会の多い時期といえます。

【出典】経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)

「未経験エンジニアは増えすぎ」は本当か——公的統計が示す需給の実態

「プログラミングスクール卒が増えすぎて未経験のITエンジニアは就職できない」という言説がインターネット上で見られます。しかし、公的な統計データと照らし合わせると、実態は異なります。

厚生労働省「職業安定業務統計」によれば、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は近年も高い水準を維持しており、求人数が求職者数を大きく上回る状態が続いています。

人材不足が解消されていないことは、公的データからも明らかです。

「増えすぎ」という声の背景には、プログラミングスクールの普及で基礎知識だけを習得した同水準の層が増えたことがあります。

企業が求めているのは、コードを書ける力以上に「課題を自分で発見し解決できる力」です。自分で考えて行動できる姿勢を示せる候補者は、引き続き採用されやすい状況にあります。

【出典】厚生労働省「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)

未経験可はスキル不問ではない——企業が求める「学習への意欲とポテンシャル」

「未経験OK」という求人表記は「準備不要で入社できる」という意味ではありません。

企業が未経験者を採用する目的は将来の戦力として育てることであり、入社後の成長を前提とした採用です。

採用担当者が重視する3つの要素

採用担当者が未経験応募者に求める要素は、主に以下の3点です。

  1. 論理的思考力:問題を整理して考えることができるか
  2. 継続学習の姿勢:自発的に技術を学んできた実績があるか(学習記録・資格取得など)
  3. ポートフォリオの有無:実際に手を動かして成果物を作れているか

ポートフォリオ(自分で作成したアプリケーションや成果物)の有無は、書類選考の段階で結果を大きく左右します

「転職準備」は資格取得やコーディング学習にとどまらず、実際に動くプロダクトを作ることまで含みます。

2. 未経験から目指せるITエンジニアの職種と難易度——職種選びが転職の成否を左右する

2. 未経験から目指せるITエンジニアの職種と難易度——職種選びが転職の成否を左右する

ITエンジニアといっても職種は多岐にわたり、未経験からの入りやすさは職種によって大きく異なります。

最初の職種選びが学習効率と転職の成否を左右するため、それぞれの特徴を正しく理解した上で方向性を決めることが重要です。

テストエンジニアは未経験エンジニアの出発点として最も入りやすい職種

仕事の内容

テストエンジニア(QAエンジニア)は、ソフトウェアの品質を保証する職種です。

主な業務は、開発されたアプリケーションやシステムに対してテストケースを設計・実行し、不具合(バグ)を発見・報告することです。

未経験から入りやすい理由

プログラミングスキルよりも「論理的に物事を考える力」と「ドキュメントを正確に作成する力」が重視されます。

手順書通りに操作し、結果を正確に記録できれば入社直後の業務も進められます。IT業界で実務経験を積みながら、現場でプログラミングやシステムの動作原理を学べる環境でもあります。

将来のキャリアパス

テスト自動化エンジニア(SeleniumやPlaywrightを用いたテスト自動化)やQAマネージャー(品質保証プロセス全体の設計・管理)へのキャリアアップが一般的です。

インフラエンジニアはプログラミング不要で未経験からでも目指しやすい職種

仕事の内容

インフラエンジニアは、サーバー・ネットワーク・ストレージ・セキュリティなど、ITシステムの基盤を構築・運用・保守する職種です。

業務の流れは「設計→構築→監視→運用保守」の4段階で、未経験入社では監視業務や定型の運用保守からスタートするケースが多いです。

最初に学ぶこと

Linuxの基本的なコマンド操作、ネットワークの基礎(TCP/IP・DNS・HTTP)、CCNAなどの資格取得が有効です。

近年はAWSやMicrosoft Azureなどクラウドプラットフォームへの需要が急拡大しており、クラウドスキルの習得でキャリアの幅が広がります。

インフラエンジニアは、プログラミング言語の習得に先立ち、コンピュータの動作原理やネットワークの仕組みから学習を開始できるため、非IT職種からの転身者も多く活躍しています。

Webエンジニアは未経験エンジニアの中でも年収が高く、学習期間は3〜6ヶ月が目安

フロントエンドとバックエンドの違い

フロントエンドエンジニアはユーザーが操作する画面(UI)を実装し、バックエンドエンジニアはデータ処理やサーバーサイドの処理を担当します。

学習の流れ

HTML/CSS → JavaScript → フレームワーク(React・Node.js・Ruby on Railsなど)の順で進むのが一般的です。独学3〜6ヶ月でポートフォリオを作成し、転職活動に臨むケースが標準的です。

年収水準

学習に要する時間は他職種より多い一方、年収水準も高くなる傾向があります。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では、情報処理・通信技術者の賃金は全職種平均を上回っており、経験を積むほど市場評価が高まりやすい職種です。

【出典】厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

マークアップエンジニアはデザインやWeb制作の経験がある人に向いている職種

マークアップエンジニアは、デザインカンプをもとにHTML・CSSでWebページを再現する職種です。

各ブラウザでの正確な表示対応や、スマートフォン・タブレット向けのレスポンシブデザイン対応も担当します。

DTPデザイナー・Web担当者・グラフィックデザイナーなど、デザイン関連の業務経験を持つ方に特に向いている職種です。

PhotoshopやFigmaの使用経験があれば、デザインの意図を正確に理解したコーディングがしやすく、現場で即戦力になりやすいです。

【比較表】職種別「学習コスト」「初任年収目安」「未経験採用のしやすさ」

職種学習コスト未経験入社時の年収目安未経験採用のしやすさ主な必要スキル
テストエンジニア280〜330万円◎ 非常に高い論理的思考、ドキュメント作成
インフラエンジニア300〜350万円○ 高いLinux、ネットワーク基礎
マークアップエンジニア低〜中280〜330万円○ 高いHTML/CSS、デザイン理解
Webフロントエンド中〜高300〜380万円△ 中程度JavaScript、React等
Webバックエンド320〜400万円△ やや低いサーバーサイド言語、DB設計

※年収目安は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および各種求人情報を参考にした概算値です。実際の年収は企業・地域・スキルにより異なります。

【出典】厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

3. 未経験からITエンジニアになるメリット・デメリット——両面を正直に理解する

ITエンジニアへの挑戦
メリットと現実

期待とギャップを事前に埋めるロードマップ

🚀

ADVANTAGE 01

高まる市場価値

年収UPの将来性 リモートワーク普及
🛠️

ADVANTAGE 02

一生モノのスキル

副業・独立も可能 会社に依存しない
⚠️

CAUTION 01

初期の「壁」を越える

一時的な年収減 一生終わらない学習
🛡️

CAUTION 02

SESを「武器」にする

多様な現場経験 3年後を見据えた投資

転職を決める前に、エンジニアへのキャリアチェンジが持つ利点と注意点を正しく把握しておくことが大切です。

期待値と現実のギャップを事前に埋めておくことで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

未経験からITエンジニアになる3つのメリット——年収・リモートワーク・将来性

① 年収が上がりやすい

国税庁「民間給与実態統計調査」(令和4年分)によれば、全職種の平均給与は約458万円です。

ITエンジニアは経験を積むにつれて年収が上がりやすく、クラウド・セキュリティ・AI関連など需要の高いスキルを持つほど市場評価が高まります。

未経験入社直後は年収が低くなるケースもありますが、3〜5年で全職種平均を上回ることは十分に現実的です。

【出典】国税庁「民間給与実態統計調査」

② リモートワークの求人が多い

IT業界はリモートワーク対応が他業種より進んでいます。

成果物の多くがデジタル上で完結するため勤務場所の制約が少なく、フルリモートや週3〜4日の在宅勤務を選べる企業が多数あります。

③ 身につけたスキルを幅広く活かせる

習得したプログラミングや設計スキルは、副業・フリーランス・独立開業などさまざまな働き方に応用できます。特定の会社に依存せず収入を得やすい点も、長期的なキャリア設計における強みです。

未経験ITエンジニアへの転職直後は年収が下がる可能性がある——長期視点での判断が重要

入社直後の年収の目安

まず理解しておく必要があるのが、入社直後の年収ダウンです。

未経験入社の場合、月給20〜22万円程度からスタートするケースが多く、年収換算で280〜350万円程度になることも珍しくありません。

前職の年収が400万円を超えていた場合、一時的な収入減を受け入れる必要があります。

中長期でみた年収の回復と上昇

ただし、この収入ダウンは短期的なものです。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では、情報処理・通信技術者の賃金は経験年数とともに上昇する傾向が示されており、3〜5年後には前職水準を回復・超過するケースが多くあります。

入社直後のコストは将来への投資として、3〜5年後を見据えた判断が重要です。

【出典】厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

継続的な学習が必要——ITエンジニアという職業の特性を正しく理解する

技術の変化スピードと陳腐化のリスク

ITエンジニアとして働く以上、継続的な技術学習は避けられません。

IT業界は技術の変化が速く、3〜5年で主要なフレームワークやインフラの主流が変わることも珍しくありません。

かつてJavaが主流だった時代から、Python・Go・Rustへの需要シフトが起きたように、習得した技術が時代遅れになるリスクは常にあります。

継続学習を楽しめるかどうかが適性の判断基準になる

この特性は課題として認識されることが多いですが、新しい知識を学ぶことに抵抗がない方にとっては、キャリアの幅を継続的に広げられる強みになります。

「学び続けることを楽しめるかどうか」は、エンジニア職の適性を測る重要な基準の一つです。

SES企業が多いというリスクとうまく活用するための考え方

SESとは何か

SES(システムエンジニアリングサービス)とは、エンジニアを顧客企業に常駐・派遣する形で技術サービスを提供するビジネスモデルです。

IT企業全体に占めるSES企業の割合は高く、未経験採用を行っている企業の多くがこの業態に属しています。

リスクと活用法

SES企業のリスクとして、携わる案件によってスキルアップの機会に差が出ること、自社開発と比べてプロダクトへの関与が浅くなりやすいことが挙げられます。

一方、複数の業界・技術スタックの現場を短期間で経験できるメリットもあり、金融・医療・EC系など多様な業界の経験を積んだエンジニアはその後の転職市場でも評価されやすいです。

4. 年齢別・未経験ITエンジニアの転職難易度と成功のポイント——20代・30代それぞれの現実的な方法

年齢別:IT転職成功の「攻略マップ」

自分に最適な「勝てる戦略」を見極める

20's GROWTH

将来性と「成長意欲」

ポテンシャル採用 学習への前向き姿勢
30's EXPERIENCE

経験の「翻訳」と融合

前職経験×ITの強み 業界知識の上流活用
35+ EXPERTISE

「専門性」の具体的な証明

ポートフォリオ完成度 特定業界への絞り込み

未経験エンジニアへの転職難易度は、年齢によって異なります。

20代・30代・35歳以上それぞれに有効なアプローチが異なるため、自分の年代に合った方法を理解することが転職活動の出発点になります。

20代の未経験ITエンジニア転職は最も有利——「成長意欲を示すこと」が採用のカギ

20代は未経験エンジニア転職において最も採用の門戸が広い年代です。

IT企業が未経験者を採用する主な理由は「将来の戦力として育てること」であり、長期間にわたって育成コストをかけられる若い人材は企業にとって魅力的です。

技術への固定観念が少なく、社内の文化や技術スタックに早く馴染みやすい点も評価されます。

20代が採用で重視されること

スキルよりも「成長できる可能性」と「学習への前向きな姿勢」が重視される傾向があります。

面接では「なぜエンジニアになりたいのか」「どんな技術を学んできたか」を具体的に伝えることが求められます。行動を起こしやすい20代のうちに動き始めることが、長期的なキャリアにおいて有利な出発点となります。

30代の未経験ITエンジニア転職——社会人経験という強みを活かした方法

「30代では遅すぎる」という考え方は、データと実例によって必ずしも正しくありません。

RUNTEQが公表した未経験転職実態調査(2026年版)によれば、30代の転職成功事例は多く報告されており、平均応募社数は14社前後とされています。

30代の強みとなる前職経験

営業職であれば顧客折衝や提案力、管理職経験があればプロジェクト推進力やチームマネジメント能力が、エンジニアの上流工程(要件定義・システム設計・顧客対応)で直接役立ちます。

特に「業界知識を持つエンジニア」は、金融・製造・医療などの開発現場で高く評価されます。

30代が転職で伝えるべきポイント

「ITは未経験だが、○○の業界知識がある」という自分ならではの強みを明確に伝えることが重要です。

前職経験を「捨てるもの」ではなく「組み合わせて活かすもの」として考えることで、20代とは異なる道筋が開けます。

【参考】RUNTEQ「未経験エンジニア転職の実態調査2026」

35歳以上の未経験ITエンジニア転職——ポートフォリオの完成度と特定業界への絞り込みが重要

35歳以上での未経験エンジニア転職は、20代・30代前半と比べると採用のハードルが上がります。

ただし、採用実績がないわけではありません。インフラ運用・QAエンジニア・前職の業界知識を活かしたSIer領域など、経験や専門性が評価されやすい職種では35歳以上でも採用につながるケースがあります。

35歳以上が採用される条件

  • ポートフォリオが完成している:「動くプロダクトを作れた」という事実が、スキルの具体的な証明になります
  • 特定業界への絞り込み:前職の業界知識(例:医療事務→医療IT)と組み合わせた「特定分野に強いエンジニア」という方向性は、競合が少ない領域での強みになります

年齢を不利な要素として捉えるのではなく、積み上げてきた経験を活かす素材として考えることが、採用の可能性を広げる鍵です。

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5. 未経験からITエンジニアになるための6ヶ月学習ロードマップ——エンジニア転職を目指す全手順

5. 未経験からITエンジニアになるための6ヶ月学習ロードマップ——エンジニア転職を目指す全手順

半年間を3つのフェーズに分けて計画的に進めることが有効です。「いつまでに何を達成するか」を時間軸で具体化することで、学習の優先順位が明確になります。

フェーズ1(1ヶ月目):IT基礎知識の習得と学習方向の決定——未経験エンジニアが最初にすること

最初の1ヶ月間で最も重要なのは、「どの職種のエンジニアを目指すか」を決めることです。

方向性を決めないまま学習を始めると内容が分散し、6ヶ月経ってもポートフォリオが完成しない状況に陥りやすいです。

ITパスポートを最初の指標にする

IPA(情報処理推進機構)のITパスポート試験は、ビジネス系・管理系・技術系の3分野を網羅しており、IT業界の全体像を把握するための入口として最適です。

合格を1ヶ月の目標に設定することで、学習に具体的なゴールが生まれます。

1ヶ月目に取り組む内容

  • PCの基本操作(ターミナルの使い方)
  • ネットワークの基礎(IPアドレス・DNSの仕組み)
  • OSの基礎(WindowsとLinuxの違い)
  • プログラミング入門(Progateなどで1言語に触れる)

職種別・最初に学ぶ言語の目安

  • Webエンジニア → JavaScript
  • インフラエンジニア → Linuxコマンド・Python
  • データエンジニア → Python

【参考】IPA(情報処理推進機構)公式サイト

フェーズ2(2〜4ヶ月目):実際にコードを書いてアウトプットを重ねる——未経験エンジニアが差をつける学習法

2〜4ヶ月目は、知識のインプットから実際に手を動かすアウトプット中心の学習へ切り替えるフェーズです。参考書を何冊読んでも、動くアプリを作れなければスキルを証明できません。

アウトプット中心の学習サイクル

「コードを書く→動かす→エラーを直す」というサイクルの繰り返しが重要です。

完全に理解してから書こうとするのではなく、不完全でも動くものを作り、エラーを解決しながら理解を深めていく姿勢が大切です。

GitHubを早めに使い始める

GitHubを使ったコード管理(バージョン管理とコードの公開)はこの段階から習慣化することを推奨します。GitHubに蓄積されたコミット履歴は、採用担当者が継続的な学習の証拠として確認する重要な情報です。

プログラミングスクールの活用について

スクールのメリットは、学習内容が体系的に整理されている点と、質問できる環境がある点です。

費用は30〜80万円程度が多く、独学と費用対効果を比較した上で判断することが勧められます。スクール選択の際は「就職実績の透明性」と「卒業生のポートフォリオ公開数」を確認してください。

フェーズ3(5〜6ヶ月目):ポートフォリオ完成と転職活動の開始——未経験エンジニアが内定を得るための準備

5〜6ヶ月目は、ポートフォリオを完成させ、並行して転職活動を開始するフェーズです。

採用担当者が評価するポートフォリオの条件

  • README(説明文書):「何のために作ったか」「どんな技術を使ったか」「工夫した点」を明記
  • デプロイ済み:URLでアクセスできる状態にする。動いているものを見せることが重要
  • 課題設定が明確:「○○が不便だったので解決するために作った」という目的がわかること
  • GitHubへのコード公開:コミット履歴が残っており、学習の継続性が確認できること

転職エージェントの活用タイミング

転職エージェントへの相談は、ポートフォリオが完成してから始めるのが適切です。

未経験者向けのIT専門エージェントは、求人票だけではわからない研修内容や配属先の傾向について情報を持っています。

求人を確認する際は、研修期間の長さと内容の具体性、配属先の選択肢、案件を選べる自由度を確認してください。

厚生労働省は未経験者向けのデジタル人材育成を支援するため、リスキリングプログラムや補助制度の情報を提供しています。学習費用を軽減できる公的支援の活用も検討する価値があります。

【出典】厚生労働省「デジタル人材育成支援」

6. ブラックSESと優良企業の見分け方——未経験のITエンジニアが注意すべき落とし穴

6. ブラックSESと優良企業の見分け方——未経験のITエンジニアが注意すべき落とし穴

未経験からIT業界に入る際、最初に入社する企業の質が、その後のキャリアを大きく左右します。

入社前に確認すべきポイントを知っておくことで、スキルが身につかない環境への入社を防ぐことができます。

「研修期間が3ヶ月以上・カリキュラムが明示されている」かどうかを必ず確認する

未経験からIT業界に入る際に最も注意すべきリスクが「ブラックSES」への入社です。

研修が形だけで即日客先常駐、スキルアップの機会がほぼない環境に入ると、3年経っても市場評価が上がらない状況に陥りかねません。

ブラックSESの主な特徴

  • 研修内容が「OJT」「現場で学んでいただきます」など、具体的な説明がない
  • 研修期間が1ヶ月未満、または明示されていない
  • 入社後すぐに客先常駐になる(社内で学ぶ機会がない)
  • 携わる案件を自分で選べない(会社の判断のみで決まる)
  • エンジニアブログや外部への技術発信が一切ない

面接・求人票で確認すべきこと

  • 「研修カリキュラムの詳細を教えてください」→具体的なカリキュラム表を提示できるか
  • 「入社後、最初の半年間はどのような業務を担当しますか?」→社内で学べる環境があるか
  • 「自社開発の割合はどのくらいですか?」→SES業務だけではないか
  • 「希望する技術分野の案件に携われますか?」→案件を選べる余地があるか
  • 「技術勉強会や資格取得の支援制度はありますか?」→スキルアップへの取り組みがあるか

【参考】厚生労働省「デジタル人材育成支援」

「自社開発の比率」と「エンジニアが技術発信をしているか」で優良企業かどうかを見極める

① 自社開発の比率を確認する

自社のプロダクトやサービスを持つ企業(自社開発企業)は、エンジニアが長期的に同じプロダクトに関わり、技術を深めていける環境を持ちやすいです。

採用ページや面接で「自社開発の割合」を確認することで、SES中心の会社かどうかを判断できます。

② エンジニアが技術発信をしているかを調べる

企業公式のエンジニアブログ(はてなブログ・Zennなど)、GitHubでのOSS活動、技術カンファレンスへの登壇実績など、社外への情報発信を積極的に行っている企業は技術力の向上に積極的です。

会社名+「技術ブログ」で検索してみると、その企業の技術文化をある程度確認できます。社外発信が活発な企業は、社内での技術共有や成長機会も充実していることが多いです。

7. 未経験エンジニア転職の成功と失敗を分ける3つのポイント

IT未経験:転職を分ける
「3つの成功原則」

最短で内定を掴むための重要戦略

🎯

職種を1つに絞る

漠然とした志望はNG 学習効率の最大化
💻

作る時間を7割に

動くプロダクトが評価 GitHubへの公開
🕯️

「内側」の動機

給与以外の目的を明確化 困難を乗り越える力

同じ未経験からスタートしても、転職に成功する人と失敗する人の間には明確な違いがあります。事前にその違いを把握しておくことで、同じ失敗を避け、効率的に転職活動を進めることができます。

転職に成功する未経験エンジニアは、目指す職種を早めに一つに絞っている

未経験からのIT転職に成功した人に共通する特徴は、「目指す職種を早い段階で一つに絞っている」点です。

「エンジニア全般を目指す」という漠然とした方向性と、「インフラエンジニアを目指してLinuxとAWSを集中的に学ぶ」という具体的な方向性では、学習の効率も面接での説得力も大きく異なります。

職種を絞り込む3つの基準

得意なこと・苦にならないこと:

細かい作業が得意→テストエンジニア、システムの仕組みに興味がある→インフラエンジニア

前職との関連性:

Web担当の経験がある→マークアップ、サーバー管理の経験がある→インフラ

年収の優先度:

長期的な高収入を重視するならWebバックエンド、早く現場に入りたいならテストエンジニア

未経験エンジニアの転職失敗でもっとも多い原因は「知識を増やすだけで実際に作らない」こと

転職失敗事例で最もよく見られるのが「インプット過多・アウトプット不足」です。

プログラミングスクールを修了したにもかかわらず、GitHubに公開しているコードがなく、動くアプリも一つもない状態で転職活動に臨んでしまうケースがあります。

採用担当者が評価するのは「作れたもの」

採用担当者が評価するのは「何を学んだか」ではなく「何を作れたか」です。

動くプロダクトがあって初めて、「自分で課題を設定し、解決策を実装できる人材」という評価が得られます。

学習時間の配分の目安

インプット(動画視聴・参考書)3割、アウトプット(実際にコードを書く)7割を意識することが推奨されます。「完全に理解してから作る」ではなく「作りながら理解する」という進め方が、IT転職成功への近道です。

給与の良さだけを理由にしたIT転職は、早期離職につながりやすい

「エンジニアは給料が高いから」という理由だけで転職を決めた場合、入社後に困難な状況に直面するリスクがあります。

IT業界の未経験者が感じやすい最初の壁は、技術的な難しさです。「思ったよりできない」「学ぶことが終わらない」「チームについていけない」という状況に立ったとき、外側からの動機だけでは続けることが難しくなるケースがあります。

転職前に動機を言語化しておく

厚生労働省のデジタル人材育成支援ページでも、安易なキャリアチェンジのリスクとして「転職の動機を明確にしておくこと」の重要性が指摘されています。

「なぜエンジニアになりたいのか」を転職活動前に整理しておくことが大切です。

「○○の課題をITで解決したい」「プログラミングで何かを作ることが楽しい」「技術スキルを磨きながら長く働きたい」といった内側からくる動機は、困難な場面でも踏みとどまる力になります。

【参考】厚生労働省「デジタル人材育成支援」

8. まとめ——未経験からITエンジニアへの転職を成功させるために今日から始めること

経済産業省の試算が示す「2030年に最大79万人不足」という現実は、未経験からのITエンジニア転職にとって、今がIT業界への参入に最も機会の多い時期であることを意味します。

本記事では、①未経験から入りやすい職種(テストエンジニア・インフラエンジニアなど)の選び方、②6ヶ月ロードマップの全体像、③問題のあるSES企業を避けるための具体的な方法を確認しました。

今日から始める最初の一歩として、①目指す職種を1つ決める、②IPAの公式サイト(https://www.ipa.go.jp/)でITパスポートの概要を確認する、③Progateで1行コードを書いてみる、の3点に取り組むことを推奨します。

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