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日本のビジネスマナー完全ガイド|外国人エンジニアが知っておきたい基本ルール

日本のIT企業で働く外国籍エンジニアが年々増加しています。しかし、日本特有のビジネスマナーや職場文化に戸惑う方も少なくありません。

本記事では、基本的なマナーからデジタルコミュニケーション、エンジニア特有の作法まで、日本のIT企業で活躍するために必要な知識を徹底解説します。

※この記事の英語版をお読みになりたい方は、こちらになります。(Read this article in English, please click here!)

この記事を読んでわかること
  • 日本のオフィスにおける基本的なビジネスマナーの実践方法について
  • エンジニア特有の作法のポイントについて
  • 「報連相」や残業文化など、日本特有の職場文化への適応方法について
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1.オフィスでの基本的なビジネスマナー

1.オフィスでの基本的なビジネスマナー

日本のオフィスで働く前に、基本的なビジネスマナーを学習しておくことが大切です。

たとえ完全にできなくてもマナーを守ろうとする姿勢は、日本文化や相手をリスペクトしている証拠として良い印象を残すことができます。

あいさつの基本

あいさつは、日本のビジネスコミュニケーションの基礎です。主なあいさつの例として、以下が挙げられます。

  • 出社時:「おはようございます」
  • 退社時:「お先に失礼します」
  • 初対面の相手:「よろしくお願いします」
  • 付き合いのある取引先:「お世話になっております」

また「お疲れ様です」は出会いと別れのあいさつに加え、ねぎらいの言葉としても万能に使えます。あいさつの際に外国では握手を交わしますが、日本ではお辞儀をすることが一般的です。

敬語の使い方

敬語は日本語の中でも特に難しい部分ですが、ビジネスでは必須のマナーです。

敬語を大きく分けると、相手が上の立場であることを示す「尊敬語」・自分が下の立場であることを示す「謙譲語」・上下関係を問わずに使える「丁寧語」の3種類があります。

丁寧語は「~です/~ます」を使った基本的な話し方であり目下の相手にも使えるため、尊敬語や謙譲語と比較すると敬意の度合いが少し低くなります。

しかし外国人が敬語を完全に使い分けることはハードルが高いので、まずは丁寧語を使うことからチャレンジしましょう。

名刺交換のマナー

名刺交換は、取引先など社外の関係者に初めて会った際に行う自己紹介です。名刺交換にも細かなマナーがあります。

基本的なポイント

  • 名刺交換は必ず立って行い、名刺は胸の高さで持って両手で差し出す
  • 名刺を渡す際は「〇〇会社の~と申します。よろしくお願いします」と名乗り、挨拶をする
  • 基本的に目下の人から先に名刺を渡すことがマナー

相手の名刺を受け取る際両手で丁寧に受け取ります。受け取った相手の名刺はすぐに名刺入れにしまうのではなく、商談が終わるまでテーブルに置いておくことが望ましいです。

身だしなみと服装

日本のオフィスではスーツ姿のイメージが強いですが、エンジニアなどの自由な服装が認められている職種も増えています。ただし、どのような職場であっても清潔感が求められる点は共通です。

スーツや制服の着用が必要な場合は、シャツやズボンのしわをしっかり伸ばし、靴をきれいに磨いておきます。髪型やヒゲ、メイク、アクセサリーなどの規則が定められているオフィスでは、規則に従いましょう。

服装が自由な場合でもだらしない格好や個性的すぎる服装は避け、シンプルで落ち着いたものを選ぶことが理想です。

2. デジタルコミュニケーション

2. デジタルコミュニケーション

日本の職種において、特にIT業種ではリモートワークに対応するオフィスが増えています。

リモートワークの場合は特に、メール、チャット、オンライン会議などを使ったデジタルコミュニケーションの場におけるマナーが求められます。

ビジネスメールの書き方

ビジネスメールは、主に取引先や目上の人にフォーマルな連絡を送る際に使われるツールです。

ビジネスメールの基本的なルール

  1. 見ただけで用件がわかるように、具体的な件名を設定する
  2. 本文の冒頭に敬称を付けた宛名を記載する。社外の相手に送る場合は、「会社名+部署名+○○様」の定型文が基本となる。
  3. 挨拶→用件→締めの順番で記載する
  4. 本文の末尾には、自分の氏名や所属、連絡先などを付けた署名を入れる

具体例 <社外へのメール例文>

件名:【案件名】〇〇のご確認依頼
本文:〇〇会社 〇〇部 〇〇様

いつもお世話になっております。
〇〇会社〇〇部の〇〇と申します。

このたびは〇〇の件について、ご連絡差し上げました。
(具体的な要件を記載する)

お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

〇〇会社 〇〇部
〇〇(氏名)
電話番号: XXX-XXXX-XXXX
メール: XXXXX@XXX.jp

ビジネスチャットツールでの会話作法

ビジネスチャットは、社内での業務連絡やちょっとした質問をスピーディーにやり取りするためのツールです。

その性質上、ビジネスメールほど形式を重視する必要はありませんが、過度にくだけた表現は控えましょう。具体的には、「敬語(丁寧語)を使う」「絵文字を多用しない」などを意識することが大切です。

メッセージを読んだらできるだけ早く返信を送ります。また業務とは関係ない内容や勤務時間外の送信は、マナーとして避けるべきです。

オンラインでのマナー

オンライン会議ではお互いの顔を見て話せるように、まずカメラをオンにします。基本的にはオフィス勤務時と同様に、身だしなみを整えておいた方が良いでしょう。

会議の開始・終了時には挨拶を行い、自分が話していない間はマイクをオフにして雑音を防ぎます。自分が話す際は、ゆっくりと明瞭に発音しましょう。背景にも気を配ることも大切です。

3.エンジニア特有のマナー

3.エンジニア特有のマナー

一般的なビジネスマナーとは別に、以下のようなエンジニア特有のマナーを意識することも欠かせません。

コードレビューでの作法

ソースコードの品質をチェックする「コードレビュー」は、チーム全体のスキルを向上させる大切な機会です。レビュイー(批評される側)は、批判的な指摘を受けても感情的にならず、冷静に受け止めましょう。

日本の文化では礼儀が重視されるため、意見をくれたレビュアー(批評する側)に感謝の言葉を伝えることも必要です。

レビュアーになった場合は、相手の感情に配慮した指摘が求められます。日本には直接的な批判を避ける文化があるので、「ここが悪いです」とマイナスの部分を指摘するのではなく、「ここをこのように修正した方が良くなります」と改善の提案をした方が、レビュイーは受け入れやすくなります。

技術的な意見の伝え方

技術的な意見を伝える際は、相手の立場や知識レベルを考慮します。特に外国人エンジニアの場合は、ローカルな言葉を使うと日本人エンジニアとの意思疎通が難しくなるため注意しましょう。

また要旨をわかりやすく伝えるための「PREP法(プレップ法)」を意識して、内容を簡潔にまとめつつ、結論ファーストで話すとスムーズです。

参考:chatwork:PREP法とは

トラブル発生時の報告方法

業務の遅滞やシステム障害などのトラブルが発生したらまずは上司に報告し、対応策の相談を行いましょう。その際も上述したPREP法を活用して、上司がすぐに事態を把握できるように伝えます。

また忘れてはならないのが「トラブルを起こしてしまい申し訳ありません」や「フォローしていただきありがとうございます」など、反省や感謝の気持ちを言葉に表すことです。

4.日本の職場文化への理解

4.日本の職場文化への理解

日本のオフィスに適応するには、日本の職場文化を理解しておきましょう。

報連相の実践方法

日本の職場で、特に重視されるコミュニケーションは「報連相(ほうれんそう)」です。

「報連相(ほうれんそう)」とは上司やチームに対して、業務の進捗や結果・トラブルの発生などの報告・連絡・相談をしっかり行うことを指します。

チーム単位で動くチームワークでは、情報共有やトラブルの解決に対応する姿勢が重要です。

残業と休暇の取り方

日本は世界中で「働きすぎる国」としても知られています。しかし近年は、日本でもワークライフバランスの重要性が認識され、残業削減などの働き方改革を進める企業も増えてきています。

とはいえ、特に繁忙期やトラブル発生時などは、残業を要求されるケースもまだあるでしょう。残業については無理をする必要はありませんが、職場の状況や業務の進捗などをよく確認することも大切です。

また有給休暇の取得は労働者の正当な権利ですが、上司やチームに相談せずに、自由に休んでいいわけではありません。先に許可を取ってから、取得を申請すべきです。

自分の不在中に業務をフォローしてもらった場合は、一言お礼を伝えるとコミュニケーションとてしもスマートです。

参考:厚生労働省:有給休暇 内閣府:「仕事と生活の調和推進サイト」

社内イベントへの参加

日本のオフィスでは従業員同士の親睦を図るために、飲み会や食事会などが行われることもあります。

他にも、ゲームやスポーツなどのレクリエーションを設けたり、慰安旅行を実施したりする場合もありますが、減少傾向にあるようです。

業務外の時間を取られることに抵抗を感じる人や、人と接することが苦手な人もいますが、組織の和を尊重する日本の職場になじむためには、積極的に参加することを考えてみるのも良いでしょう。

■合わせて読みたい

以下の記事では、日本企業で働くための職場文化・コミュニケーションについて、解説しています。

日本企業で働くための職場文化の特徴、コミュニケーションのポイントとは
外国人が日本企業で成功するために必要な職場文化の理解とビジネスマナーの基本を、実践的なアプローチで解説する完全ガイド。
https://global.bloomtechcareer.com/media/contents/succeeding-in-a-japanese-company/

5.よくあるトラブルと解決法

5.よくあるトラブルと解決法

日本の職場で働く外国人には、文化や言語の違いによるトラブルや悩みが尽きません。あらかじめ、問題の解決方法や困った際の相談先を知っておきましょう。

文化の違いへの対処法

日本と外国では、ビジネスにおける働き方や考え方、コミュニケーション方法、マナーなど、さまざまな文化が異なります。

しかし日本人にとっては当たり前に習慣化されていることであるため、外国人が戸惑いや困難を感じていることを、十分に理解できていない場合もあるでしょう。

積極的に日本文化になじむ努力はしつつも、よくわからないことやどうしても適応できないことがあれば、1人で抱え込まずに上司や同僚に相談することが重要です。

言語の壁を乗り越える方法

言葉の壁も大きな問題として挙げられます。日本人は、自分の意見や感情を遠まわしに表現することがあるので、外国人から見ると余計に理解しがたい場合もあるでしょう。

言葉の問題を根本的に解決するには、日本語学校やeラーニングなどを活用し、日本語や日本人のコミュニケーション方法を学ぶことが理想です。日本語能力検定(JLPT)も具体的な日本語力を示す大きな指標となります。

わかりにくい時は「ゆっくり話してほしい」「指示を具体的に出してほしい」などの要望を、上司や同僚に伝えましょう。

日本語習得に積極的な姿勢を見せる事もとても大切です。また、笑顔で接するなど、非言語的なコミュニケーションを意識することも役立ちます。

参考:日本語能力検定(JLPT)

困ったときの相談先

社内の上司や同僚・担当者に相談しづらい場合は、公的機関など別の相談先に切り替えることも考えましょう。

例えば、厚生労働省は外国人の職場定着支援として、「外国人就労・定着支援事業」を行い、日本の職場でのコミュニケーション能力向上や職場文化の理解促進などを目的とした研修を行っています。

その他の相談先

  • 労働条件などに関するトラブルで悩んでいる…「外国人労働者向け相談ダイヤル」
  • 在留資格に関する…「外国人在留総合インフォメーションセンター」
  • 就職・転職について…ハローワークなど

参考:厚生労働省:外国人雇用対策 厚生労働省:相談ダイヤル 出入国在留管理庁:外国人在留総合 東京ハローワーク:外国人の皆様へ

6.日本企業への適応のためのステップ

6.日本企業への適応のためのステップ

外国人にとって日本の職場に適応することは難しい場合も多いでしょう。問題を乗り越えるためには適応に向けた計画を立て、長期的な視点で動くことが大切です。

入社前にすべきこと

多くの日本のオフィスでは、新卒採用時に新入社員向けのビジネスマナー研修などが実施されます。しかし、日本人とは異なるバックグラウンドを持つ外国人にとっては、この研修のみですべてを理解することは難しいでしょう。

そのため、入社前から本やインターネットなどで日本のビジネスマナーなどを予習しておくことをおすすめします。日本語のレベルに関しても、日本語能力試験(JLPT)のN2以上が望ましいことが多いでしょう。

参考:日本語能力試験(JLPT):認定の目安

入社後の過ごし方

日本の社会や職場になじみ、キャリアアップに成功するためには、入社後も日本語の訓練や日本文化の理解に取り組み、ビジネスに役立つスキルアップを積極的に行うことが求められます。

悩みや問題がある場合は、上司や先輩に相談する・各種機関への相談を検討することを考えてみましょう。

日本人に囲まれて働くことに疲れてしまった場合は、趣味の時間を楽しんだり、同じような悩みを持つ外国人コミュニティに参加したりするなども心身の健康維持に効果的です。

メンタルヘルスも大切にしながら働く事を心がけましょう。

7.日本のビジネスマナーを理解して働こう

7.日本のビジネスマナーを理解して働こう

日本の職場文化に適応することは、外国人エンジニアにとって大きなチャレンジとなるでしょう。しかし、基本的なマナーを押さえ、積極的にコミュニケーションを取る姿勢があれば必ず道は開けます。

この記事で紹介した知識を活かし周囲のサポートも受けながら、日本のビジネスパーソンとしてステップバイステップで成長していきましょう。

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