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中国人エンジニアが日本ビザを取得する方法|申請手順やポイントを解説

中国人ITエンジニアが日本で働くためには、中国特有の学歴認定問題や書類の翻訳、文化の違いを理解した上で適切なビザ申請を行う必要があります。

この記事では、中国在住・留学生・転職者それぞれのケース別申請手順から、失敗しやすいポイントと対策、最新の制度変更まで、実際の体験談を交えながら解説します。

この記事を読んでわかること
  • 中国人ITエンジニア特有のビザ申請上の注意点と対策方法について
  • 現在の状況別(中国在住・留学生・転職者)の具体的な申請手順とタイムラインについて
  • ビザ申請で失敗する5つの典型的な理由と成功のための実践的なノウハウについて
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1.中国人ITエンジニア特有のビザ申請上の注意点

1.中国人ITエンジニア特有のビザ申請上の注意点

中国人ITエンジニアが日本のビザ申請を行う際は、中国独特の教育制度や書類の取得方法に起因する課題があります。

これらの問題を事前に理解し、適切に対処することで、スムーズな申請が可能になります。

中国の学歴認定でよくある問題と対策

中国の高等教育制度は日本と大きく異なるため、学歴認定で問題が生じるケースがよくあります。

中国の大学は「本科(4年制大学)」と「専科(2-3年制短期大学)」に分かれており、どちらを卒業したかによって申請要件への適合性が変わります。

<よくある学歴認定の問題>

  • 専科大学卒業の場合、学位証書が発行されないことがある
  • 卒業証明書だけでは日本の短期大学相当であることを証明できない
  • 学位取得と卒業が別々の要件となっている

最も効果的な対策は、CHSI(中国高等教育学生情報センター)での学歴認証報告書を取得することです。

この認証報告書により、中国で取得した学位が日本のどの教育レベルに相当するかが明確に示され、ビザ申請時の審査がスムーズに進みます。日本国内にもCHSI日本代理機構があるため、現地に行かなくても申請可能です。

中国語書類の翻訳で失敗しないコツ

中国語で書かれた書類は、すべて正確な日本語翻訳を添付する必要があります。単なる翻訳では不十分で、翻訳の正確性を証明する認証も求められる場合が多いのが特徴です。

<翻訳で注意すべきポイント>

  • 専門用語の正確な翻訳(IT関連の技術用語など)
  • 中国の職位名や学科名の適切な日本語対応
  • 翻訳者の資格や翻訳内容の正確性証明

翻訳の認証については、日本の公証役場で「翻訳が正確である」旨を宣言する文書を作成し、公証人の認証を受ける方法が一般的です。

中国大使館での認証は、中国で発行された書類を日本で提出する場合には適用されないため、この点を間違えないよう注意が必要です。

中国での職歴証明の正しい取得方法

中国の職歴証明(工作证明)は、日本の在職証明書とは形式や内容が異なるため、IT企業での具体的な業務内容と技術レベルをくわしく記載してもらうことが重要です。

<職歴証明で記載すべき内容>

  • 具体的なプログラミング言語や技術スタック
  • プロジェクトでの役割と責任範囲
  • 技術レベルを示す具体的な成果物
  • 勤務期間と雇用形態の詳細
前職の会社が倒産している場合や連絡が取れない場合

同僚からの証言書や給与明細、社会保険記録などを代替証明として活用することも可能です。

また、フリーランスや個人事業主として活動していた期間については、契約書や成果物、クライアントからの推薦状を用意しましょう。

中国特有の制度への対応

中国で発行された公文書を日本で使用する場合、アポスティーユ認証が必要になるケースがあります。

特に、無犯罪記録証明書や卒業証明書などの重要書類では、この認証手続きが求められることが多いです。

中国特有の課題を理解し、早めの準備を行うことで、ビザ申請の成功率を大幅に向上させることができます。

中国の社会信用システムの影響

システムの信用記録に問題がある場合はビザ審査に悪影響を与える可能性があります。事前に自身の信用状況を確認し、問題がある場合は適切な対応を取っておくことが重要です。

参考:外務省:公印確認・アポスティーユとは

2.中国人が日本のIT企業で成功するための文化適応

2.中国人が日本のIT企業で成功するための文化適応

中国人ITエンジニアが日本で長期的に活躍するためには、技術力だけでなく文化適応も重要な要素です。

中国と日本のIT業界には明確な違いがあり、これを理解することでより円滑に職場になじむことができます。

中国と日本のIT業界の働き方の違い

最も大きな違いは「結果重視 vs プロセス重視」の文化です。

中国のIT業界では効率性と最終的な成果物の品質が最も重要視される一方、日本では作業手順や報告・連絡・相談(報連相)といったプロセスも重視されます。

■具体的な働き方の違い

  • 仕事の進め方:中国では個人の判断で効率的に進める傾向があるが、日本ではチームでの情報共有を重視
  • 意思決定:中国では迅速な判断を好むが、日本では合意形成に時間をかける
  • コミュニケーション:中国では直接的な表現を使うが、日本では遠回しで間接的な表現が多い
  • 時間の概念:中国ではプライベート時間を確保したいが、日本では残業や飲み会への参加が期待される場合がある

成功のコツは、日本のプロセスの意味を理解することです。日本の丁寧な手順は品質管理とリスク回避のためのものであり、決して非効率を目的としているわけではありません。

中国人エンジニアが評価されやすい技術分野

現在、世界のIT市場において、中国人エンジニアは特に以下の技術分野で高い評価を受けています。

■特に需要が高い技術分野

  • AI・機械学習:アルゴリズム設計と実装能力
  • ディープラーニング:自然言語処理や画像認識
  • ビッグデータ:データ分析とクラウド技術
  • 検索・推薦システム:大規模データ処理技術
  • フィンテック:金融×IT分野での革新技術

上記の分野では、中国での豊富な実務経験や最新技術への理解が直接的に評価されます。

特に、中国の巨大IT企業(BAT等)での経験は、日本企業からも高く評価される傾向があります。

日本語能力がビザ審査に与える影響

中国は世界最大の日本語学習者数(100万人以上)を誇る国ですが、ビザ審査では日本語能力が間接的に評価要素となる場合があります。

■日本語能力の重要性

  • JLPT N2以上:一般的に求められるレベル
  • ビジネス日本語:技術文書の理解と作成能力
  • コミュニケーション能力:日本人同僚との効果的な意思疎通

漢字圏である利点を活かし、技術用語の理解を深めることで、より高度な業務への参画が可能になります。また、日本語能力が高いほど、転職時の選択肢も広がります。

参考:日本語能力試験JLPT:認定の目安

中国人エンジニアの強みをアピールする方法

中国人エンジニアが持つ独特の強みを効果的にアピールすることで、日本企業での評価を高めることができます。

文化の違いを理解し、お互いの価値観を尊重することで、中国人エンジニアは日本のIT企業で大きな価値を発揮することができるでしょう。

■アピールすべき強み

  • グローバル視点:世界最大のIT市場での経験
  • 技術力:最新技術への対応能力と学習意欲
  • 効率性:結果重視の思考による生産性の高さ
  • 多様性:異なる文化背景からの新しいアイデア
  • 語学力:中国語・英語・日本語のマルチリンガル能力

面子を重んじる文化も、適切にアピールすれば「責任感の強さ」として評価されます。

また、転職をキャリアアップの手段として考える積極性も、「成長意欲の高さ」として好意的に受け取られる場合が多いです。

3.中国人ITエンジニアが日本で働くために必要なビザの種類

3.中国人ITエンジニアが日本で働くために必要なビザの種類

中国人ITエンジニアが日本で働くためには、適切な在留資格(ビザ)を取得する必要があります。

職歴や学歴、将来のプランによって最適なビザの種類が異なるため、それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解することが重要です。

各ビザの特徴を理解し、自身のキャリアプランに最適なビザを選択することで、中国人ITエンジニアは日本での長期的な成功を実現することができます。

まずは技人国ビザでスタートし、経験を積んで高度専門職、最終的には永住権の取得を目指すのが一般的なルートです。

技術・人文知識・国際業務ビザ(一般的な就労ビザ)

「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)ビザは、中国人ITエンジニアの約90%が取得する最も一般的な就労ビザです。このビザがあれば、日本のIT企業で正社員として働くことができます。

取得要件(以下のいずれかを満たすこと)
  • 大学卒業(短期大学、大学院含む): 中国の本科・専科いずれでも可
  • 日本の専門学校卒業:専門士または高度専門士の称号必要
  • 10年以上の実務経験:IT関連業務での経験年数
  • 法務大臣指定のIT資格:基本情報技術者試験、応用情報技術者試験等
メリット・デメリット
  • メリット:取得しやすく、転職も可能、家族帯同可能
  • デメリット:活動に制限がある、永住権申請まで通常10年必要
  • 在留期間:1年、3年、5年(更新必要)

重要なのは、日本人と同等以上の給与水準を保つことです。同じ業務に従事する日本人社員より給与が低い場合、ビザ申請が不許可になる可能性があります。

参考:出入国在留管理庁:技術・人文知識・国際業務

高度専門職ビザ(優秀な人材向けの特別ビザ)

高度専門職ビザは、特に優秀な中国人ITエンジニアに与えられる特別なビザで、通常の就労ビザでは得られない多くの優遇措置があります。ポイント制による審査が特徴的です。

ポイント制の内容

合計70点以上で高度専門職1号を取得可能で、年収300万円以上が最低条件となります。

  • 学歴:博士号30点、修士号・MBA20点、大学卒業10点
  • 職歴:10年以上25点、7年以上20点、5年以上15点、3年以上10点
  • 年収:1000万円以上40点、900万円以上35点、800万円以上30点
  • 年齢:29歳以下15点、34歳以下10点、39歳以下5点
  • ボーナス:IT関連資格、日本語能力、有名大学卒業等で追加点
優遇措置

高度専門職2号に昇格すると、在留期間が無期限となり、ほぼ永住権と同等の待遇を受けることができます。

  • 5年の在留期間:通常より長期間の滞在許可
  • 永住権への優遇:最短1年で永住権申請可能(通常は10年)
  • 家族の就労許可:配偶者が就労ビザなしで働くことが可能
  • 親の帯同:一定条件下で高齢の親を日本に呼び寄せ可能
  • 複合的活動:メインの仕事と併せて関連する事業経営も可能

参考:出入国在留管理庁:高度専門職

短期滞在ビザ(研修や観光で来日)

短期滞在ビザは、正式な就労前の準備段階や企業研修で利用されることがあります。ただし、このビザでは報酬を得る活動は禁止されています。

利用場面と制限
  • 技術研修:日本企業での無報酬研修(90日以内)
  • 面接・会社見学:就職活動での短期滞在
  • 商談・会議:ビジネス目的での短期出張
  • 制限:報酬を得る活動は一切不可、原則として就労ビザへの変更不可

例外的に、短期滞在中に在留資格認定証明書が交付された場合のみ、日本国内で就労ビザへの変更が可能です。ただし、これは非常に稀なケースです。

2024年末より中国人向けの観光ビザが緩和され、10年間有効の数次ビザや団体観光の滞在期間が30日に延長されるなど、より利用しやすくなりました。

参考:出入国在留管理庁:短期滞在

永住者ビザ(日本に永久に住めるビザ)

永住者ビザは日本での就労に一切制限がない最上級のビザで、転職や起業も自由に行えます。

このビザは日本で長く働く事を考えている、中国人ITエンジニアの最終目標とも言えるのではないでしょうか。

取得要件
  • 原則10年間の継続在留:就労ビザで10年以上日本に滞在
  • 高度専門職の優遇: 高度専門職1号で3年間(80点以上なら1年間)
  • 素行善良:犯罪歴がなく、税金や年金を適切に納付
  • 独立生計:安定した収入があり、生活保護に頼らない
  • 国益要件:日本の国益に合致すること
永住権のメリット
  • 就労制限なし:どんな仕事でも自由に従事可能
  • 起業・投資自由:会社設立や不動産投資も制限なし
  • 社会保障:日本人と同等の社会保障制度を利用可能
  • 家族の安定:配偶者や子供の在留も安定

永住権を取得すれば、実質的に日本人と同等の権利を得ることができ、帰化(日本国籍取得)を選択しない限り最も安定した地位となります。

参考:出入国在留管理庁:永住許可申請

4.すでに日本で働いている中国人ITエンジニアのビザ手続き

4.すでに日本で働いている中国人ITエンジニアのビザ手続き

日本で働いている中国人ITエンジニアにとって、ビザの適切な管理は安定した在留のために不可欠です。

転職、昇進、家族の呼び寄せなど、さまざまな場面で必要となる手続きを理解しておくことが重要です。

ビザの期間を延長する手続き

在留期間更新は、すべての中国人ITエンジニアが定期的に行う最も重要な手続きです。

転職の有無により手続きの複雑さが大きく変わります。

基本的な更新手続きの流れ

  1. 申請時期:在留期限の3か月前から申請可能
  2. 申請場所:住所地を管轄する出入国在留管理局
  3. 審査期間:2週間〜1か月(書類不備がなければ)
  4. 手数料:4,000円(収入印紙で納付)
転職していない場合の簡易更新
  • 必要書類:申請書、在留カード、パスポート、源泉徴収票、住民税証明書
  • 審査:比較的簡単で、書類に不備がなければほぼ確実に許可
  • 期間:通常2〜3週間で結果が判明
転職している場合の厳格審査
  • 審査内容:新しい会社と業務内容を一から審査
  • 必要書類:新しい雇用契約書、会社の決算書、業務内容説明書等
  • リスク:新しい業務が学歴と関連していない場合、不許可の可能性

重要なポイントは、在留期限を1日でも過ぎると不法滞在となるため、余裕を持った申請が必要です。審査中に期限が切れても、2か月間の特例期間があるので慌てる必要はありません。

転職する時に必要なビザ手続き

転職は中国人ITエンジニアのキャリア形成において重要な選択肢ですが、適切なビザ手続きを怠ると重大な問題となる場合があります。

転職時に必要な届出

  • 所属機関変更届: 転職後14日以内に提出(義務)
  • 就労資格証明書: 任意だが取得を強く推奨
就労資格証明書の重要性

現在のビザが新しい会社・職種で有効かを事前に確認する制度で、「転職の適法性を証明する入管からのお墨付き」の役割を果たします。

  • 申請条件:在留期限まで6か月以上ある場合
  • 申請費用:2,000円
  • 審査期間:1〜3か月
  • メリット:次回更新時の審査が大幅に簡素化

就労資格証明書を取得せずに転職した場合、次回の更新時に厳格な審査を受けることになり、最悪の場合は更新が不許可となるリスクがあります。

高度専門職ビザに変更するメリットと方法

技人国ビザで働いている中国人ITエンジニアが、より多くの優遇を受けたい場合は高度専門職への変更を検討することができます。

変更の条件

  • ポイント制で70点以上:学歴・職歴・年収・年齢・ボーナス項目
  • 年収300万円以上:最低条件
  • 現在の業務が継続:転職と同時の変更は困難
変更のメリット
  • 在留期間5年:通常より長期間の安定
  • 永住権への優遇:最短1年での永住申請が可能
  • 家族の優遇:配偶者の就労許可、親の帯同可能
  • 複合的活動:副業や起業がしやすい

変更申請のタイミングは、昇進や昇給でポイントが70点を超えた時が最適です。特に年収が800万円を超える場合、大幅なポイント加算により高度専門職の取得可能性が高まります。

家族を日本に呼ぶ・招待する手続き

日本での生活が安定してきた中国人ITエンジニアの多くが検討するのが、家族の呼び寄せです。

家族滞在ビザでの呼び寄せ

  • 対象者:配偶者と未成年の子供
  • 扶養条件:安定した収入で家族を扶養できること
  • 制限:家族は原則として就労不可(資格外活動許可で週28時間まで可能)
高度専門職の家族優遇
  • 配偶者の就労:ビザ変更なしで就労可能
  • 親の帯同:一定条件下で高齢の親を呼び寄せ可能
  • 家事使用人:年収1,000万円以上なら家事使用人も帯同可能
呼び寄せの手続き
  • 在留資格認定証明書交付申請: 家族が中国にいる場合
  • 審査期間: 1〜3か月
  • 必要書類: 戸籍謄本、結婚証明書、収入証明書、住民票等

家族の呼び寄せを成功させるには、十分な扶養能力を証明することが最も重要です。年収の目安として、単身なら300万円以上、家族3人なら500万円以上が望ましいとされています。

5.これから日本で働きたい中国人ITエンジニアの申請手順

5.これから日本で働きたい中国人ITエンジニアの申請手順

中国人ITエンジニアが日本で働くための申請手順は、現在の居住地や状況によって大きく異なります。

それぞれのケースに応じた最適な手続きを理解することで、スムーズな日本就職を実現できます。

【中国在住】日本のIT企業に就職する場合

中国に住んでいる中国人ITエンジニアが日本の企業に内定した場合、最も一般的で確実な手続きは「在留資格認定証明書交付申請」です。

申請の流れとタイムライン

  • Step 1:日本企業から内定を得る
  • Step 2:企業が代理で在留資格認定証明書交付申請(1〜3か月)
  • Step 3:証明書を中国の本人に郵送
  • Step 4:中国の日本領事館でビザ申請(1〜2週間)
  • Step 5:証明書発行から3か月以内に日本入国
企業側が準備する書類
  • 申請書、雇用契約書、会社の登記事項証明書
  • 決算書、組織図、事業内容説明書
  • 採用理由書、給与体系証明書
● 本人が準備する書類
  • 履歴書、最終学歴の卒業証明書・成績証明書
  • 中国での職歴証明書
  • CHSI学歴認証報告書(中国の学歴の場合)
  • 全ての中国語書類に日本語翻訳を添付

重要なポイントは、企業が申請の主体となるため、採用企業との密接な連携が不可欠です。

また、中国での書類準備には時間がかかる場合があるため、内定から入国まで3〜6か月程度の期間を見込んでおく必要があります。

【すでに日本在住】IT業界で転職する場合

すでに日本で働いている中国人が、IT業界内で転職する場合は、前職の業務内容との関連性により手続きが変わります。

同じ職種での転職の場合

  • 必要手続き: 所属機関変更届出(14日以内)
  • 推奨手続き: 就労資格証明書交付申請
  • ビザ変更:原則不要
  • 次回更新:通常の更新手続き

異なる職種への転職の場合

  • 例:通訳・翻訳 → プログラマー、営業 → システムエンジニア
  • 必要手続き:在留資格変更許可申請または新たな就労資格証明書
  • 審査内容:新しい職種と学歴・職歴の関連性を厳格に審査
  • リスク:関連性が認められない場合、転職不可

転職の成功率を高めるためには、新しい職種への適性を客観的に証明することが重要です。

6.ITエンジニアがビザ申請で成功するための条件

6.ITエンジニアがビザ申請で成功するための条件

中国人ITエンジニアがビザ申請で成功するためには、技術力の客観的な証明と、日本の審査基準に合致した書類準備が不可欠です。

学歴とプログラミングスキルの証明方法

学歴の証明については、中国の教育制度の特殊性を理解した上で適切な書類を準備することが重要です。

中国での学歴証明のポイント
  1. CHSI認証報告書:中国の学歴認証機関による公式証明
  2. 本科・専科の区別:4年制大学(本科)か短期大学(専科)かを明確化
  3. 学位証書の有無:卒業証明書だけでなく学位証書も重要
  4. 成績証明書:専攻科目と業務内容の関連性を示すため

プログラミングスキルの証明方法については、以下のような具体的な証拠を提示することが効果的です。

技術力証明の方法
  • ポートフォリオ:実際に開発したアプリケーションやウェブサイト
  • GitHubアカウント:コードの公開履歴と開発活動
  • 技術資格:基本情報技術者、応用情報技術者等の国家資格
  • プログラミング言語:Java、Python、JavaScript等の習得レベル
  • 開発実績:参加したプロジェクトの詳細と担当範囲

実務経験と技術力をアピールする方法

実務経験については、単なる在職期間の長さではなく、具体的な技術的貢献を示すことが重要です。

効果的な実務経験のアピール方法
  • プロジェクト詳細:開発規模、使用技術、チーム構成、自身の役割
  • 技術的課題解決:直面した技術的問題とその解決策
  • 成果の定量化:パフォーマンス改善、バグ削減率、開発期間短縮等
  • 最新技術への対応:クラウド、AI、ビッグデータ等のトレンド技術経験
  • 国際的な経験:多国籍チームでの開発経験や海外プロジェクト参加

特に重要なのは、日本企業が求める技術スタックとの適合性を示すことです。

日本では品質重視の開発文化があるため、テスト駆動開発、コードレビュー、ドキュメント作成等のプロセスへの理解をアピールすることも効果的です。

7.中国人ITエンジニアがビザ申請で失敗する5つの理由と対策

7.中国人ITエンジニアがビザ申請で失敗する5つの理由と対策

多くの中国人ITエンジニアが直面する典型的な失敗パターンを理解し、事前に対策を講じることで申請成功率を大幅に向上させることができます。

大学で学んだことと仕事内容が合わない

最も多い不許可理由の一つが、学歴と業務内容の関連性不足です。

よくある失敗例・文学部卒業者がプログラマーとして申請
・機械工学専攻者がウェブデザイナーとして申請
・経営学専攻者がデータベースエンジニアとして申請
<対策>・補完学習の証明: 独学やオンライン講座での技術習得過程を文書化
・関連性の論理的説明: 学んだ内容と業務の接点を詳細に説明
・実践的スキルの証明: 作品制作やプロジェクト参加の実績提示

技術レベルと給料が釣り合わない

日本人と同等以上の給与水準を維持することは法的要件であり、技術レベルに見合った適正な給与設定が必要です。

問題となるケース・同じ業務の日本人より明らかに低い給与
・経験年数に対して不相応に低い給与設定
・地域相場を大幅に下回る給与提示
<対策>・市場調査: 同業界、同職種の給与相場を事前調査
・技術力の客観的証明: 資格や実績による技術レベルの証明
・段階的昇給プラン: 入社後の昇給プランを雇用契約に明記

IT会社の経営が不安定に見える

雇用企業の安定性も重要な審査要素となります。

問題となる企業の特徴・設立間もないスタートアップ企業
・財務状況が不安定な企業
・事業内容が不明確な企業
<対策>・詳細な事業説明書: 会社の事業内容と将来性を詳細に説明
・財務資料の準備: 決算書、資金調達実績、事業プラン書等
・取引実績の提示: 主要クライアント、プロジェクト実績の紹介
・組織体制の明確化: 従業員構成、組織図、責任体制の説明

中国の学歴・職歴証明で起こる問題

中国特有の制度により、学歴・職歴証明で問題が生じるケースが頻発しています。

典型的な問題・専科大学卒業で学位証書がない
・中国語書類の翻訳精度が不適切
・職歴証明書の形式が日本の基準と異なる
・社会保険記録と職歴の不一致
<対策>・CHSI認証の活用: 中国政府認定機関による学歴認証取得
・専門翻訳者の利用: IT分野に精通した翻訳者による正確な翻訳
・複数証明書の組み合わせ: 給与明細、社会保険記録、同僚の証言等
・早期の書類準備: 時間に余裕を持った書類収集

ビザ更新時の転職歴に関する問題

頻繁な転職や転職理由の説明不足により更新が困難になるケースがあります。

問題となるパターン・短期間での複数回転職
・転職理由が不明確または一貫しない
・業務内容が大幅に変わる転職の連続
<対策>・キャリアプランの一貫性: 論理的なキャリア形成ストーリーの構築
・転職理由の明確化: スキルアップや専門性向上等のポジティブな理由
・就労資格証明書の活用: 転職の適法性を事前に確認

永住権申請での意外な落とし穴

技人国ビザから永住権申請時に見落としがちな要件があります。

よくある失敗例・税金や年金の未納期間がある
・交通違反等の軽微な法令違反の蓄積
・年収が永住権基準(300万円以上)を満たさない期間がある
・出入国記録に問題がある(再入国許可忘れ等)
<対策>・完璧な納税記録: 住民税、所得税、年金、健康保険の完全納付
・法令遵守の徹底: 交通ルール等の日常的な法令の遵守
・継続的な年収管理: 永住権基準を常に上回る年収の維持
・出入国記録の管理: 再入国許可等の適切な手続き実施

8.2025年に変わったIT業界のビザ制度

8.2025年に変わったIT業界のビザ制度

2025年は日本のIT人材不足の深刻化を受けて、外国籍ITエンジニア向けのビザ制度に大幅な改正が行われました。

中国人ITエンジニアにとって、より働きやすい環境が整備されています。

制度変更により、中国人ITエンジニアにとって日本でのキャリア形成がより魅力的になりました。

特に、AI・機械学習・クラウド技術等の最新技術に精通したエンジニアは、従来以上に優遇される環境が整っています。

デジタル人材への優遇制度

「デジタル人材特別措置」が新設され、IT関連の専門資格を持つ外国籍人材への優遇が拡大されました。

新たな優遇内容

  • IT資格保有者の学歴要件緩和:特定のIT資格があれば大学卒業要件が不要
  • 審査期間の短縮:通常1-3か月の審査が2週間に短縮
  • 在留期間の優遇:初回から3年または5年の在留期間付与
  • 家族帯同の緩和:年収要件を300万円から250万円に引き下げ

参考:総務省:デジタル人材の確保・育成

リモートワーク時代の新しいルール

働き方の多様化に対応した新制度が導入されました。

リモートワーク対応制度

  • 複数企業での就労許可:条件を満たせば複数の企業で同時就労可能
  • フリーランス活動の拡大:副業としてのフリーランス活動が正式に認可
  • 地方在住の促進:地方IT企業への就職で在留期間の優遇措置
  • オンライン申請の拡充:ほぼすべてのビザ手続きがオンラインで完結可能

参考:総務省:テレワークの推進

高度専門職ポイント制度の変更点

高度専門職のポイント制に重要な変更が加えられました。

主要な変更点

  • IT関連資格のポイント大幅加算:従来5点だった基本情報技術者が15点に
  • 日本語能力の重視:N2取得で15点、N1取得で20点に増加
  • 年収基準の見直し:地方勤務の場合、都市部より低い年収でも高ポイント
  • 起業・副業ボーナス:IT関連の起業や技術系副業で追加ポイント付与

9.中国人ITエンジニアのビザ取得体験談

9.中国人ITエンジニアのビザ取得体験談

実際に日本でビザを取得し、成功を収めた中国人ITエンジニアの体験談から、実践的なノウハウを学ぶことができます。

失敗から学んだ教訓も含め、リアルな経験を紹介します。

体験談から分かるのは、成功する中国人ITエンジニアは皆、長期的な視点でキャリアを設計し、ビザ制度をうまく活用しているということです。

技術力の向上だけでなく、日本語能力、ビジネススキル、そして制度への理解を総合的に高めることが、日本での成功への鍵となっています。

【成功事例1】北京大学卒業→日本のスタートアップ就職

張さん(28歳)- コンピューターサイエンス専攻

北京大学でAIを学んだ張さんは、2023年に東京のAIスタートアップに就職しました。

「最初は小さなスタートアップへの就職で家族に反対されましたが、日本の技術環境と学習機会の豊富さを重視しました。ビザ申請では、大学での研究内容と会社の事業内容の関連性を詳細に説明したことが成功につながったと思います。」

成功のポイント
  1. GitHub活用: 大学時代からオープンソースプロジェクトに積極参加
  2. 日本語学習: 在学中にN1を取得、技術用語も事前に習得
  3. インターンシップ: 短期滞在ビザで3か月間のインターンを経験
  4. ポートフォリオ: 機械学習モデルの実装事例を豊富に準備

【成功事例2】BAT企業出身→日本の大手IT企業転職

李さん(32歳)- アリババで5年間勤務

中国の大手IT企業での豊富な経験を活かし、日本の大手IT企業に転職成功。

「中国での実績だけでなく、日本のビジネス文化への理解と適応能力をアピールしました。面接では、日本企業特有の品質重視の開発プロセスについて具体的に議論し、貢献できることを示しました。」

成功のポイント
  • 高度専門職取得: 年収800万円の提示でポイント制をクリア
  • 国際経験のアピール: 多国籍チームでのプロジェクトマネジメント経験
  • 技術的専門性: クラウドアーキテクチャの深い知識と実装経験
  • ビジネス日本語: 技術文書の読み書きに加え、ビジネスコミュニケーション能力

【成功事例3】留学生→日本でエンジニア就職→永住権取得

王さん(29歳)- 専門学校からキャリアスタート

日本の専門学校でIT技術を学び、段階的にキャリアアップして永住権を取得。

「専門学校時代から日本語能力の向上と技術スキルの両方に力を入れました。転職のたびに就労資格証明書を取得し、次のステップへの準備を怠りませんでした。永住権取得により、ついに安定した基盤を得ることができました。」

キャリアパス
  • 2018年: 日本のIT専門学校入学(留学ビザ)
  • 2020年: システム開発会社に就職(技人国ビザ)
  • 2022年: 大手SIerに転職、年収500万円
  • 2024年: 高度専門職1号取得
  • 2025年: 永住権取得

【成功事例4】家族帯同での来日→配偶者も就職

陳さん夫妻 – 夫婦でITエンジニア

高度専門職ビザの優遇措置を活用し、夫婦揃ってIT業界で活躍。

「家族全員での来日は大きな決断でしたが、高度専門職の優遇措置により、妻も資格変更なしで働けることが決定打でした。子供の教育環境も含めて、日本での生活基盤を築くことができています。」

家族帯同の成功要素
  • 夫の高度専門職取得: ポイント制で85点を獲得
  • 配偶者の就労許可: 家族滞在から就労への変更不要
  • 子供の教育環境: 国際学校への入学で言語面の不安解消
  • 住居確保: 企業の住宅手当を活用した安定した住環境

【失敗→成功事例】初回不許可からの逆転合格

楊さん(26歳)- 一度は不許可を経験

初回申請で不許可となったものの、原因分析と対策により成功を収めた事例。

「最初の失敗は痛い経験でしたが、なぜ不許可になったのかを徹底的に分析しました。2回目の申請では、自分の技術力と業務の関連性を誰が見ても理解できるレベルまで詳細に説明し、無事に許可を得ることができました。」

失敗から学んだ教訓
  • 初回失敗の原因: 業務内容の説明不足と関連性の立証不足
  • 対策1: 業務内容を技術仕様書レベルまで詳細化
  • 対策2: 学習履歴とスキルレベルを客観的に証明
  • 対策3: 専門家(行政書士)のサポートを活用

【転職成功事例】IT業界内での3回転職

劉さん(31歳)- 計画的キャリア形成

プランに基づいた転職により、着実にキャリアアップを実現した事例。

「各転職時に就労資格証明書を取得し、次のキャリアステップへの適法性を確認していました。また、転職理由は常にスキルアップと専門性向上に統一し、一貫したキャリアストーリーを構築しました。現在は年収1000万円を超え、高度専門職2号の取得も視野に入れています。」

転職プラン
  • 1社目: 小規模SI企業でプログラマーとして基礎を習得
  • 2社目: 中規模企業でシステムエンジニアにステップアップ
  • 3社目: 大手企業でプロジェクトマネージャーとして活躍
  • 4社目: 外資系企業でテクニカルリードに昇進

10.中国人ITエンジニアとして日本で成功するために適切なビザ取得を

10.中国人ITエンジニアとして日本で成功するために適切なビザ取得を

中国人ITエンジニアが日本で成功するためには、技術力だけでなくビザ制度の正確な理解と計画的な申請が不可欠です。

中国特有の課題を事前に把握し、適切な書類準備と手続きを行うことで、スムーズな来日と安定したキャリア形成が可能になります。

2025年の制度改正により、さらに働きやすい環境が整った今こそ、日本でのIT キャリアを検討する絶好の機会と言えるでしょう。

日本で働く外国籍ITエンジニアのための転職エージェント

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