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SES大手企業の選び方|年収・残業を徹底比較!7つのチェックリスト

SES業界で転職を考えているが、「どの企業を選べばいいのか分からない」「ブラック企業を避けたい」と悩んでいる方も多いと推測されます。

大手SES企業は数多く存在しますが、企業規模だけで判断すると入社後に後悔するリスクがあります。

この記事では、有価証券報告書などの客観的なデータを用いて企業を見極める方法と、優良企業を選ぶための実践的なノウハウを解説します。

この記事を読んでわかること
  • 大手SES企業を客観的に評価する4つの比較軸(売上高、年収、残業時間、リモートワーク)について
  • 有価証券報告書を使った自分で企業を調査する具体的な方法について
  • ブラック企業を避けるための7つのチェックリストと転職成功の5ステップについて

1. SES大手企業を選ぶ前に知っておくべき基礎知識

1. SES大手企業を選ぶ前に知っておくべき基礎知識

SES業界への転職を成功させるには、まずSESという働き方の本質と、なぜ「大手」を選ぶべきなのかを理解することが重要です。

SESとは何か:仕組みと業界構造の理解

SES(System Engineering Service)とは、IT企業がエンジニアの技術力を他社のプロジェクトに提供する契約形態です。

法律上は「準委任契約」に分類され、受託者(SES企業)が業務の遂行を管理し、発注者に指揮命令権はありません。

SESの最大の特徴は「客先常駐」という働き方です。発注企業は必要な時期に必要なスキルを確保でき、SES企業は安定した雇用を提供しながら多様なプロジェクトにエンジニアを配置できます。

ただし、業界には「多重下請け構造」という課題も存在します。大手SIerが受注した案件が、二次請け、三次請けと階層的に再発注される過程で中間マージンが発生し、下流に行くほどエンジニアの単価が下がります。

日本の情報サービス産業全体の市場規模は27兆円を超え、従業員数は113万人に達しています。2021年には業界売上が10兆円を突破し、急激な拡大傾向を示しています。

(出典:一般社団法人情報サービス産業協会「情報サービス産業基本統計調査」

なぜ「大手」を選ぶべきなのか:中小との構造的な違い

SES業界において「大手企業」は、多重下請け構造における優位なポジションを確保することを意味します。

商流上流の圧倒的優位性

一次請けの大手SES企業では月単価80万円〜120万円の案件が一般的ですが、三次請け・四次請けになると50万円〜60万円まで下がります。

この差額が、エンジニアの給与水準の差に直結します。上流企業が扱う案件は、要件定義や基本設計といった上流工程が中心となるため、技術的な意思決定に関わる機会が多くなります。

財務安定性と年収の差

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、従業員1,000人以上の大規模IT企業におけるシステムエンジニアの平均年収は約748万円に達します。

一方、小規模企業では同じ職種でも年収が300万円台に留まるケースもあります。NSDのような優良大手SES企業の離職率は3.5%と、業界平均の10〜15%を大きく下回っています。

(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和5年度版)

福利厚生と教育制度の充実

大手SES企業では、

  • 資格取得支援制度(受験費用全額負担、合格時の報奨金3万円〜10万円)
  • 外部研修への派遣(技術カンファレンス参加費補助、オンライン学習プラットフォーム利用補助)
  • 住宅手当(月額2万円〜5万円)
  • 健康経営への取り組み(人間ドックのオプション追加、メンタルヘルスケア相談窓口)

など、充実している場合が多いです。

一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)の統計データによれば、従業員1,000人以上の企業では残業時間が月平均20時間以内に抑えられている一方、年収は業界平均を100万円以上上回る傾向が確認されています。

(出典:JISA「情報サービス産業基本統計調査」2024年版

2. 大手SES企業を見極める4つの比較軸

大手SES判断基準

失敗しない企業選びの4要素
Axis 01
財務の健全性と規模
🏢大手企業の基準
売上1,000億〜 利益率5%超 自己資本40%〜
📈主要企業の例
富士ソフト DTS / NSD 直接取引中心
Axis 02
年収の「還元率」と内訳
💰給与の適正度
還元率70%〜(高) 基本給の高さ重要 残業依存はNG
⚠️平均年収の罠
年代別を確認 賞与比率をチェック 透明性が生命線
Axis 03
残業時間と労務管理
🕒残業のボーダー
月10h〜:超優良 月20h:健全水準 月45h〜:警戒
💬面接での確認
具体的な数値回答 残業代全額支給か 36協定の遵守
Axis 04
リモート対応の実態
🏠勤務スタイルの主流
週2〜3リモート(50%) ハイブリッド型標準 フルリモート(5%)
🔗確認のコツ
常駐先の方針依存 PC貸与/環境整備 入社後ギャップ防止
JUDGING THE BEST SES COMPANIES

企業選びで失敗しないためには、客観的なデータで企業を比較する明確な基準が必要です。

比較軸1:売上高と財務安定性の見方

企業の「規模」と「健全性」を測る最も客観的な指標が、売上高と財務データです。

大手企業の財務基準

SES業界において「大手」と呼ばれる企業の基準は以下の通りです。

  • 売上高:1,000億円以上
  • 営業利益率:5%以上(JISA統計による業界平均5〜7%)
  • 自己資本比率:40%以上

売上高が大きい企業ほど、金融機関、大手製造業、官公庁などとの直接取引が多く、単価の高い案件を受注できます。

営業利益率は「営業利益÷売上高×100」で計算され、5%を下回る企業は受注競争の激しい下請け案件に依存している可能性があります。

自己資本比率は「純資産÷総資産×100」で計算され、40%以上であれば財務的に安定していると判断できます。

(出典:JISA「情報サービス産業基本統計調査」2024年版

これらの財務データは、上場企業であれば金融庁のEDINETから無料で閲覧できる有価証券報告書に記載されています。

主要なSES企業の財務データ例:富士ソフト(売上高約3,000億円、営業利益率約6.5%、自己資本比率約50%)、DTS(売上高約1,000億円、営業利益率約7.2%、自己資本比率約55%)、NSD(売上高約1,000億円、営業利益率約8.0%、自己資本比率約65%)

(出典:各社有価証券報告書 2023年度版)

比較軸2:年収データの正しい読み解き方

企業選びにおいて年収は最も関心の高い要素ですが、「平均年収」を額面通りに受け取ると入社後に後悔します。

平均年収の罠と年代別年収の重要性

有価証券報告書に記載される「平均年収」は全従業員の単純平均です。

管理職や高年齢層の比率が高い企業では平均値が押し上げられ、若手エンジニアの実態とかけ離れます。例えば、平均年収650万円でも、20代の実際の年収は420万円程度というケースがあります。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、情報通信業のシステムエンジニアの年齢別平均年収は、20〜24歳で約350万円、25〜29歳で約450万円、30〜34歳で約550万円、35〜39歳で約650万円、40〜44歳で約750万円です。

(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和5年度版

基本給・残業代・賞与の内訳確認

年収は「基本給+残業代+賞与」で構成されますが、内訳によって実質的な待遇は大きく変わります。

健全な構成例: 基本給月額35万円(年間420万円)、残業代月平均3万円(年間36万円、月20時間想定)、賞与年間120万円で合計年収約576万円。

残業依存型の例: 基本給月額25万円(年間300万円)、残業代月平均12万円(年間144万円、月60時間想定)、賞与年間80万円で合計年収約524万円。

後者は基本給が低く、長時間残業で年収を維持している構造です。

還元率という評価軸

還元率とは「エンジニアの月額給与÷顧客への請求単価×100」で計算される指標です。

70%以上であれば非常に高還元、60〜70%であれば健全な水準、50%以下の場合は中間搾取が疑われます。還元率を明示している企業は透明性が高く、エンジニアの待遇を重視している証拠です。

比較軸3:残業時間から働き方を判断する方法

年収が高くても、長時間残業で時間単価が低くなっていては意味がありません。

月平均残業時間の業界標準

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によれば、情報通信業の月平均残業時間は約16.3時間(2023年)です。

月平均10時間以内であれば非常にホワイトな環境、月平均20時間以内であれば健全な水準(優良企業の目安)、月平均30時間以上はやや多め、月平均45時間以上は36協定の上限に近く問題ありです。

(出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和5年度版

面接で確認すべき質問

「月平均の残業時間はどの程度でしょうか?」「配属される案件の繁忙期と閑散期で、残業時間はどのように変動しますか?」「残業代は全額支給でしょうか、それとも固定残業代制でしょうか?」

これらの質問に具体的な数値で答えられる企業は、労務管理がしっかりしています。

比較軸4:リモートワーク対応状況の確認ポイント

現在、リモートワークの可否は企業選びの重要な判断材料です。

SES業界のリモートワーク実態

総務省の「情報通信白書」によれば、情報通信業のテレワーク実施率は約60%に達しています。ただし、SES業界の場合、常駐先企業の方針にも左右されます。

2026年のリモートワーク実態: 週5日フル出社約30%、週2〜3日リモート約50%(最も一般的)、週4〜5日リモート約15%、完全フルリモート約5%。

2026年現在、大手SES企業では「週2〜3日リモート、週2〜3日出社」のハイブリッド勤務が標準的なスタイルとして定着しています。

(出典:総務省「情報通信白書」令和5年版

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3. 有価証券報告書で企業を自分で調べる方法

3. 有価証券報告書で企業を自分で調べる方法

企業の公式情報として最も信頼できるのが有価証券報告書です。

EDINETでの有価証券報告書の入手方法

EDINETは、金融庁が運営する企業情報の開示システムです。会員登録不要、完全無料で利用できます。

入手手順

  1. EDINETにアクセス
  2. 画面上部の「書類検索」をクリック
  3. 「提出者/発行者/ファンド情報」に企業名を入力
  4. 「書類種別」で「有価証券報告書」を選択
  5. 最新の報告書のPDFまたはHTML版をクリック

初心者はPDF版を推奨します。HTML版はスマートフォンでも閲覧しやすいです。

有価証券報告書で見るべき5つの項目

有価証券報告書は100〜300ページの大部な文書ですが、企業選びに必要な情報は特定のセクションに集約されています。

【1】企業の概況

掲載場所:「第一部 企業情報」→「第1 企業の概況」→「5 従業員の状況」

確認項目:従業員数(1,000人以上なら大手の目安)、平均年齢(35〜40歳なら中堅中心)、平均勤続年数(5年以上なら働きやすい環境)、平均年収(年齢構成を考慮して判断)

【2】事業の状況

掲載場所:「第一部 企業情報」→「第2 事業の状況」

確認項目:売上高の推移(過去3〜5年で増収傾向か)、営業利益率(5%以上が健全性の目安)、セグメント別の業績(特定業界への依存度)

【3】経理の状況

掲載場所:「第一部 企業情報」→「第5 経理の状況」→「連結財務諸表」

確認項目:自己資本比率(40%以上が目安)、営業利益率(5%以上が目安)

【4】提出会社の状況

掲載場所:「第一部 企業情報」→「第4 提出会社の状況」→「1 株式等の状況」

確認項目:株式保有構造(オーナー企業型、機関投資家型、親会社子会社型の分類)

【5】コーポレート・ガバナンス

掲載場所:「第一部 企業情報」→「第4 提出会社の状況」→「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」

確認項目:*役員報酬の総額、内部統制システムの整備状況、監査体制

効率的な閲覧のコツ

PDF版は目次から該当ページに直接ジャンプ、HTML版は目次がリンクになっているためクリックで移動できます。金額の単位に注意し(「百万円」「千円」など)、複数年度を比較してトレンドを把握しましょう。

4. ブラック企業を避ける7つのチェックリスト

ホワイト企業判定

SES企業選びの7項目チェック
⚠️ 3項目以下の場合は入社リスクを要精査
📊
有報公開 財務透明性
勤続5年〜 高い定着率
🕒
残業公開 月平均の明文化
💰
還元率明示 60〜70%標準
🤝
案件選択 希望の反映
🎓
教育充実 資格・研修支援
口コミ3.0〜 外部評価
SES WHITE COMPANY CHECKLIST • 2026

この7項目のうち、3つ以上が該当する場合は、自身のキャリアプランに照らしてリスクを精査することが推奨されます。

チェック項目一覧

□ 1. 有価証券報告書の公開有無

上場企業、または非上場でも財務情報を積極的に開示している企業は透明性が高く信頼できます。

□ 2. 平均勤続年数が5年以上

厚生労働省の「雇用動向調査」によれば、情報通信業の平均離職率は約11.8%です。平均勤続年数が5年以上あれば、業界平均を上回る定着率と言えます。3年未満の場合は要注意です。

(出典:厚生労働省「雇用動向調査」令和4年度版

□ 3. 残業時間のデータ公開

残業時間を公開していない企業は、残業時間が長く公開できない、労務管理が徹底されていないといったリスクがあります。優良企業は「月平均○○時間」と具体的な数値を堂々と公開しています。

□ 4. 還元率の明示

還元率が70%以上であれば非常に高還元、60〜70%であれば健全な水準、50%以下の場合は中間搾取の疑いがあります。還元率を明示している企業は透明性が高いと言えます。

□ 5. 案件選択の自由度

優良企業では「案件選択面談」を定期的に実施し、エンジニアの希望とスキルを踏まえた上で、可能な限りマッチする案件を提案します。

□ 6. 教育・研修制度の充実度

資格取得支援制度、外部研修への派遣制度、社内勉強会の開催実績があるかを確認します。教育制度が充実している企業は、エンジニアの成長を長期的な投資と捉えています。

□ 7. 口コミサイトでの評価

OpenWork、転職会議、カイシャの評判などの総合評価が3.0点以上(5点満点)であることを確認しましょう。

面接で確認すべき質問例

  • 「月平均の残業時間はどの程度でしょうか?」
  • 「案件のアサイン時に、エンジニアの希望をどの程度反映していただけますか?」
  • 「もし希望と合わない案件を提示された場合、断ることは可能でしょうか?」
  • 「資格取得支援制度の利用率はどの程度ですか?」

絶対に避けるべき企業の特徴

面接で威圧的な態度を取る、内定を急かす(「今日中に返事をください」)、労働条件通知書の交付を渋る、残業代の計算方法が不明瞭といった特徴が見られる企業は、応募を避けるべきです。

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5. 大手SES企業の代表例と特徴

売上高上位の大手SES企業を中立的に紹介します。これらは一例であり、自分で調査することが最も重要です。

富士ソフト株式会社

富士ソフト株式会社

富士ソフト株式会社(売上高約3,021億円、平均年収約620万円 ※2023年12月期 有価証券報告書参照)従業員数約15,000名、上場市場は東証プライム。

独立系SIerとして最大手クラスで、通信、社会インフラ、車載ソフトウェアなど幅広い分野に強みを持ちます。平均勤続年数11年以上と定着率が高く、技術研修センターを運営しています。

株式会社DTS

株式会社DTS

売上高約1,000億円、従業員数約2,800名、平均年収約570万円、上場市場は東証プライム。金融系システムに強みを持ち、営業利益率が7%以上を維持し財務的に安定しています。

株式会社NSD

株式会社NSD

売上高約1,000億円、従業員数約3,200名、平均年収約650万円、上場市場は東証プライム。

流通・サービス業に強みを持ち、離職率3.5%と業界トップクラスの低さです。自己資本比率65%超で財務基盤が非常に安定しています。

6. 転職エージェントを活用した効率的な企業選び

6. 転職エージェントを活用した効率的な企業選び

自分で調査することも重要ですが、転職エージェントを活用することでより効率的に優良企業を見つけることができます。

転職エージェントの主なメリット

求職者側は完全無料で利用でき、非公開求人へのアクセス(全体の約70%)、企業の内部情報の提供(実際の残業時間、社風、離職率など)、給与交渉の代行(50万円〜100万円程度高い年収を引き出せるケースも)、書類添削・面接対策のサポート、複数企業の同時並行応募の管理といったメリットがあります。

エージェント選びのポイント

IT業界特化型を優先

SES業界への転職では、IT業界特化型エージェント(レバテックキャリア、マイナビIT AGENT、ギークリーなど)を優先的に利用したほうがいいでしょう。

担当者がSESの仕組みを理解しており、IT企業との関係が深く、技術的な話が通じます。

優秀な担当者の見極め

優秀な担当者は、エンジニア経験がある、IT業界の最新トレンドに詳しい、親身に相談に乗ってくれるという特徴があります。

逆に、とにかく応募を急かす、IT業界の知識が浅い、連絡が遅いといった担当者は避けるべきです。

複数エージェントの併用

転職活動では、2〜3社のエージェントに同時に登録することが推奨されます。求人の選択肢が広がり、担当者の質を比較でき、情報の正確性を検証できます。

希望条件を明確に伝える

年収の希望(最低ライン、希望額、理想額)、勤務地・リモートワークの希望、技術スタックの希望、働き方の希望を具体的に伝えることで、エージェントは最適な求人を厳選して紹介できます。

株式会社ブルームテックのサービス紹介

株式会社ブルームテックのサービス紹介

株式会社ブルームテックは、ITエンジニア専門の人材紹介サービスを提供しています。

SES業界を熟知した専門のキャリアアドバイザーが、企業と求職者の最適なマッチングを支援しています。無料相談を実施しており、転職を迷っている段階でもキャリアの相談が可能です。

7. SES大手企業でのキャリアパスと将来設計

7. SES大手企業でのキャリアパスと将来設計

SESという働き方は、多様なキャリアへの「スタート地点」として位置づけることが重要です。

SESエンジニアの典型的なキャリアステップ

初期(1〜3年目):下流工程でスキル習得

プログラミング、テスト・デバッグ、保守・運用が主な業務です。

基本的なプログラミング能力、デバッグ・問題解決能力、ドキュメント作成能力を身につけます。この時期は地味な作業が多いですが、基礎を固める重要な期間です。

中期(3〜7年目):上流工程への参画

詳細設計、基本設計、要件定義の一部が主な業務です。設計能力、コミュニケーション能力、リーダーシップを身につけます。3〜7年目は、「手を動かすエンジニア」から「頭を使うエンジニア」への転換期です。

後期(7年目以降):PMやマネジメント職へ

プロジェクトマネージャー、PMO、技術リーダーが主な業務です。この段階で年収も800万円〜1,000万円超に達するケースが多くなります。

キャリアパスの4つの分岐点

7年目以降、キャリアは大きく4つの方向に分岐します。

  1. SES継続:管理職やPMとして昇進
  2. SIerへの転職:より上流の業務に専念
  3. フリーランス独立:高単価案件を獲得(月単価80万円〜100万円)
  4. 事業会社への転職:自社開発エンジニアとして安定志向

SESで身につく市場価値の高いスキル

多様なプロジェクト経験による適応力、複数の技術スタックへの対応力(Java、Python、AWS、Azure等)、コミュニケーション能力(顧客折衝、社内外の調整)、業界知識の広がり(金融、製造、流通等)が身につきます。

IPA(情報処理推進機構)の「IT人材白書」によれば、企業がエンジニアに求めるスキルの上位には「複数の技術領域に対応できる柔軟性」「新技術への学習意欲」が挙げられており、SESでの多様な経験はこれらの要求に合致します。

(出典:IPA「IT人材白書」2023年版

8. 5ステップで進める大手SES企業への転職成功法

8. 5ステップで進める大手SES企業への転職成功法

大手SES企業への転職を成功させるには、計画的なステップが必要です。ここでは、自己分析から内定後の条件交渉まで、具体的な5つのステップを解説します。

ステップ1:自己分析と希望条件の明確化

年収、勤務地、リモートワーク、残業時間について「最低ライン」「希望」「理想」の3段階で整理します。

技術スキル、業務スキル、ヒューマンスキルを書き出し、「5年後、10年後、どうなっていたいか」を具体的にイメージします。

ステップ2:企業リストアップと調査

有価証券報告書での財務データ確認(売上高1,000億円以上、営業利益率5%以上、自己資本比率40%以上、平均勤続年数5年以上)、口コミサイトでの評判チェック(総合評価3.0点以上)、企業の採用ページでの募集要項確認を行います。

ステップ3:応募書類の作成

職務経歴書では実績を定量的に記載します。

  • NG例:ECサイトの開発プロジェクトに参画し、バックエンド開発を担当しました。
  • OK例:ECサイトのバックエンド開発プロジェクトに参画(チーム規模:10名、開発期間:6ヶ月)。決済機能の設計・実装を担当し、処理速度を従来比30%改善。リリース後の障害件数ゼロを達成。

志望動機では企業研究の成果を反映させましょう。

ステップ4:面接対策と質問準備

頻出質問(「これまでの開発経験を教えてください」「最も苦労したプロジェクトは?」「最近学んでいる技術は?」)への回答を準備します。

逆質問では「配属される案件の技術スタックは?」「案件のアサイン時にエンジニアの希望を反映していただけますか?」「月平均の残業時間は?」などを確認します。

ステップ5:内定後の条件交渉

年収交渉は内定が出た直後が最適です。現年収と希望年収を明確に伝え、根拠を示し、妥協案を示します。

労働条件通知書では、基本給と各種手当の内訳、残業代の計算方法、試用期間の有無、賞与の支給時期、退職金制度の有無を必ず確認しましょう。

9. 大手SES企業選びについてのよくある質問と回答(FAQ)

SES大手企業への転職を検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。転職前の疑問や不安の解消にお役立てください。

Q1:SESは本当にやめとくべき?

A: 大手企業であれば問題ありません。「SESはやめとけ」という意見は中小の下請け企業の問題です。売上高1,000億円以上の大手SES企業では、商流の上位に位置し単価が高く、財務基盤が安定しており、上流工程の案件が豊富です。

Q2:未経験でも大手SES企業に入れる?

A: 可能です。大手企業の多くは未経験者向けの研修制度(1〜3ヶ月の新人研修、OJT、フォローアップ研修)が充実しています。ただし、自己学習の習慣、素直さと学習意欲、長期的なキャリア展望が求められます。

Q3:SESからSIerへの転職は可能?

A: 可能です。SESでの多様なプロジェクト経験、顧客折衝経験、上流工程の経験はSIer転職時に高く評価されます。SESでの3〜5年で上流工程の経験を積み、リーダー経験をアピールすることが成功のポイントです。

Q4:大手SESと中小SESの年収差は?

A: 30代で100〜200万円程度の差が出ます。大企業(従業員1,000人以上)は平均年収約650万円〜750万円、小規模企業(従業員100人未満)は約450万円〜550万円です。生涯年収では5,000万円〜1億円の差になります。

Q5:リモートワークが多い大手SES企業は?

A: 2026年現在、週2〜3日リモート可能な案件が約50%と最も一般的です。完全フルリモートは約5%と限定的ですが、Web系・クラウド系案件が多い企業、自社方針でリモート推進している企業は対応が進んでいます。

10.大手SES企業選びは自己調査力が成功の鍵

10.大手SES企業選びは自己調査力が成功の鍵

本記事では、大手SES企業を選ぶための4つの比較軸、有価証券報告書を使った自己調査の方法、ブラック企業を避ける7つのチェックリスト、転職を成功させる5ステップを解説しました。

企業の公式情報として最も信頼できる有価証券報告書を自分で読み解く力を身につけることが、後悔しない企業選びの第一歩です。

自分で判断できる力を身につけることこそが、充実したキャリアを実現する鍵となります。

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