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日本の育児休暇がわかる|外国籍エンジニアの取得手順を徹底解説

日本で働く外国籍エンジニアにとって、育児休暇制度の理解は重要な課題です。

日本には「育児休業」「産後パパ育休」「パパママ育休プラス」の3つの制度があり、給付金支給や社会保険料免除などの手厚いサポートが用意されています。

しかし、在留資格への影響や年収要件、必要な手続きなど、外国籍エンジニア特有の注意点も存在します。

この記事では、制度の概要から具体的な取得手順まで、外国籍エンジニアが安心して育休を取得するための情報を網羅的に解説します。

この記事を読んでわかること
  • 日本の育児休暇制度の種類と給付金・保険料免除の仕組みについて
  • 外国籍エンジニアが育休取得時に注意すべき在留資格・年収要件への影響について
  • 申請から復職までの具体的な手続きと必要書類の準備方法について
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1.日本の育児休暇制度の全体像

1.日本の育児休暇制度の全体像

日本の育児休業(育児休暇)制度には「育児休業」、男性が対象となる「産後パパ育休」、そして両親で交代して取得できる「パパママ育休プラス」の3つがあります。育児休業と産後パパ育休は延長が可能です。

また、休業中は育児休業給付金が支給され、健康保険や厚生年金保険の保険料が免除される制度もあります。このように、日本では育児と仕事を両立しやすくするための支援が整えられています。

「育児休業」と「産後パパ育休」の違い

「育児休業」

原則、子が1歳になるまで取得可能で、「パパママ育休プラス」を利用すれば、父母が交代で取得することで最長1歳2か月まで延長できます。

「産後パパ育休」

出生後8週間以内に最大4週間取得でき、2回に分けて取得可能です。申請は2週間前までに必要で、両制度は併用もできます。

参考:厚生労働省:育児休業制度とは

取得期間・延長条件・分割取得のルール

育児休業は子が1歳まで取得可能ですが、保育所に入れないなどの事情がある場合は、1歳半や2歳まで延長することもできます。分割取得は原則2回までで、それぞれ開始予定日の1か月前までに申出が必要です。

また、産後パパ育休も同様に、最大2回までの分割取得が可能です。こちらは原則として、休業開始予定日の2週間前までに申出が必要です。

ただし、企業と労使協定を結んでいる場合は、1か月前までの申出が必要とされるケースもあります。

参考:厚生労働省:育児休業の取得

育児休業給付金と社会保険料免除

育児休業給付金は、育児休業中の収入減少を補うための制度です。支給率は制度開始当初の40%から徐々に引き上げられ、現在は育休開始から180日までは67%、それ以降は50%が支給されます。

また、育休中は健康保険や厚生年金保険といった社会保険料が免除されます。免除の対象期間は、育休の開始月から終了日の翌日が属する月の前月までです。

なお、2022年10月の法改正により、1か月のうち14日以上育休を取得すれば、その月は保険料が免除されるようになりました。

この免除期間中でも、年金の受給額に影響はなく、保険料を支払った期間として扱われます。

参考:日本年金機構:育児休業等期間中における社会保険料の免除要件

2025年4月施行の改正ポイントまとめ

2025年4月から、子育てと仕事の両立を支援するために、関連する法律が改正されました。これらは段階的に施行されますが、4月から施行された主な内容は以下のとおりです。

  • 子の看護休暇の見直し
  • (対象年齢の拡大、取得事由の追加、継続雇用期間に関する除外規定の撤廃、名称の「子の看護等休暇」への変更)
  • 所定外労働の制限の対象を拡大
  • 育児のためのテレワーク導入に対する努力義務の明確化
  • 短時間勤務制度の代替措置にテレワークを追加
  • 育児休業取得状況の公表義務適用の対象企業を拡大

参照:厚生労働省:育児・介護休業法 改正ポイント

2.外国籍エンジニアが育休を取る前に押さえる法的ポイント

2.外国籍エンジニアが育休を取る前に押さえる法的ポイント

外国人籍エンジニアでも、就労ビザで在留中であれば育休取得は原則可能です。ただし、在留資格の種類と実際の活動内容に矛盾がないか確認することが重要です。

また、年収の減少は永住許可や高度専門職のポイントに影響する可能性がありますが、育休取得は正当な理由として認められることが多く、補足資料の提出によりリスクを軽減できます。

雇用保険加入・就業規則・労使協定を確認する

育児休業給付金を受け取るには、原則として過去2年間のうち12か月以上、雇用保険に加入していたことが条件です。また、会社の就業規則に育児休業制度が定められているかどうかを確認しましょう。

こうした制度が整っていない場合は、社内の担当者に早めに相談し、必要な手続きを進めることが大切です。制度の確認と準備をしっかり行うことで、安心して育休を取得できます。

参照:厚生労働省:育児休業等給付の内容と支給申請手続

ビザ更新・年収要件への影響とリスクヘッジ

産休や育休の期間中は会社からの給与が支払われないため、年収が一時的に減少し、高度専門職のポイント計算や永住申請の年収要件に影響するおそれがあります。

ただし、育休の取得理由や職場復帰予定などを明記した理由書を用意し、申請時に補足資料として提出することが有効な対策です。

参考:出入国在留管理庁:生活・就労ガイドブック

配偶者の就労・扶養控除との関係

家族滞在ビザでは原則として就労は認められていませんが、「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間以内の範囲でパートやアルバイトなどの就労が可能です。

ただし、就労時間や収入額によっては、扶養控除の対象外となったり、扶養者の社会保険から外れることになったりするおそれがあります。

また、一定の収入を超えると、本人に社会保険や住民税の支払い義務が発生する場合もあるため、収入管理や就労条件には十分な注意が必要です。

参考:出入国在留管理庁:家族滞在の在留資格に係る資格外活動許可

3.取得までのステップと必要書類

3.取得までのステップと必要書類

育休をスムーズに取得するには、事前準備と正確な手続きが欠かせません。ここでは、出産前から復職までの流れや必要書類について、時系列でわかりやすく解説します。

理想のタイムライン(出産6か月前〜復職まで)

出産の約6か月前

まず上司に妊娠を口頭で報告し、会社の就業規則に従って産休・育休の申出書を提出します。一般的に、出産予定日の6週間前から産休を取得し、出産の翌日から育休が始まります。

出産後8週間以内

育児休業給付金の初回申請を行います。その後は1〜2か月ごとに継続申請が必要です。復職の1〜2か月前には、職場復帰に向けた面談を受け、同時に保育園の入園手続きも進めましょう。

会社への申出書の書き方・提出先

産休・育休の申出書

会社の就業規則に基づいた指定の様式に記入します。

記載内容に含まれるもの
  • 出産予定日
  • 産休・育休の希望期間
  • 育休の開始日 など

記入後は、まず直属の上司に提出し、承認を得た後に人事部門へ回付するのが一般的です。

提出期限

企業によって異なりますが、育休の場合、原則として休業開始予定日の1か月前までに提出する必要があります。ただし、会社の規定によっては異なる場合もあるため、事前に確認し、指示に従って期限を守って提出しましょう。

参考:厚生労働省:育児・介護休業等に関する規則の規定例

ハローワークでの給付金手続き

育児休業給付金の申請には、会社が作成する「育児休業取得確認書(事業主証明)」、本人の「雇用保険被保険者証」、賃金台帳の写しなどが必要です。申請書類は居住地を管轄するハローワークに提出します。

初回申請は育休開始日から原則2か月以内が期限です。その後は2か月ごとに継続申請が必要となるため、会社と連携してスケジュールを管理しましょう。

育休中にビザを更新する場合の追加書類

ビザ更新を育休中に行う場合、勤務先からの給与が停止または減額されるため、「理由書(休業中であることの説明)」や「育児休業中の給与証明書」が必要になります。

また、会社の在籍証明書や、将来的な復職意志を示す書類も求められる場合があります。更新に必要な情報は出入国在留管理庁の指示に従い、会社と連携して早めに準備を進めましょう。

4.育休中に知っておきたいお金・キャリア・生活設計

4.育休中に知っておきたいお金・キャリア・生活設計

育休中は将来の不安を軽減する準備期間でもあります。ここでは、給付金や保険料免除の知識、スキル維持法、復職プランまで詳しく解説します。

給付金シミュレーションと家計の見直し

育児休業給付金は「賃金日額×支給率」でおおよその金額をシミュレーションできます。これにより、育児や休業期間中の収入減少を具体的に把握できるので、生活費の見直しに役立ちます。

また、為替レートの変動は輸入品やエネルギー価格に影響を与えるため、海外製品を多く利用する家庭では支出への影響も考慮し、家計管理に注意が必要です。

社会保険・税金の優遇/免除

育休を14日以上取得すると、健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。この免除期間も、保険に加入していた期間としてカウントされるため、将来受け取る年金額には影響しません。

また、住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、休業によって所得が減った場合は、翌年の住民税が軽減される可能性があります。

参照:厚生労働省・日本年金機構:育児休業等期間中の社会保険料免除要件

エンジニアとしてのスキル維持方法

スキルのブランクを防ぐためには、オンライン講座を活用して最新の技術を学ぶのが効果的です。また、OSS(オープンソースソフトウェア)プロジェクトに参加することで、実践的な経験を積むことができます。

さらに、社内勉強会や技術コミュニティで他のエンジニアと交流することで、情報を共有しながらモチベーションを保つことができ、学習の継続にもつながります。

時短勤務・テレワーク復帰プラン

育児や介護と仕事を両立しやすくするため、企業にはテレワークの選択権を従業員に与えるよう努力することが法律で求められるようになりました。

これを活用すれば、最初は短時間勤務から始め、少しずつ勤務時間を延ばすことで、無理なくフルタイム勤務に戻ることができます。

例えば、週に数回だけ出社するなど、柔軟な働き方を取り入れることが、スムーズな復帰のポイントです。

参照:厚生労働省:育児・介護休業法 改正ポイント

5.よくある質問(FAQ)とトラブルシューティング

5.よくある質問(FAQ)とトラブルシューティング

ここでは、育休に関して実際によくある悩みとその対処法をケース別に解説します。

「プロジェクト中断は避けられる?」

育休によるプロジェクト中断は、例えば分割して取得することで時期を調整したり、事前にサブリーダーを育てて業務を引き継いでもらったりすることで防げます。

また、業務の一部を外部に依頼することで、納期への影響を最小限に抑える方法も有効です。こうした対応には、早めの相談と準備が重要です。

「フリーランス契約でも制度利用できる?」

フリーランスとして働いている場合、育児休業給付金は受け取れませんが、育児に関する支援制度を利用できる可能性があります。

例えば、国民健康保険に加入していれば、出産育児一時金の支給対象となります。

また、児童手当や子どもの医療費助成など、自治体が提供する支援制度も利用可能です。これらの制度の詳細や申請方法は、居住地の市区町村の窓口で確認することが重要です。

さらに、業務委託先との契約内容によっては、育休の導入や業務の調整について交渉することも検討できます。早めに相談し、必要な手続きを進めることで、育児と仕事の両立がしやすくなります。

参考:厚生労働省:出産育児一時金 子ども家庭庁:児童手当 :都道府県における子ども医療費援助

「年収減で永住・高度専門職ポイントは?」

育休による年収の減少が、永住許可や高度専門職のポイント制度に影響を及ぼす場合、他の加点要素で補うことが可能です。

例えば、日本語能力試験(JLPT)N1の取得や、修士・博士などの学位を取得することで、ポイントを加算できます。これらの資格は、長期的な視点でのスキル証明として有効であり、ポイント維持に役立ちます。

参考:日本語能力試験:認定の目安

育休と有給は併用できるのか?

有給休暇は、勤務が予定されている日に取得できる制度であり、育児休業期間中には取得できません。

ただし、育休開始前や終了後に続けて有給を取得することは可能です。

育休取得を会社が拒否したら?

育休は育児介護休業法で定められた労働者の権利であるため、会社は基本的に拒否できません。取得を拒否された場合は、社内の相談窓口や弁護士、労働局などに相談しましょう。

ただし、有期雇用契約や労使協定で定めがあるなどして、会社が拒否できるケースもあるため、確認が必要です。

参考:厚生労働省:育児介護に関せる労使協定

6.日本で育休を成功させ、エンジニアとして成長を続けるために

6.日本で育休を成功させ、エンジニアとして成長を続けるために

日本の育児休暇制度は外国籍エンジニアにとっても活用可能な充実したサポート体制が整っています。

「育児休業」「産後パパ育休」「パパママ育休プラス」の3制度を理解し、給付金や保険料免除のメリットを最大限活用しましょう。在留資格への影響は理由書の提出でリスク軽減が可能です。

早めの準備と会社との連携により、キャリアを維持しながら安心して子育てと仕事を両立できます。専門家への相談も含め、計画的な育休取得でエンジニアとしての成長を続けていきましょう。

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