日本への移住を検討している外国籍エンジニアにとって、「後悔しないか」という不安は共通の悩みです。
実際のところ、移住経験者の約8割は満足していますが、準備不足や仕事・収入の見通しの甘さが後悔につながるケースも少なくありません。
この記事では、地方移住で起こりやすい失敗パターンから外国籍エンジニア特有のリスク、移住前に取れる具体的な対策まで、データをもとに解説します。
・日本移住で後悔する主な理由と、外国籍エンジニア特有のリスクについて
・移住後も仕事・収入を守るエンジニア向け3つの働き方パターンについて
・後悔を防ぐ移住前の対策と、外国籍でも使える公的支援制度について
1. 日本移住で後悔する人の割合|実態をデータで確認

「後悔しないか不安」という気持ちを持つ前に、まず日本で暮らす外国籍の方の実態をデータで確認しておきましょう。
出入国在留管理庁が18歳以上の中長期在留者等を対象に実施した「令和7年度 在留外国人に対する基礎調査」(有効回答8,874件)では、日本での生活に「満足している」「どちらかといえば満足している」と回答した人は91.0%でした。
一方、「満足していない」「どちらかといえば満足していない」と回答した人は、合わせて7.2%です。
満足していない理由として多かったのは、「物価が高いから」(32.7%)、「給料が安いから」(21.8%)、「外国人に対する差別があるから」(15.3%)の順でした。
また、仕事の困りごとでは「給料が低い」(29.1%)が最も多く、令和2年度の調査開始から一貫して最多となっています。
全体の満足度は高い一方で、物価・収入・差別といった後悔につながりやすい要因も具体的に示されています。これらを事前に把握しておくことが、移住後のギャップを減らす第一歩です。
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日本移住後に収入ギャップで後悔しないためには、日本のエンジニア給与の実態を事前に把握しておくことが重要です。
職種別・経験年数別の平均年収データや年収アップの具体策を知り、移住前のキャリアプランに役立てましょう。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
2. 日本の地方移住で後悔する主な理由5選

移住後の後悔は、主に5つのテーマに分けられます。
外国籍エンジニアにとって特に注意が必要なポイントを中心に解説します。
① 収入・キャリアのギャップ
地域間の賃金格差は、移住後の後悔原因としてよく挙げられます。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、東京都の平均月収が約33.6万〜41.8万円なのに対し、青森県・宮崎県などでは約21.6万〜26.3万円程度で、格差は最大約1.6倍とされています。
家賃は下がっても、収入減がそれを上回るケースも多くあります。
(参照:厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 都道府県別)
エンジニア職の地方求人の現状
IT・エンジニア系の求人は大都市圏に集中しており、地方ではリモートワーク前提の案件でなければ選択肢が大きく減ります。
Job総研の調査では、移住検討者の63.0%がテレワーク前提の働き方を希望しており、仕事の柔軟性が移住の決め手になっています。
② 交通と車の維持費
地方移住経験者の調査で「車がないと生活できない」を後悔の理由として挙げる人は多く、電車・バスに慣れていた方にとって移動のほぼすべてを車に頼る生活は大きなストレスになります。
「一家に一台」ではなく「一人に一台」が必要になるケースも多く、車両購入費・ガソリン代・車検・保険料・スタッドレスタイヤなど、家計への負担が一気に増えます。
③ 地域の人間関係・コミュニティ
都市部に比べて地方では近隣との関係が濃くなります。自治会費・草刈り・消防団・地区の行事など、都市部では経験しなかった「地域の義務」が生まれることがあります。
外国籍エンジニアの場合、言語や文化の違いによる摩擦が加わります。
ゴミ出しのルールや地区の集まりなど、「知らなかった」では済まないトラブルも起きています。
④ 気候・自然環境の厳しさ
日本の気候は地域によって大きく違います。
北日本・山間部では、毎朝の雪かき・プロパンガス代の高騰・室内に入ってくる虫・夏の高温多湿など、想像以上の苦労を感じる方が多くいます。
⑤ 医療・教育環境の制限
地方では夜間救急や小児科・専門外来へのアクセスが遠くなります。
教育面でも塾・進学校・インターナショナルスクールの選択肢は減ります。
子育て中の外国籍エンジニアにとっては、子どもの言語環境(英語・母国語・日本語)を整えにくいことも後悔の原因になりえます。
3. 外国籍エンジニアが日本移住で後悔する理由|日本という国への視点

「地方移住」の後悔とは別に、「日本という国に来たこと自体」への後悔要因もあります。ほかの情報ではあまり触れられていないポイントを整理します。
① 円安による収入の目減り
母国への送金や帰省・生活費の価値は為替レートに直結します。
円安が続く中、日本円での収入を母国通貨に換算すると実際の価値が想定よりも低いと感じる外国籍エンジニアが増えています。
移住前に、為替の変動を見込んだ収入シミュレーションをしておくことが大切です。
② 日本の職場文化へのストレス
日本の職場は、報告・連絡・相談(ほうれんそう)の文化、上下関係、会議の多さなど、多くの国とは異なるルールがあります。
エンジニア職であっても、技術力だけでなく日本語での細かいコミュニケーションや職場の慣習への対応が求められる場面は少なくありません。
技術力を高く評価されて入社したにもかかわらず、職場内の空気やルールへの対応に負担を感じるケースは、制度上の課題としてキャリア支援の現場でも指摘されています。
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日本の職場特有の上下関係や報告・連絡・相談の文化は、外国籍エンジニアにとって戸惑いの原因になりがちです。
職場でのコミュニケーションのコツや日本企業の文化的背景を理解しておくと、移住後のストレスを大きく軽減できます。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
③ 在留資格・ビザ更新のプレッシャー
転職・フリーランス転向・育休取得などのライフイベントが、ビザの種別や更新に影響するケースがあります。
転職のたびに入管への届出が必要になったり、更新の見通しが立てにくくてキャリアプランが組みにくかったりするのは、日本人エンジニアにはない外国籍ならではのプレッシャーです。
最新の手続きは出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。
(参照:出入国在留管理庁 公式サイト)
④ 言語・文化的な孤立感(特に地方)
大都市圏には外国籍住民のコミュニティがありますが、地方では外国籍の方が極めて少なく、母国語で話せる相手が見つからないという孤立感を感じやすくなります。
日本語がN2以上あっても、方言や「空気を読む」文化への対応はまた別の難しさがあり、仕事上のコミュニケーションは問題がなくても、近所付き合いでは壁を感じるという経験をする方も多くいます。
4. エンジニア職に特化した仕事確保の3パターン|移住後悔を防ぐ働き方

移住後の後悔で最も多い原因が「仕事・収入の不安」です。エンジニアの強みを活かした3つの現実的なパターンを紹介します。
パターン① リモート継続型|今の仕事をそのまま続ける
最もリスクが低い方法です。
フルリモートが認められれば、収入・雇用・社会保険を変えずに居住地だけ移せます。ただし、移住後に出社が必要になったことで移住をやめたケースも報告されています。
就業規則レベルで「フルリモートが恒久的に保証されているか」を移住前に確認することが重要です。
現職交渉のポイント
- 就業規則でリモートワークや居住地変更が禁止されていないか確認する
- まず週数日のリモート勤務を提案し、実績を作ってから交渉する
- 外国籍の場合、勤務地の変更が在留資格に影響しないか入管に確認する
パターン② フリーランス転向型|案件を確保してから移住する
フリーランスになることで、居住地を自由に選べます。
ただし、移住前に継続案件を2〜3本以上確保することが必須です。移住と独立を同時に進めると、収入と生活環境が同時に不安定になります。
外国籍フリーランスの注意点
- 「技術・人文知識・国際業務」ビザはフリーランス(個人事業主)での更新が難しいケースがある
- 「高度専門職」「定住者」「永住者」ビザであれば就労制限がなく対応しやすい
- 在留資格の変更・更新は出入国在留管理庁または行政書士への相談を推奨
パターン③ 現地転職型|移住先またはリモート可求人に転職する
移住先の地方都市の企業、またはリモート可能な全国募集の求人を活用するパターンです。外国籍エンジニアが採用されやすいのは以下のような分野です。
- グローバル展開する製造業・自動車関連の開発拠点(愛知・静岡・広島など)
- 自治体DX・地域情報システム関連(地方での外国籍採用ニーズが増加中)
- フルリモート可のWeb系・SaaS系スタートアップ(福岡・仙台・那覇などに集積)
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5. 日本移住の後悔を防ぐ5つの対策
後悔の原因がわかれば、対策は立てられます。
移住前に実行すべきアクションを5つにまとめました。
対策① 移住の目的をはっきりさせる
「なぜ移住するのか」を具体的に言葉にすることが最初のステップです。
自然環境・コスト削減・働き方の変化・家族の事情など、目的によって移住先やタイミングは変わります。
目的があいまいなまま移住すると、「何のためにここにいるのか」という気持ちが後悔につながります。
対策② 仕事・収入を先に確保する
前章の3パターン(リモート継続・フリーランス転向・現地転職)のいずれかを、移住前に決めておくことが最優先です。
エンジニア職はリモートワークとの相性がよく、ほかの職種より仕事を維持したままの移住がしやすいという強みがあります。
対策③ お試し移住・二段階移住を使う
まず現地に1ヶ月以上滞在する「お試し移住」をすることで、後悔のリスクを大きく減らせます。
内閣府「いいかも地方暮らし」では、各自治体のお試し移住事業や空き家バンク制度の情報をまとめています。
また、東京から仙台・福岡・札幌など地方の中核都市を経由する「二段階移住」も有効なアプローチです。
対策④ 地域のルールを事前に確認する
移住候補地の自治会や地区のルール・習慣を、現地訪問や相談会で事前に確認しましょう。
外国籍住民を受け入れているか、外国語サポートがあるかも重要なポイントです。多文化共生に積極的な自治体を選ぶと、トラブルを大きく減らせます。
対策⑤ うまくいかなかったときのプランを決めておく
「合わなかったらどうするか」を移住前に決めておくことは、後ろ向きな考えではありません。
「1〜2年試して、合わなければ戻る」という基準を家族や職場と共有しておくと、気持ちに余裕が生まれます。
出口を決めておくことで、移住を「失敗か成功か」の二択ではなく、柔軟なライフスタイルの選択として捉えられるようになります。
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移住後の転職活動を見据えるなら、日本企業の採用プロセスや面接の流れを把握しておきましょう。
外国籍エンジニア向けに、書類選考から内定後の手続きまで7ステップで丁寧に解説しています。
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6. 外国籍でも使える移住支援制度まとめ|日本移住の後悔を減らす公的サポート

移住への関心は高まっていますが、実際に移住支援制度を利用した人はわずか7%(イエコン調査)にとどまります。
制度の存在を知ることだけでも、移住後悔のリスクを大きく下げることにつながります。外国籍エンジニアでも条件を満たせば利用できる公的支援をまとめました。
移住支援金制度(最大100万円)
東京23区に在住または通勤していた方が地方へ移住し、就業・起業した場合に最大100万円(単身は60万円)が支給される制度です。
外国籍でも在留資格があれば対象になる場合があります。各都道府県の条件は内閣府のポータルサイトで確認できます。
(参照:いいかも地方暮らし 移住支援制度一覧)
LO活(厚生労働省委託 地方就職支援ポータル)
地方への就職・転職・Uターン・Iターンを考えている方向けの公的ポータルサイトです。
地方求人の検索や移住相談会の予約なども利用できます。
(参照:LO活 公式サイト)
自治体の外国籍住民向け相談窓口
総務省は「地域における多文化共生推進プラン」のもと、各自治体に外国籍住民向けの相談窓口整備を進めています。
浜松市・豊田市・新宿区・大阪市など外国籍住民が多い自治体では、多言語対応の窓口や生活サポートが充実しています。
(参照:総務省 多文化共生の推進)
空き家バンク・お試し移住事業
格安または無償で空き家を提供する「空き家バンク」や、数週間〜数ヶ月の滞在を支援する「お試し移住事業」を実施している自治体が多くあります。
外国籍住民の受け入れ実績があるかどうかは、移住相談窓口に問い合わせて確認できます。
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日本での生活費の実態を移住前に把握しておくことも、後悔を防ぐ大切な準備のひとつです。
東京・地方別の家賃・食費・交通費などを外国籍エンジニアの給与相場と合わせて確認できます。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
7. 日本移住で後悔しないための適性チェックリスト
移住前に、自分の性格・価値観・生活スタイルが地方の暮らしに合っているかを確認しましょう。
向いている人の特徴
- 自然の中でのんびり暮らすことに価値を感じる
- 自分からコミュニティに参加し、地域の人と交流することが好き
- リモートワークや個人事業など、場所を選ばない仕事スタイルが整っている
- 車の運転に抵抗がなく、アウトドアやDIYが苦にならない
- 食や農に関心があり、自給自足的な暮らしに憧れがある
- 日本語でのコミュニケーションに自信があり、方言や地域文化に興味がある
向いていない人の特徴
- ショッピングモール・映画館・飲食店など都会の娯楽を頻繁に楽しみたい
- 人間関係の干渉や近所付き合いが強いストレスになる
- 虫・動物・自然環境に強い抵抗感がある
- 専門的な医療や子どもの教育環境(インターナショナルスクールなど)を重視している
- キャリアアップのために都市部の企業や人脈が必要
- 母国語コミュニティとのつながりが精神的な支えになっている
■日本移住後のキャリアを、転職サポートでしっかり固めよう
移住の準備が整ったら、次は転職先選びです。BLOOMTECH Career for Globalは、日本在住の外国籍エンジニアで日本語N2以上の方を対象に、リモート継続・現地転職・フリーランス転向など、あなたの在留資格と状況に合った転職プランを一緒に考えます。キャリアマッチングから内定後のサポートまで、日本語・英語で対応いたします。
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よくある質問
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日本に移住した外国籍の人は、長く住み続けたいと考えていますか?
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出入国在留管理庁の「令和7年度 在留外国人に対する基礎調査」では、今後の日本での滞在希望について「ずっと日本に滞在したい」と回答した人が62.6%で最も多く、「10年程度は日本に滞在したい」が15.6%、「5年程度は日本に滞在したい」が8.1%と続きました。
「1年程度で母国に帰る又は日本以外の国に行きたい」は2.0%です。
多くの人が長期滞在を希望している一方、在留期間は在留資格ごとに定められているため、長く暮らしたい場合は在留資格の更新や変更の要件も早めに確認しておきましょう。
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地方移住後も仕事を失わないためにはどうすればよいですか?
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リモート継続・フリーランス転向・現地転職の3パターンから、自分の状況と在留資格に合った方法を移住前に決めておくことが最も重要です。
とくにリモート継続の場合は、就業規則上でフルリモートが恒久保証されているかを確認しておく必要があります。
エンジニア職はリモートワークとの相性がよく、ほかの職種より移住しやすいという強みがあります。
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移住先として外国籍エンジニアにおすすめの地域は?
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多文化共生に積極的な自治体(浜松市・豊田市・新宿区など)や、ITクラスターが発達している地方都市(福岡市・仙台市・那覇市など)が候補として挙げられます。
自治体の外国籍向けサポート体制・多言語対応窓口の有無・外国籍住民の受け入れ実績を確認した上で比較検討することをお勧めします。
まとめ:日本移住の後悔を防ぐために大切なこと

日本移住後に後悔する割合は決して高くなく、準備をしっかりすれば多くの方が満足できる移住生活を送っています。一方で、準備不足・期待値のズレ・仕事の見通しの甘さが後悔の主な原因です。
外国籍エンジニアには、地方移住の一般的な後悔要因に加え、円安・職場文化・在留資格・孤立感という固有のリスクがあります。
これらを事前に把握した上で、リモートワークの強みを活かした仕事のプランと公的支援制度をうまく組み合わせることが、後悔しない移住の鍵です。