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エンジニアに特定技能は不要|技人国の要件とIT試験特例

「特定技能ビザでエンジニアとして働けるのか?」

日本での就職を考える外国籍エンジニアや、外国籍人材の採用を担当する方からよく寄せられる疑問です。

結論からお伝えすると、プログラマーやシステムエンジニアは特定技能の対象外です。エンジニア職には「技術・人文知識・国際業務(技人国)」という別のビザが必要です。

この記事では、特定技能と技人国の違いを整理し、取得要件・申請書類・国別のIT試験対応状況まで、実際に使える情報をまとめています。

この記事を読んでわかること
  • 特定技能と技人国は目的が異なり、プログラマー・SEは特定技能の対象外である点について
  • 大学を卒業していなくても、IT告示試験(基本情報技術者試験・ITPEC)の合格で技人国ビザを取得できる特例について
  • 国別のITPEC対応状況・申請書類リスト・グレーゾーン事例など、実務に役立つ具体的な情報について

1. 特定技能とエンジニアビザ(技人国)の違い|どちらがエンジニアに必要な在留資格か

1. 特定技能とエンジニアビザ(技人国)の違い|どちらがエンジニアに必要な在留資格か

2つのビザは「何のために作られた制度か」という目的がまったく異なります。そのため、対象となる職種もはっきり分かれています。

特定技能とは

特定技能は、人手が足りない特定の産業分野で、現場の仕事をするためのビザです。2019年4月にスタートし、飲食・建設・農業・製造など16の分野が対象です。

「電気・電子情報関連産業(現:工業製品製造業分野)」という名前に「情報」という言葉が入っているため、「ITエンジニアも特定技能で働けるのでは?」と思われることがあります。

しかし、この分野が対象とするのはプリント基板の製造や電子機器の組み立てといった工場での作業であり、プログラミングやシステム開発は含まれません。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」

技術・人文知識・国際業務(技人国)とは

プログラマーやシステムエンジニア、機械設計の技術者などが日本で働くために必要なビザです。

大学や専門学校で身につけた専門的な知識や技術を仕事で使う人が対象です。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」

特定技能 vs 技人国(エンジニアビザ)比較表

在留期間の上限がなく、家族を呼び寄せることができ、永住権にもつながる技人国は、日本で長く働き続けたいエンジニアにとって有利なビザです。

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エンジニアビザ(技人国)の取得には、就労ビザ全体の制度を正しく理解しておくことが重要です。

在留期間の仕組みから更新手続きまで、外国籍エンジニアが押さえておきたい日本の就労ビザの基本を詳しくまとめています。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

2. 自分の仕事は特定技能?エンジニア(技人国)?業務内容で判定するチェックリスト

2. 自分の仕事は特定技能?エンジニア(技人国)?業務内容で判定するチェックリスト

「エンジニア」という言葉はさまざまな職種をカバーしているため、実際に担当する仕事の内容によって必要なビザが変わります。

以下のリストで、自分の業務がどちらに当てはまるか確認してみてください。

技人国(エンジニアビザ)が必要な業務

以下のいずれかに当てはまる仕事は、原則として技人国の対象です。

  • ☑ プログラミング・ソフトウェア開発・システム設計
  • ☑ Webサイトの開発・構築・保守
  • ☑ インフラ設計・クラウド環境の構築・運用
  • ☑ データ分析・AIモデルの開発・機械学習
  • ☑ 機械・電気・建築の設計・施工管理(上流工程)
  • ☑ ITコンサルタント・プリセールスエンジニア
  • ☑ 品質管理・テスト設計(専門知識が必要なもの)

特定技能の対象となりえる業務

以下のいずれかに当てはまる仕事は、特定技能(工業製品製造業分野など)の対象となりえます。

  • ☑ 工場でのプリント基板の実装・組み立て作業
  • ☑ 電子機器・半導体の製造ライン・検査作業
  • ☑ 建設現場での施工・とび・内装仕上げ作業
  • ☑ 農業・食品製造・介護などの現場業務

判断のポイント:専門知識を「使う」か「使わない」か

判断の基準は「大学や専門学校で学んだ知識を仕事で使っているかどうか」です。

同じ工場で働いていても、生産技術や品質管理の専門職であれば技人国、ラインでの組み立て作業であれば特定技能という区分になります。

注意:技人国ビザで単純作業を続けると入管法上の問題が生じます

技人国ビザを持っていても、製造ラインや倉庫の仕分けなど専門業務と無関係な作業を続けると入管法上の問題が生じるリスクがあります。

業務の範囲は入社前に確認しておくことをおすすめします。

3. 特定技能に代わるエンジニアビザ(技人国)の取得要件|3つのルートとIT試験特例

技人国ビザを取得するには主に3つのルートがあります。

大学卒業が必須に思われがちですが、IT試験の合格で学歴要件そのものが免除される特例もあり、多くのエンジニアにチャンスがある制度です。

■ビザ要件が複雑で不安な方へ|専門家への相談窓口

技人国ビザの取得要件には、学歴・実務経験・IT試験と複数のルートがあり、ご自身の状況に合った方法を判断するのが難しいケースも少なくありません。

BLOOMTECH Career for Globalでは、日本在住の外国籍エンジニアで日本語N2以上の方を対象に、ビザ取得からキャリア形成まで日本語・英語でサポートしています。

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ルート①:大学・専門学校(専門士)の卒業

最もよく使われるルートです。

日本国内外を問わず、大学(4年制)またはITや工学系の日本の専門学校(専門士の称号が必要)を卒業していることが条件です。

専門学校の場合の注意点

海外の2年制大学や職業訓練校は要件を満たさないことがあります。また、学んだ分野と就く仕事に関連性があることも求められます。

ルート②:実務経験10年以上

大学・専門学校を卒業していなくても、申請する業務に関連した実務経験が通算10年以上あれば学歴の代わりになります。

在職証明書など証明できる書類が必要で、審査も厳しくなります。

ルート③:IT告示試験(法務大臣告示)の合格で学歴・職歴を免除

大卒資格も10年の実務経験もなくても、法務大臣が指定したIT試験に合格していれば、学歴と実務経験の両方が免除されます。

学歴よりも技術力で勝負したいエンジニアにとって、大きなチャンスです。

対象となる主な試験

  • 情報処理技術者試験(基本情報技術者試験・応用情報技術者試験など) ※IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施
  • ITPEC試験:アジア各国で実施される、日本の情報処理技術者試験と同等の国際試験

出典:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「試験情報」

3つのルートに共通して必要な要件

  • 日本人と同等以上の給与をもらえること
  • 学んだことや経験と、就く仕事に関連性があること
  • 雇ってくれる会社がきちんと事業を続けている安定した会社であること

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技人国ビザの要件をクリアするためのポイントや、申請時に陥りやすい落とし穴について知っておくと、書類準備がスムーズになります。

申請前に押さえておきたい注意点を具体的に解説した記事も参考にしてください。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。

4. 国別・試験別に確認|外国籍エンジニアのITPEC対応状況とIT告示試験の活用方法

4. 国別・試験別に確認|外国籍エンジニアのITPEC対応状況とIT告示試験の活用方法

IT告示試験の特例があることは知っていても、「自分の国の試験が対象かどうか」まで知っている方は多くありません。

ここでは国別のITPEC対応状況をまとめました。

ITPECとは

ITPECは、日本の情報処理技術者試験(IPA試験)をもとにアジア各国で実施されている共通試験です。

合格すれば日本の基本情報技術者試験・応用情報技術者試験と同等とみなされ、技人国ビザの申請に活用できます。

国別のIT告示試験対応状況

※対象試験や認定状況は変わることがあります。最新情報はIPA公式サイトおよび出入国在留管理庁でご確認ください。

ITPECの対象国以外の方は:日本国内でIPA試験を受験できます

インド・中国・韓国など、ITPECが実施されていない国出身の方でも、日本国内でIPAの試験を受験・合格すれば同じ特例を使えます。

試験は年2回(春・秋)実施されており、外国籍の方も受験できます。

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5. 技人国ビザ申請に必要な書類リスト|企業カテゴリー別に整理

技人国ビザの申請に必要な書類は、就職先の会社の規模や実績によって変わります。

会社は出入国在留管理庁によって「カテゴリー1〜4」に分類されており、数字が小さいほど提出書類が少なくなります。

企業カテゴリーの区分

申請時の主な必要書類(技人国・在留資格認定証明書交付申請の場合)

※上記は代表的な書類の目安です。申請内容によって追加書類が必要になることがあります。正確な書類一覧は必ず出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」の公式ページで確認してください。

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ビザ取得後も、在留期間の更新時には改めて書類を揃える必要があります。

更新申請に必要な書類の全体像を把握しておくと、期限前の準備が焦らずに進められます。

更新手続きの詳細について詳しくはこちらの記事をどうぞ。

6. 特定技能からエンジニアビザ(技人国)への変更は可能か

特定技能1号で日本に在留している方が、エンジニア職に就くために技人国へ変更することは、条件を満たせばできます。

特定技能1号には通算5年という上限があるため、早めに動くのがおすすめです。

変更のための主な条件

  • 技人国ビザの学歴・職歴・IT試験のいずれかの要件を満たしていること
  • 就く予定の仕事が技人国の対象(専門的・技術的な業務)であること
  • 就職先が日本人と同等以上の給与を払う安定した会社であること

特定技能1号のままでいるデメリット

特定技能1号は在留期間が通算最長5年に制限されており、永住権の申請に必要な在留期間としてカウントされません。

家族を日本に呼び寄せることも原則できません。日本でエンジニアとして長く働くことを考えているなら、早めに技人国への変更を検討しましょう。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領

変更申請の流れ

在留資格の変更申請は出入国在留管理庁に行います。

審査には通常1〜3か月かかります。必要書類の一覧は出入国在留管理庁の公式ページで確認できます。

■在留資格の変更を検討している方へ|転職サポートも合わせてご相談を

特定技能から技人国への変更は、就職先の確保と要件確認を同時に進める必要があります。

日本在住の外国籍エンジニアで日本語N2以上の方であれば、在留資格の変更タイミングに合わせたIT系求人のご紹介も可能です。

まずはお気軽にご相談ください。

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7. よくある誤解とグレーゾーン事例|エンジニアの特定技能・技人国の実務判断

7. よくある誤解とグレーゾーン事例|エンジニアの特定技能・技人国の実務判断

制度の線引きは明確に見えても、実際の現場では「これはどちら?」と迷うケースがよくあります。よくある誤解とグレーゾーン事例を整理します。

よくある誤解

誤解①「工業製品製造業の特定技能でITエンジニアを雇える」

→ 誤りです。
この分野が対象とするのは電子機器の組み立て・検査など工場内の製造作業です。プログラミングやシステム開発は含まれません。ITエンジニアの採用には技人国が必要です。

誤解②「技人国ビザがあれば、会社から頼まれた現場作業も手伝える」

→ 継続的な従事は認められません。
製造ラインや倉庫作業などへの継続的な従事は入管法上の問題が生じるリスクがあります。どんな仕事をするか、入社前に会社と確認しておきましょう。

判断が難しいグレーゾーン事例

グレーゾーン①「技人国ビザで副業・フリーランスのWeb制作はできるか」

技人国ビザは原則として特定の雇用先での就労が前提です。

副業やフリーランス活動は、収入規模・業務内容・本業との関係によって判断が変わります。資格外活動許可が必要になる場合があります。

事前に出入国在留管理庁または行政書士へ確認することをおすすめします。

グレーゾーン②「設備保全・機械メンテナンスの技術者は特定技能と技人国どちらか」

業務内容によって判断が分かれます。

マニュアルに沿った定型的な点検・交換作業は特定技能の対象になりえます。一方、機械工学の知識を使った設計変更や技術的な判断を伴うメンテナンスは技人国が適切です。

どんな仕事をしているかを整理したうえで、出入国在留管理庁または行政書士に相談することをおすすめします。

グレーゾーン③「転職する場合、技人国ビザの手続きは必要か」

技人国ビザは特定の会社への許可ではなく、職種に対して付与されます。

転職の際は、新しい職場での仕事が引き続き技人国の対象か確認しましょう。「就労資格証明書」の取得と、出入国在留管理庁への契約機関変更の届出(14日以内)も必要です。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」

▼あわせて読みたい

転職時の在留資格の扱いは、手順を間違えると法的リスクになります。

在留資格を維持したまま転職を成功させるための具体的な手順と注意点を、外国籍エンジニア向けにわかりやすく解説しています。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

8. 外国籍エンジニアにとって日本市場はチャンスか|就労データから読み取る現状

8. 外国籍エンジニアにとって日本市場はチャンスか|就労データから読み取る現状

制度を理解したうえで、今の日本市場が外国籍エンジニアにとってどんな状況かも確認しておきましょう。

データが示す現実は、むしろポジティブです。

IT人材は2030年に最大79万人不足する見通し

経済産業省の調査では、2030年に国内のIT人材が最大で約79万人不足すると推計されています。

この人材不足が、外国籍エンジニアへの採用ニーズを年々押し上げています。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」

IT業界で働く海外人材の約9割が技人国(エンジニアビザ)

ヒューマンリソシアの調査(2025年)では、情報通信業で働く海外人材が約9.1万人に達し、そのうち約9割が技人国ビザで就労していると示されています。

2030年に最大79万人の不足が見込まれる一方、すでにIT業界で働く海外人材の約9割が技人国ビザを活用しているという事実は、外国籍エンジニアの受け入れが将来の対策ではなく、日本企業がいまリアルに動いている選択肢であることを示しています。

出典:ヒューマンリソシア「IT業界で働く海外人材動向調査」(2025年)

在留上限なし・家族帯同可・永住権へのルートあり

厚生労働省の統計では、日本で働く外国人労働者はすでに200万人を超えています。

技人国ビザのエンジニアは、更新を続ける限り何年でも日本に在留でき、家族も呼び寄せられ、永住権への道も開かれています。日本で腰を据えてキャリアを作りたい方に向いているビザです。

出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」

よくある質問

特定技能でプログラミングやWeb制作の仕事はできますか?

いいえ、できません。

プログラミングやWeb制作・システム開発は技人国の対象業務です。特定技能のまま従事することは入管法上の問題が生じます。

大学を卒業していなくても技人国ビザは取れますか?

はい、条件次第で可能です。

実務経験10年以上か、基本情報技術者試験・ITPECなどの法務大臣告示IT試験の合格で学歴要件が免除されます。

特定技能1号の5年が終わったらどうなりますか?

特定技能2号への移行(対象分野のみ)か、別の在留資格への変更が必要です。

技人国の要件を満たした就職先があれば、技人国への変更を申請できます。

転職する場合に特別な手続きはありますか?

はい、あります。転職後14日以内に出入国在留管理庁へ「契約機関の変更」を届け出る必要があります。

新しい仕事が技人国の対象か確認するために「就労資格証明書」の取得も検討しましょう。

日本語能力がN2程度でも、技人国ビザの申請は問題ありませんか?

技人国ビザの取得に日本語試験(JLPT)の合格は必須ではありません。

ただし、仕事の内容によっては採用選考で日本語力を問われることがあります。

特定技能がN4/A2相当の合格を求めるのに対し、技人国には日本語の法定要件はありません。

まとめ|エンジニアとして日本で働くなら技人国ビザが基本

まとめ|エンジニアとして日本で働くなら技人国ビザが基本

「特定技能 エンジニア」に関する重要なポイントを整理します。

  • プログラマー・SEなどのITエンジニアは特定技能の対象外。「技術・人文知識・国際業務(技人国)」のビザが必要。
  • 技人国の取得要件は「大卒以上」「専門学校(専門士)卒」「実務10年以上」、またはIT告示試験(基本情報技術者試験・ITPEC)合格による特例免除のいずれか。
  • ベトナム・インドネシア・フィリピン・タイ・ミャンマー・モンゴル・バングラデシュはITPEC対象国。それ以外の国出身の方はIPA試験を日本国内で受験できる。
  • 技人国は在留上限なし・家族帯同可・永住権への道あり。日本で長く働き続けたいエンジニアに最も向いているビザ。
  • 特定技能1号から技人国への変更は要件を満たせば可能。早めの検討をおすすめする。

日本のIT人材不足を背景に、外国籍エンジニアへの需要は今後もさらに広がっていきます。

まずは自分のビザの状況を整理するところから始めてみてください。

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