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システムエンジニアの履歴書|受かる志望動機・自己PRの5ステップと例文15選

システムエンジニアへの転職・就職を目指す際、履歴書の作成は避けて通れない重要なステップです。

しかし、「志望動機に何を書けば評価されるのか」「自己PRでどのようにアピールすれば良いのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、採用担当者の視点を踏まえた履歴書作成の実践的ノウハウを解説します。

システムエンジニアに求められる資質、内定に直結する志望動機・自己PRの書き方を5ステップで紹介し、未経験者・経験者別の例文15選を掲載しています。

この記事を読んでわかること
  • システムエンジニアの履歴書で採用担当者が重視する項目と書類選考通過のポイント
  • 志望動機・自己PRの書き方5ステップと未経験者・経験者別の例文15選
  • 履歴書作成でよくある失敗と提出前チェックリスト15項目

1. システムエンジニアの履歴書が採用を左右する3つの理由

1. システムエンジニアの履歴書が採用を左右する3つの理由

システムエンジニアの採用選考において、履歴書は最初の関門となる重要書類です。

採用担当者は限られた時間の中で多数の応募書類を確認するため、履歴書の質が書類選考通過の可否を大きく左右します。

履歴書と職務経歴書の役割分担を理解する

システムエンジニアの転職活動では、履歴書と職務経歴書の両方を提出するケースが一般的です。この2つの書類は、それぞれ異なる役割を持っています。

履歴書

応募者の人柄・熱意・基本情報を伝える書類です。

学歴や職歴といった事実情報に加え、志望動機や自己PRを通じて「なぜこの企業で働きたいのか」「どのような人間性を持っているのか」を採用担当者に印象付ける役割があります。

職務経歴書

技術スキル・実績を詳細に示す書類です。

これまで携わったプロジェクトの内容、使用した技術スタック、具体的な成果を網羅的に記載し、応募者の専門性を証明します。

両者の戦略的な使い分けが書類選考通過の鍵となります。

履歴書では簡潔に要点を伝え、詳細な技術情報は職務経歴書に委ねることで、読みやすく説得力のある応募書類セットを作成できます。

採用担当者が履歴書で最初にチェックする4項目

採用担当者は履歴書を受け取った際、以下の4項目を優先的に確認します。

基本情報の正確性

氏名、生年月日、住所、連絡先といった基本情報に誤りがないかを確認します。

特に連絡先の記載ミスは、面接の日程調整ができないといった致命的な問題につながるため、細心の注意が必要です。

志望動機の具体性

「なぜこの企業を選んだのか」が明確に記述されているかを重視します。企業研究に基づいた具体的な志望動機は、応募者の本気度を示す重要な指標となります。

自己PRの簡潔性

限られたスペースの中で、自分の強みを端的に伝えられているかを評価します。冗長な文章は読み手の負担となり、印象を損ねる可能性があります。

形式面の丁寧さ

誤字脱字、西暦・和暦の統一、写真の適切さなど、形式面での丁寧さは応募者の仕事に対する姿勢を反映します。細部への配慮が行き届いた履歴書は、高い評価を得やすくなります。

IT人材市場で求められるSE(システムエンジニア)像とは

近年、企業におけるITエンジニア職の重要性は飛躍的に高まっています。

日本の人事部が実施した調査によると、企業の9割以上がITエンジニア職の重要性が高いと回答しています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が経営課題となる中、システムエンジニアは企業の競争力を左右する存在として位置付けられています。

(出典:企業の転職意識ギャップ調査 第5回「ITエンジニア職」- 日本の人事部『プロネット』

また、IPA(情報処理推進機構)が発行する「IT人材白書2020」では、システムエンジニアの職務範囲は要件定義から設計、テスト、運用保守まで多岐にわたり、企業の業務課題を技術で解決する役割が期待されていると定義されています。

市場需要は引き続き高い水準で推移しており、優秀な人材の獲得競争は激化しています。

(出典:IT人材白書2020 – IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

さらに、レバテックが公開した「IT人材白書2024」によれば、企業で働くIT人材の約3人に1人が転職を検討中という調査結果が示されており、SEの流動性の高さと転職市場の活発さが裏付けられています。

(出典:「レバテックIT人材白書2024」を公開

2. 採用に直結するシステムエンジニアに必須の4つの資質

SE採用必須の4つの資質

裏返す(タップ/ホバー)と具体的なアピール方法がわかります。

① 顧客課題の
正確な把握力

【履歴書でのアピール方法】

  • 顧客折衝や**チーム調整**の具体的なエピソード。
  • **非技術者**に技術内容をわかりやすく説明した経験。
  • 未経験の場合、営業/接客での**ニーズ引き出し**経験。

例: 「顧客の意見を調整し、予算内で要件を達成した。」

② 論理的
問題解決能力

【問題解決能力の証明】

  • **課題→分析→解決策→結果**の流れで記述。
  • 具体的な**数値**を用いて成果の説得力を高める。
  • **ボトルネック**を発見し、業務フローを改善した経験。

例: 「自動化により、処理時間を30%削減した。」

③ 継続的な
学習意欲と証明

【学習意欲のアピール】

  • **国家/ベンダー資格**の取得・学習状況を明記。
  • **独学**で習得した言語や技術を具体的に記述。
  • **ポータブルスキル**と学習姿勢を強調する(未経験者)。

例: 「AWS認定資格に向けて、現在クラウド技術を学習中。」

④ プロジェクト
推進の協調性

【協調性・調整能力の証明】

  • **チームでの役割**と連携方法を明確化。
  • **ステークホルダー間**の意見を調整した経験。
  • 情報共有を徹底し、プロジェクト完遂に貢献した事例。

例: 「チーム内の情報共有を徹底し、期日内に完遂した。」

システムエンジニアの採用選考では、技術スキルだけでなく、職務を円滑に遂行するための資質が重視されます。

履歴書の志望動機や自己PRでこれらの資質を効果的にアピールすることが、内定獲得への近道となります。

顧客課題を正確に把握するコミュニケーション能力

システムエンジニアの業務において、コミュニケーション能力は技術力と同等、あるいはそれ以上に重要です。

要件定義フェーズでの重要性

システム開発の上流工程である要件定義では、顧客やユーザーの課題をヒアリングし、それを技術的な仕様(システム設計)に落とし込む必要があります。

顧客が抱える問題を正確に理解できなければ、適切なシステムを構築することはできません。

技術を非技術者に説明する力

システムエンジニアは、技術的な内容を経営層や業務部門の担当者といった非技術者に分かりやすく説明する場面が多くあります。

専門用語を避け、相手の理解度に合わせた説明ができる能力は、プロジェクトの成功に直結します。

履歴書でのアピール方法

志望動機や自己PRでは、過去の業務経験の中で顧客折衝やチーム内での調整を行った具体的なエピソードを記載することで、コミュニケーション能力を証明できます。

未経験者の場合は、営業職や接客業での経験を「顧客のニーズを引き出し、最適な提案を行った」という形で表現することが効果的です。

要件定義を支える論理的思考力

システム設計における論理性の必要性

システムエンジニアは、複雑な業務プロセスを分析し、それを効率的なシステムとして設計する必要があります。

この過程では、問題を構造化し、原因と結果の関係を論理的に整理する思考力が不可欠です。

問題解決能力の証明方法

履歴書では、「課題→分析→解決策の立案→実行→結果」という流れで具体的なエピソードを記述することで、論理的思考力をアピールできます。

数値を用いた成果の提示は、説得力を高める有効な手段です。

具体的なエピソードの作り方

例えば、「業務フローの非効率性を発見し、ボトルネックを分析した結果、〇〇の工程を自動化することで処理時間を30%削減した」といった記述は、論理的な問題解決能力を明確に示します。

技術トレンドに対応する継続的な学習意欲

IT業界の変化の速さ

IT業界は技術革新のスピードが極めて速く、数年前の知識が陳腐化することも珍しくありません。

クラウド技術、AI、コンテナ技術など、新しい技術が次々と登場する環境において、継続的な学習は必須です。

資格取得・自己学習の重要性

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験といった国家資格、AWS認定やOracle認定などのベンダー資格は、体系的な知識習得の証明となります。

また、オンライン学習プラットフォームやプログラミングスクールでの自己学習も、向上心の表れとして評価されます。

未経験者が示すべきポテンシャル

未経験者の場合、実務経験がない分、「独学でプログラミング言語を習得した」「資格取得に向けて学習中」といった自己学習の姿勢を強調することで、ポテンシャルをアピールできます。

学習内容を具体的に記述することで、本気度が伝わります。

プロジェクト推進に必要な協調性

チーム開発での役割

システム開発は、開発者、デザイナー、テスター、プロジェクトマネージャーなど、多様な職種のメンバーが協力して進めるチーム作業です。

自分の担当範囲だけでなく、プロジェクト全体の進捗を意識し、メンバーと連携しながら業務を進める協調性が求められます。

ステークホルダーとの調整能力

システムエンジニアは、開発チーム内だけでなく、顧客や社内の関連部署といった様々なステークホルダーと調整を行う必要があります。

異なる立場の関係者の意見を調整し、プロジェクトを円滑に進める能力は、高く評価されます。

履歴書では、「チームでの役割分担を明確にし、メンバー間の情報共有を徹底することでプロジェクトを期日内に完遂した」といった記述で、協調性を具体的に示すことができます。

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3. システムエンジニアの履歴書基本項目の正しい書き方

3. システムエンジニアの履歴書基本項目の正しい書き方

履歴書の基本項目は、正確かつ丁寧に記入することが求められます。

形式面でのミスは、応募者の注意力や仕事への姿勢を疑われる原因となるため、細心の注意を払う必要があります。

基本情報欄の記入ルールと注意点

氏名・連絡先の記載方法

ふりがなの正確性

ふりがなは、履歴書のフォーマットに「ふりがな」と記載されている場合はひらがなで、「フリガナ」と記載されている場合はカタカナで記入します。氏名は戸籍上の正式な表記で記載します。

連絡の取りやすい電話番号・メールアドレス

連絡先には、確実に連絡が取れる電話番号とメールアドレスを記載します。

携帯電話番号は必須です。メールアドレスは、プライベート用のアドレスを使用し、現職の企業アドレスは避けます。また、不適切な文字列を含むアドレスは避け、シンプルで読みやすいものを選びます。

写真選びで失敗しないポイント

3ヶ月以内の証明写真

履歴書に貼付する写真は、撮影から3ヶ月以内のものを使用します。

スピード写真でも問題ありませんが、写真館で撮影したものの方が、より良い印象を与えられる傾向があります。

服装・表情の基準

服装はスーツが基本で、清潔感のある身だしなみを心がけます。

表情は自然な笑顔または真剣な表情とし、過度にカジュアルな印象を与えないよう注意します。背景は無地の白または淡い色が適切です。

学歴・職歴欄の戦略的な記入術

学歴の書き方(情報系学部の強調方法)

高校卒業から記載

学歴は、高校卒業から記載するのが一般的です。大学・専門学校では、学部・学科名を正確に記入します。

専攻分野の明記

情報系学部やコンピュータサイエンス専攻など、システムエンジニアと関連性の高い専攻の場合は、専攻分野を明記することで専門性をアピールできます。

例:「〇〇大学 工学部 情報工学科 卒業」

職歴の書き方(SE業務を明確にする)

所属部署とプロジェクト名

職歴は、入社・退職の年月を正確に記載します。

所属部署とプロジェクト名を簡潔に記述し、「システムエンジニアとして要件定義から設計までを担当」といった形で、自身の役割を明示します。

簡潔な業務内容(詳細は職務経歴書へ)

詳細な業務内容やプロジェクトの規模、使用技術などは職務経歴書で詳述するため、履歴書では簡潔にとどめます。

退職理由の記載は不要

退職理由を履歴書に記載する必要はありません。面接で質問された際に説明できるよう準備しておけば十分です。

現在在職中の場合は、最終行に「現在に至る」と記載し、職歴の最後には「以上」と記入します。

免許・資格欄で差をつける書き方

記載すべきIT系資格一覧

システムエンジニアの履歴書では、以下のIT系資格が特に評価されます。

基本情報技術者試験

SEとしての基礎的な知識・技能の証明となります。

応用情報技術者試験

より高度な技術力の証明となります。

ITパスポート

IT基礎知識の証明となります。

ベンダー資格(AWS、Oracle等)

AWS認定(ソリューションアーキテクト、デベロッパーなど)、Oracle認定Javaプログラマ、Microsoft認定資格(Azure関連など)、CCNA(Ciscoネットワーク技術者認定)など、実務に直結するベンダー資格も高く評価されます。

資格は取得年月とともに正式名称で記載します。略称ではなく、「基本情報技術者試験 合格」のように正確に記入します。

学習中の資格・スキルのアピール方法

「取得予定」の書き方

現在取得に向けて学習中の資格がある場合、「〇〇資格 取得に向けて学習中(〇年〇月受験予定)」と記載することで、向上心をアピールできます。

ただし、具体的な学習計画がある場合にのみ記載し、単なる願望を書くことは避けます。

自己学習の姿勢を示す表現

プログラミング言語やフレームワークの学習状況についても、「Python、Javaを独学で習得し、個人プロジェクトで実践中」といった形で自己PR欄や備考欄に記載することで、実践的なスキルの習得意欲を示せます。

4. 【経験別例文付き】内定に直結する志望動機の書き方5ステップ

4. 【経験別例文付き】内定に直結する志望動機の書き方5ステップ

志望動機は、履歴書の中で最も重要な項目の一つです。

採用担当者は志望動機を通じて、応募者の本気度や企業との適合性を判断します。

ステップ1:結論ファーストで志望理由を簡潔に述べる

志望動機は結論から始めることが鉄則です。最初の1〜2文で「なぜこの企業を志望するのか」を明確に示します。

結論ファーストの型

  • 「貴社を志望する理由は、〇〇という事業領域で△△の技術を活かし、社会課題の解決に貢献したいと考えたためです」
  • 「貴社の〇〇というビジョンに共感し、システムエンジニアとして××の実現に携わりたく応募いたしました」

冒頭で結論を述べることで、採用担当者は応募者の意図を即座に理解でき、その後の説明を文脈に沿って読み進めることができます。

ステップ2:なぜその企業なのかを具体的に説明する

企業研究に基づく具体性が、志望動機の説得力を決定します。「御社の事業に魅力を感じました」といった抽象的な表現では、採用担当者の心に響きません。

具体性を高めるポイント

  • 企業の事業内容や提供サービスを具体的に言及する
  • 競合他社との差別化ポイント(技術力、企業文化、サービスの独自性)を示す
  • 企業のニュースリリースや技術ブログの内容に触れる

例:「貴社が開発する〇〇システムは、△△業界において□□という課題を解決しており、その技術力の高さに強く魅力を感じました」

ステップ3:自分のスキル・経験との接点を示す

応募者が企業に対して何を提供できるのかを明確にします。保有するスキルや過去の経験が、志望企業の業務でどのように活かせるかを具体的に説明します。

スキルと企業ニーズの接続例

  • 経験者:「前職で培った〇〇の開発経験を活かし、貴社の△△プロジェクトに貢献できると考えています」
  • 未経験者:「営業職で培ったヒアリング力は、要件定義フェーズでの顧客折衝に活かせると確信しています」

ステップ4:入社後の貢献と成長ビジョンを伝える

入社後にどのような貢献をしたいのか、どのように成長したいのかという将来ビジョンを示すことで、応募者の意欲と計画性を伝えられます。

貢献と成長の表現例

  • 「入社後は、〇〇の技術を深めながら、△△のプロジェクトでチームに貢献し、将来的には□□の領域でも活躍できる人材を目指します」
  • 「貴社で経験を積み、3年後にはプロジェクトリーダーとして、開発チームを牽引できる存在になりたいと考えています」

ステップ5:熱意と締めの言葉で印象を強化する

志望動機の最後は、熱意を込めた前向きな締めくくりで印象を強化します。

例:「貴社の一員として、技術力と顧客志向を兼ね備えたシステムエンジニアとして成長したいと強く願っております」

【経験者向け例文】システム開発経験を活かした志望動機

例文1:大規模システム開発経験者(金融系→Webサービス)

「貴社を志望する理由は、ユーザー視点のWebサービス開発を通じて、より多くの人々の生活を豊かにするシステムを構築したいと考えたためです。前職では銀行の基幹系システム開発に携わり、要件定義から保守まで一貫した開発経験を積みました。特に、複雑な業務要件を整理し、堅牢なシステムとして実装する過程で、論理的思考力と品質管理のスキルを身につけました。

貴社が提供する〇〇サービスは、△△という社会課題の解決に直結しており、その事業ビジョンに強く共感しました。金融系で培った高品質なシステム開発の経験を活かし、貴社のサービスの信頼性向上に貢献したいと考えております」(300字)

例文2:インフラエンジニアからの職種転換

「貴社のシステムエンジニア職を志望する理由は、インフラ設計・構築の経験を活かしながら、上流工程から関わるシステム開発に挑戦したいと考えたためです。前職ではインフラエンジニアとして、オンプレミス環境からクラウドへの移行プロジェクトを主導し、AWSを活用した高可用性システムの構築を実現しました。

この経験を通じて、システム全体のアーキテクチャを俯瞰する視点を獲得しました。貴社が注力する〇〇領域のシステム開発では、インフラとアプリケーションの両面を理解したエンジニアが求められると考えており、私の経験が貴社のプロジェクト推進に貢献できると確信しています」(280字)

例文3:市場価値の向上を目的とした転職

レバテックの調査によれば、エンジニアが転職を決めた理由の第1位は「収入アップのため」であり、エンジニアの転職市場において現実的かつ正当な動機です。

(出典:エンジニアが転職を決めた理由、第1位は「収入アップのため」

「貴社を志望する理由は、自身の技術力を正当に評価していただける環境で、さらなる成長とキャリアアップを実現したいと考えたためです。現職では中小規模のシステム開発を担当し、要件定義から運用保守まで幅広い経験を積みました。しかし、より大規模で社会的インパクトの大きいプロジェクトに挑戦したいという思いが強まり、転職を決意しました。

貴社の〇〇事業は業界トップクラスのシェアを誇り、最先端技術を活用したシステム開発に携われる環境であると認識しています。これまでの経験を活かしつつ、貴社で新たな技術領域にも挑戦し、エンジニアとして市場価値を高めたいと考えております」(300字)

【未経験者向け例文】ポテンシャルを示す志望動機

例文4:営業職からのキャリアチェンジ

「貴社のシステムエンジニア職を志望する理由は、営業職で培った顧客折衝力を活かしながら、技術で課題を解決するエンジニアとして新たなキャリアを築きたいと考えたためです。前職では法人営業として、顧客の課題をヒアリングし、最適なソリューションを提案する業務に従事しました。この経験を通じて、顧客の真のニーズを引き出すコミュニケーション能力を身につけました。

現在はプログラミングスクールでJavaとSQLを学習中であり、基本情報技術者試験の取得も目指しています。貴社が重視する顧客志向のシステム開発において、営業経験とこれから習得する技術力を組み合わせ、顧客の要望を的確に形にできるエンジニアを目指します」(300字)

例文5:独学でのプログラミング学習をアピール

「貴社を志望する理由は、独学で身につけたプログラミングスキルを実務で活かし、社会に価値を提供するシステムを開発したいと考えたためです。大学では文系学部に在籍していましたが、ITの可能性に魅力を感じ、1年前からPythonとWebフレームワークのDjangoを独学で学習してきました。現在は個人プロジェクトとして、タスク管理アプリケーションを開発中です。

貴社の〇〇サービスは、△△という明確なビジョンのもとで開発されており、その事業に携わることで、自身の成長と社会貢献を両立できると考えました。未経験ではありますが、自走力と学習意欲には自信があり、貴社の開発チームで早期に戦力となるよう努力します」(290字)

例文6:情報系学部新卒

「貴社を志望する理由は、大学で学んだ情報工学の知識を実務で活かし、ユーザーに価値を届けるシステム開発に携わりたいと考えたためです。大学では、データベース設計やアルゴリズム、ネットワーク技術を学び、卒業研究では機械学習を活用した〇〇システムを開発しました。

貴社が提供する△△サービスは、最新技術を積極的に取り入れながらも、ユーザーの使いやすさを重視した設計がなされており、その姿勢に強く共感しました。新卒として技術力はまだ未熟ですが、学び続ける姿勢と、チームに貢献したいという強い意欲を持っています。貴社で実務経験を積みながら、将来的にはシステム設計全体を担えるエンジニアへと成長したいと考えています」(310字)

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5. 採用担当者の心に響く自己PR欄の書き方

5. 採用担当者の心に響く自己PR欄の書き方

自己PR欄は、応募者の強みや人間性を直接アピールできる重要な項目です。

限られたスペースの中で、採用担当者に強い印象を与えるためには、戦略的な構成と簡潔な表現が求められます。

自己PRと職務経歴書の差別化戦略

履歴書の自己PRと職務経歴書の自己PR欄は、異なる役割を持ちます。

履歴書の自己PR

  • 応募企業に特化した1点集中型のアピール
  • 人間性や熱意といった感情的な要素を含める
  • 文字数は200〜300字程度に収める

職務経歴書の自己PR

  • 網羅的なスキル・実績の提示
  • 技術スタックやプロジェクト詳細を含める
  • より詳細な記述が可能

履歴書では、応募企業が求める人物像に最も合致する強みを一つに絞り、簡潔に伝えることが重要です。

全てのスキルを列挙するのではなく、「この企業で最も活かせる強み」を戦略的に選択します。

結論・エピソード・結果の3部構成で説得力を高める

説得力のある自己PRは、以下の3部構成で作成します。

結論:強みを1文で断言する

自己PRの冒頭で、自分の強みを明確に宣言します。

  • 例:「私の強みは、複雑な課題を論理的に分析し、最適な解決策を導き出す問題解決能力です」

エピソード:具体的な裏付けを示す

強みを証明する具体的なエピソードを記述します。「いつ、どのような状況で、何をしたのか」を明確にします。

  • 例:「前職では、業務システムの処理速度低下という課題に直面しました。原因を特定するため、ログ解析とボトルネック調査を実施し、データベースのインデックス設定に問題があることを突き止めました」

結果:成果を数値で表現する

エピソードの結果として得られた成果を、可能な限り数値で示します。定量的な成果は説得力を大きく高めます。

  • 例:「インデックスの最適化を実施した結果、処理速度を従来比40%改善し、ユーザーからの問い合わせ件数を月間50件から10件に削減しました」

【経験者向け】技術力と実績をアピールする自己PR例文

例文7:大規模プロジェクトのリーダー経験

「私の強みは、チームをまとめ、プロジェクトを成功に導くリーダーシップです。前職では、20名規模の開発チームのリーダーとして、ECサイトのリニューアルプロジェクトを統括しました。メンバーのスキルや適性を見極めて役割分担を行い、週次の進捗確認と課題解決を徹底することで、プロジェクトの品質とスケジュールを管理しました。

その結果、当初の納期を遵守しながら、顧客満足度95%という高評価を獲得しました。貴社でも、技術力とマネジメント力を活かし、プロジェクトの成功に貢献したいと考えています」(250字)

例文8:業務効率化の実績

「私の強みは、業務プロセスを分析し、効率化を実現する改善力です。前職では、手作業で行っていたデータ集計業務の非効率性に着目し、Pythonを用いた自動化ツールを開発しました。要件定義から実装、テスト、導入まで一貫して担当し、ユーザーからのフィードバックをもとに継続的に改善を重ねました。

その結果、月間40時間かかっていた作業を5時間に短縮し、人的ミスもゼロになりました。貴社でも、業務効率化と品質向上の両立に貢献したいと考えています」(230字)

例文9:新技術導入の推進経験

「私の強みは、新しい技術を積極的に習得し、実務に適用する実行力です。前職では、レガシーシステムのクラウド移行プロジェクトにおいて、AWSの導入を提案・推進しました。社内に知見がない状況でしたが、AWS認定資格を取得し、検証環境を構築して移行計画を立案しました。

移行後は、インフラコストを月間30%削減し、システムの可用性も向上させました。貴社でも、最新技術のキャッチアップと実践を通じて、事業成長に貢献したいと考えています」(240字)

【未経験者向け】ポテンシャルと人間性を示す自己PR例文

例文10:問題解決能力のアピール

「私の強みは、課題の本質を見極め、解決策を実行する問題解決能力です。前職の営業職では、顧客からのクレーム対応を担当していました。クレームの原因を分析したところ、社内の情報共有不足が根本原因であることが判明しました。そこで、顧客情報を一元管理するExcelツールを独学で作成し、チーム内で共有しました。

その結果、クレーム件数を3ヶ月で半減させることができました。現在はプログラミングスクールでJavaを学習中であり、この問題解決力を技術面でも発揮したいと考えています」(250字)

例文11:学習意欲と成長性の強調

「私の強みは、目標に向かって継続的に学習を続ける向上心です。文系出身でIT知識はゼロでしたが、プログラミングの可能性に魅力を感じ、1年前から独学でPythonを学習してきました。オンライン教材や技術書を活用し、毎日2時間の学習を継続した結果、Webアプリケーションの基本的な開発ができるまでに成長しました。

現在は個人プロジェクトとして、家計簿アプリを開発中です。実務経験はありませんが、自ら学び、実践する姿勢を武器に、貴社で即戦力を目指します」(240字)

例文12:チームワークと協調性

「私の強みは、周囲と協力しながら目標を達成する協調性です。前職の販売職では、店舗の売上目標達成に向けて、スタッフ間の連携強化に取り組みました。毎朝のミーティングで情報共有を徹底し、お客様のニーズや在庫状況をチーム全体で把握できる体制を整えました。

また、新人スタッフの教育も積極的に担当し、早期戦力化をサポートしました。その結果、店舗の売上は前年比120%を達成しました。システム開発もチームでの協働が不可欠であり、この協調性を活かして貴社のプロジェクトに貢献したいと考えています」(260字)

6. 本人希望欄・自由記述欄の戦略的活用法

履歴書の本人希望欄や自由記述欄は、使い方次第で印象を大きく左右します。適切に活用することで、採用担当者に誠実さや配慮を示すことができます。

本人希望欄に書くべき内容と書くべきでない内容

記載推奨項目

本人希望欄には、以下のような実務上必要な情報を記載します。

勤務地の希望(正当な理由がある場合)

配偶者の転勤や介護など、正当な理由がある場合のみ記載します。

  • 例:「勤務地は東京都内を希望いたします(家族の介護のため)」
勤務開始可能日

現職の退職時期が決まっている場合に記載します。

  • 例:「〇年〇月〇日より勤務可能です」
連絡可能な時間帯

現職中で日中の連絡が難しい場合に記載します。

  • 例:「平日18時以降、または土日でのご連絡をお願いいたします」

記載NGの内容

以下のような内容は、採用担当者にネガティブな印象を与えるため避けます。

給与条件の詳細な指定

「年収〇〇万円以上希望」といった具体的な金額の要求は、面接で相談すべき内容です。

過度な労働条件の要求

「残業なし希望」「週休3日希望」など、企業の制度を無視した要求は避けます。

「貴社の規定に従います」が基本

特に希望がない場合は、「貴社の規定に従います」と記載するのが一般的です。

自由記述欄で差をつける3つのアプローチ

アプローチ1:受賞歴・表彰経験の記載

社内表彰やコンテストでの受賞歴がある場合、自由記述欄に記載することで実績をアピールできます。

  • 例:「〇〇年 社内業務改善コンテスト 最優秀賞受賞(業務効率化ツールの開発)」

アプローチ2:保有する特殊スキルの補足

履歴書の他の項目では十分に伝えきれない技術スキルや語学力がある場合、補足情報として記載します。

  • 例:「英語:TOEIC 850点(技術文書の読解、海外エンジニアとのメール対応可能)」

アプローチ3:熱意を伝える補足メッセージ

自由記述欄を活用して、志望動機を補強する熱意のメッセージを伝えることも有効です。ただし、過度に長文にならないよう、簡潔にまとめることが重要です。

  • 例:「貴社の技術ブログを拝読し、エンジニアを大切にする企業文化に強く魅力を感じました。ぜひ貴社の一員として成長したいと考えています」

7. システムエンジニアの履歴書でよくある失敗と対策

7. システムエンジニアの履歴書でよくある失敗と対策

履歴書作成において、システムエンジニア特有の失敗パターンがあります。これらを事前に認識し、対策を講じることで、書類選考通過率を高めることができます。

技術用語の過度な使用で可読性を損なう

システムエンジニアは技術的な背景を持つため、履歴書に専門用語を多用してしまう傾向があります。しかし、履歴書を最初に確認するのは人事担当者であり、必ずしも技術に詳しいとは限りません。

対策

  • 非技術者でも理解できる平易な表現を心がける
  • 専門用語は職務経歴書で詳述し、履歴書では概要のみを記載
  • 技術名を記載する場合は、その技術が何を実現するものかを簡潔に補足する

例:「AWS(クラウドサービス)を活用したシステム構築」のように、括弧書きで補足を加えます。

冗長な文章で要点が伝わらない

履歴書のスペースは限られているため、冗長な文章は読み手の負担となり、重要なポイントが埋もれてしまいます。

対策

  • 1文は50字以内を目安にする
  • 結論ファーストの構成を徹底し、最初に要点を述べる
  • 「〜と考えます」「〜だと思います」といった推測表現を避け、断定的に記述する

例:「顧客の課題を解決するシステム開発に貢献したいと考えます」→「顧客の課題を解決するシステム開発に貢献します」

履歴書と職務経歴書の内容が重複している

履歴書と職務経歴書で同じ内容を繰り返してしまうと、書類全体の情報量が減り、アピール機会を失います。

対策

  • 履歴書:簡潔な要点のみを記載
  • 職務経歴書:詳細なプロジェクト内容、使用技術、具体的な成果を記載
  • 履歴書の自己PRは応募企業に特化した内容に絞り、職務経歴書では網羅的に記述

両者の役割分担を再確認し、それぞれの書類で異なる側面をアピールする戦略が重要です。

形式的なミスで減点される

内容が優れていても、形式面でのミスがあると、応募者の注意力や仕事への姿勢を疑われる可能性があります。

よくある形式的ミス

  • 誤字脱字
  • 西暦と和暦の混在
  • 写真の貼り忘れや期限切れの写真の使用
  • 空欄の放置

対策

  • 作成後、必ず複数回読み返す
  • 可能であれば第三者にチェックを依頼する
  • 西暦または和暦のどちらかに統一する(求人情報に合わせる)
  • 空欄がある場合は「特になし」と記載するか、該当項目に「該当なし」と明記する

8. 提出前必須チェックリスト15項目

履歴書を提出する前に、以下のチェックリストを活用して最終確認を行いましょう。形式面でのミスを防ぎ、完成度の高い履歴書を提出することが、書類選考通過の第一歩です。

基本情報欄のチェックポイント

  • 氏名・ふりがなに誤りはないか(戸籍上の正式な表記で記載)
  • 生年月日は正確か(西暦・和暦の形式を確認)
  • 連絡先(電話・メール)は最新かつ正確か
  • 写真は3ヶ月以内に撮影したものか(服装・表情は適切か)

学歴・職歴欄のチェックポイント

  • 年月の記載は正確か(入学・卒業、入社・退職の年月を確認)
  • 西暦・和暦は統一されているか
  • 職歴は時系列順に記載されているか
  • 「現在に至る」「以上」の記載はあるか

志望動機・自己PR欄のチェックポイント

  • 結論ファーストの構成になっているか
  • 具体的なエピソードや数値が含まれているか
  • 企業研究の内容が反映されているか
  • 誤字脱字はないか(複数回読み返して確認)

形式面のチェックポイント

  • 修正液・修正テープは使用していないか(手書きの場合は書き直し)
  • 印鑑は押印されているか(必要な場合のみ)
  • 全体的に丁寧に記入されているか(文字の大きさ、行間のバランス)

9. システムエンジニアの履歴書に関するQ&A

9. システムエンジニアの履歴書に関するQ&A

システムエンジニアの履歴書作成において、多くの方が抱く疑問に回答します。

Q1. 履歴書は手書きとパソコンどちらが良いですか?

企業から手書き指定がある場合は、その指示に従います。指定がない場合は、パソコンで作成するのが現在の主流です。パソコン作成は修正が容易で、読みやすく仕上がるというメリットがあります。

ただし、手書きの履歴書は丁寧さや誠実さが伝わりやすいという側面もあります。

IT企業の多くはパソコン作成を想定していますが、中小企業や伝統的な企業では手書きが好まれるケースもあります。

応募先企業の文化や求人情報の指示を確認して判断しましょう。

Q2. 職歴が多い場合、どこまで書くべきですか?

職歴は、短期間の勤務であっても全て時系列で記載することが原則です。職歴を意図的に省略すると、経歴詐称と見なされるリスクがあります。

短期間で退職した職歴がある場合でも、正直に記載し、面接で退職理由を説明できるよう準備しておくことが重要です。

詳細な業務内容は職務経歴書で補足し、履歴書では簡潔に会社名と在籍期間を記載します。

Q3. ブランク期間がある場合の書き方は?

ブランク期間がある場合でも、正直に記載することが基本です。ただし、その期間に何をしていたかを説明できるよう準備します。

例えば、資格取得のための学習期間、プログラミングスクールでの学習、家族の介護など、ブランク期間を前向きに説明できる理由があれば、面接でマイナス評価にはなりません。

むしろ、その期間に得たスキルや経験をアピール材料とすることも可能です。

自由記述欄に「〇〇年〇月〜〇年〇月:プログラミングスクールにて〇〇を学習」と記載しておくと、採用担当者の理解を得やすくなります。

Q4. 年齢制限のある求人への応募方法は?

求人情報に「〇歳まで」という年齢制限が記載されている場合でも、それを超えているからといって必ずしも応募できないわけではありません。

労働施策総合推進法により、年齢制限は原則として禁止されており、例外事由がある場合のみ記載が許されています。

年齢が条件外であっても、スキルや経験が企業の求める水準を満たしていれば、採用される可能性はあります。

志望動機で熱意を強く示し、自身の強みを明確にアピールすることで、年齢のハンデを補うことができます。

Q5. 資格がない場合はどうすれば良いですか?

IT系の資格を保有していなくても、システムエンジニアとして採用される可能性は十分にあります。特に未経験者の場合、資格よりも学習意欲やポテンシャルが重視されます。

現在学習中の内容があれば、自己PR欄や自由記述欄に記載しましょう。

例えば、「基本情報技術者試験に向けて学習中(〇月受験予定)」「Udemyでプログラミング講座を受講し、〇〇の開発スキルを習得中」といった記述は、向上心のアピールになります。

経験者の場合は、実務経験そのものが最大の強みとなるため、資格の有無は大きな問題ではありません。

職務経歴書で具体的なプロジェクト経験や成果を詳述することで、実力を証明できます。

10. まとめ:システムエンジニアの履歴書で内定を勝ち取るために

システムエンジニアの履歴書は、技術力だけでなく、コミュニケーション能力や論理的思考力といった資質を効果的に伝えることが重要です。

履歴書と職務経歴書の役割を正しく理解し、志望動機と自己PRを結論ファーストの構成で簡潔に記述することで、採用担当者に強い印象を与えることが可能となります。

本記事で紹介した5ステップの書き方と15の例文を参考に、自身の経験や強みを整理し、応募企業に最適化された履歴書を作成しましょう。

提出前のチェックリストを活用して形式面のミスを防ぎ、自信を持って書類選考に臨んでください。システムエンジニアとしてのキャリアを実現する第一歩は、説得力のある履歴書から始まります。

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