30代は技術力とキャリアの岐路が交差する時期です。これまで積み上げてきたスキルが市場でどう評価されているのか、ITエンジニアとしての年収が妥当な水準にあるのかどうか、確認したいと考えている方は少なくないでしょう。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」をはじめとする政府統計データを見ると、情報通信業に従事する30代の年収は職種・企業規模・地域によって幅広く分布しており、単純な平均値だけでは自分の位置を正確につかみにくい面があります。
本記事では、政府統計データをもとに、itエンジニア 年収 30代の実態を職種・企業規模・スキル別に整理します。
年収アップの具体的な手法やキャリアパスについても解説しますので、今の状況を確認しながら次の行動を考えるうえでも、ぜひ参考にしてください。
- 30代ITエンジニアの年収の全体相場と、なぜ数値にばらつきがあるのかについて
- 職種・企業規模・スキルによって年収がどう変わるかについて
- 30代で年収を上げるために取るべき具体的な行動について
1. 30代ITエンジニアの年収相場|政府統計データが示す現実

30代ITエンジニアの年収を語るうえで、最初に確認すべきは信頼性の高い公的データです。
民間の求人サービスが公表する数値は、対象者の範囲や集計のしかたによって数値が変わるため、まず政府統計を基準として押さえておくことが大切です。
ここでは厚生労働省の公式調査をもとに、30代エンジニアの年収の「現実的な出発点」を整理します。
厚生労働省データが示す30代ITエンジニアの平均年収は500万〜570万円台
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、情報通信業に従事する30〜34歳の所定内給与は月額約33万〜34万円台、35〜39歳では月額約36万〜38万円台となっています。
これに年間賞与・特別給与を加算して年収換算すると、30〜34歳でおよそ500万〜530万円台、35〜39歳で540万〜570万円台という水準になります。
この数値は「情報通信業」全体を対象としたものであり、職種(PM・SE・インフラ等)の混在、雇用形態の違い、地域差などが平均に影響している点に注意が必要です。
30代ITエンジニアの年収は政府統計の「平均値」をそのまま自分と比較できない理由
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」が示す数値は、情報通信業全体を対象とした平均であり、PMや上流SEから下流の製造担当まで、さらに大企業から中小企業まで幅広く含んでいます。
そのため、同じ「30代情報通信業」という括りでも、雇用形態・職種・企業規模・地域によって実際の年収は大きく分散します。
特に重要なのは「平均値」の性質です。一部の高額報酬職種(ITコンサルタント・PMクラス)が全体の平均を押し上げる構造があるため、自身の年収と単純比較すると実態よりズレて見えることがあります。
職種・企業規模・地域という3つの軸で自身の状況を絞り込んで比較することが、自分の位置を正確に知ることにつながります。
30代ITエンジニアは前半と後半で年収の伸び方が変わる
厚生労働省の統計データを5歳刻みで見ると、30〜34歳と35〜39歳の間には年収水準に明確な差が生じていることがわかります。
30〜34歳:技術習熟が主な年収決定因子
30代前半は、プログラミングやインフラ設計といった技術力を高めることが、年収を左右する主な要素となる時期です。
習得している言語・フレームワークの市場での需要と、担当できる工程の幅(製造・テスト・設計等)が年収水準を大きく左右します。
35〜39歳:マネジメント・上流工程への関与が年収の分岐点に
30代後半になると、純粋な技術力に加えて、プロジェクトのリード経験・チームマネジメント・要件定義にどれくらい関わっているかが、年収を左右する大きな要素として加わってきます。
この時期に上流工程の経験を積んでいるかどうかが、同じ「30代エンジニア」でも年収に数十万〜100万円以上の差をもたらす分かれ目になります。
今のキャリアが「技術を磨くフェーズ」か「マネジメントに移行するフェーズ」かを意識することで、自分の年収の現在地をより正確に判断できます。
2. 30代ITエンジニアの年収が職種別にどう変わるか

「ITエンジニア」という職種は非常に幅広く、同じ30代であっても担う役割によって年収水準は大きく異なります。
SES・受託系か自社開発系か、あるいはコンサルタントやフリーランスかによって、年収のボリュームゾーンは数百万円規模で変わることもあります。
自分の職種が市場でどう評価されているかを知ることが、年収を上げるための第一歩です。
30代ITエンジニアの年収が高くなりやすい職種①:プロジェクトマネージャー・ITコンサルタント
プロジェクトマネージャー(PM)やITコンサルタントは、30代エンジニア職種の中で相対的に高い年収帯を形成しています。
経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」でも、上流工程を担うプロジェクトマネジメント人材やITコンサルタントは慢性的に不足しており、需要が供給を上回る状況が報酬を押し上げていると指摘されています。
この年収水準を支えているのは、技術力とビジネス理解力の「掛け算」です。要件定義・システム設計に加え、クライアントとの交渉、予算・スケジュール管理、チームのリードといった複合的なスキルが評価対象となります。
PM・PLへのキャリア転換は、30代の年収アップにおいて最も直接的な効果をもたらすルートの一つです。
30代ITエンジニアの年収が高くなりやすい職種②:SES・受託系のボリュームゾーンは450万〜550万円
SES(システムエンジニアリングサービス)や受託開発を主業とするエンジニアの30代年収は、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の情報通信業・小規模企業層のデータと照合すると、450万〜550万円台が中心帯となっています。
この年収水準は、給与決定の構造と担当工程の2つの要因から大きく左右されます。
給与を決める「案件単価×還元率」の仕組み
SES業界における給与は、クライアントへの請求単価と会社の還元率によって決まる仕組みになっています。
月次単価が高くても、会社の還元率が低ければ手取りの年収は伸びにくく、技術力を上げるだけでは限界があります。還元率の高い企業への転職や、単価の高い案件に入ることが年収を上げる現実的な手段になります。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の企業規模別データを見ると、情報通信業において従業員10〜99人規模の企業の賃金水準は、1,000人以上の大企業と比較して低い傾向が統計上も示されており、SES中小企業では年収が上がりにくい構造になっているといえます。
上流工程と下流工程の担当者に生じる年収差
要件定義・基本設計などの上流工程を担当するエンジニアと、製造・単体テストを担う下流工程のエンジニアでは、同じSES環境でも案件単価に差が生じます。
30代でキャリアを上流にシフトできているかどうかが、SES内での年収格差を左右します。
30代ITエンジニアの年収が高くなりやすい職種③:自社開発・Web系はスキルスタックで差がつく
自社プロダクトを持つ企業(いわゆるWeb系・事業会社)に勤めるエンジニアは、習得しているプログラミング言語・フレームワークのスタックによって年収水準に差が生じやすい特徴があります。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の企業規模別・産業別データからも、自社サービスを持つ情報通信系企業は、受託中心の企業と比べて賃金水準が高い傾向が読み取れます。
モダン言語と従来言語の年収差
Go・TypeScriptといったモダンな言語を扱えるエンジニアは、需要の高まりを受けて提示年収が高い傾向にあります。
一方、COBOLやVBAなど特定領域に限定される場合は、需要の狭さから年収の上限が低く設定されやすい面があります。
市場での希少性と需要の掛け合わせが、スキルスタックによる年収差を生み出す主要因です。経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」でも、クラウドやAI・データ分析といった先端分野の人材需要が特に高く、希少性の高いスキル保有者への報酬水準が押し上げられていることが指摘されています。
30代ITエンジニアの年収が高くなりやすい職種④:フリーランスは高年収が視野に入る
正社員から独立し、フリーランスとして活動するITエンジニアは、案件単価が直接収入に反映されるため、スキルと実績次第で正社員時代を大幅に上回る年収を得られるケースがあります。
経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」が示すIT人材の需要拡大は、フリーランス市場でも高単価案件が継続的に生まれる背景になっています。
フリーランス転身のリスクも正直に理解する
一方で、フリーランスには社会保険の自己負担増、案件の途切れリスク、有給休暇・退職金がないといった、正社員にはないリスクが伴います。
手取りで比べると、正社員との差は見た目の年収差より小さくなるケースもあるため、メリットとリスクを冷静に比べたうえで判断することが大切です。
3. 30代ITエンジニアの年収に影響する企業規模・地域の違い

年収は個人のスキルや職種だけでなく、勤務先の企業規模や地域によっても大きく変わります。
同じ技術力・職種であっても、大企業か中小企業か、東京か地方かによって年収に数十万〜200万円近い差が出ることは、公的データからも示されています。
企業選びや勤務地の選択が年収にどう影響するかを、きちんと理解しておくことが大切です。
大企業(従業員1,000人以上)は30代ITエンジニアの年収が相対的に高くなりやすい
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の企業規模別データによると、情報通信業において従業員1,000人以上の大企業は、100人未満の中小企業と比較して30代の賃金水準が明確に高くなっています。
規模が大きいほど事業の収益性や人材投資の余力が高く、給与水準に直接反映される傾向があります。この賃金格差は、IT業界特有の多重下請け構造とも深く関係しています。
元請け・大手SIerと二次受け・三次受けの年収格差
IT業界特有の多重下請け構造も、企業規模による年収格差に直結しています。
元請けとして直接クライアントと契約する大手SIerや大手ベンダーは、案件マージンの多くを自社に留めることができるため、その分エンジニアへの還元率も高くなります。
一方、二次・三次の受け企業になるほど中間マージンが発生し、同じ作業をしていても手元の年収が抑制されやすい構造があります。
中小企業・スタートアップは30代ITエンジニアの年収と成長機会のトレードオフがある
中小企業やスタートアップでは、大企業と比べて年収が低めになるケースが多い一方、仕事の裁量が広く、技術的な成長機会といったお金以外のメリットを得やすい環境が整っていることも多くあります。
30代でスタートアップを選ぶ際の判断軸
短期的な年収よりも長期的なスキルアップやキャリア形成を優先するなら、スタートアップに参画するのは十分理にかなった選択です。
ただし、ストックオプションが実際に得られるか、会社の成長フェーズ(シード・シリーズAなど)、使う技術が市場で通用するかを事前に見極めておくことが、リスクを減らすうえで大切です。
東京と地方では30代ITエンジニアの年収に100万〜200万円の差が生じることがある
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の地域別データによると、東京都を中心とした大都市圏と地方都市の間には、情報通信業においても賃金格差が存在しています。
ITエンジニアの場合、東京圏での年収が地方に比べて100万〜200万円程度高くなるケースが示されています。
フルリモート案件で「地方居住×都市部年収」を実現する選択肢
近年の働き方改革とリモートワークの普及により、地方に住んだまま東京の企業・案件に参加できる環境が整ってきました。
生活コストが低い地方に住みながら都市部と同水準の年収を得るという選択肢は、手取りを増やすという観点で30代エンジニアにとって現実的な戦略です。
ただし、フルリモート案件は競争が激しく、一定以上のスキルと実績が求められる点も頭に入れておく必要があります。
4. 30代ITエンジニアが年収アップを実現するための方法
30代エンジニア:
年収アップを叶える「4つの戦略」
Market Value & Strategy
上流・マネジメント
市場価値の「可視化」
需要の高い技術への投資
最も即効性の高い手段
年収の相場をつかんだら、次に大切なのは「どうすれば年収を上げられるか」という具体的な行動です。
30代は技術力が成熟し、マネジメント経験も積み始める時期であり、複数の年収アップ手段が現実的な選択肢として出てきます。ここでは即効性・持続性の観点から、有効な方法を整理します。
30代ITエンジニアが年収アップを狙うなら上流工程・マネジメントへのキャリアシフトが最短ルート
年収を継続的に引き上げる手段として、最も効果が大きいとされるのが上流工程やマネジメントへのキャリアシフトです。
PM・PLへの移行ステップと必要なスキル
プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)へ移行するためには、技術スキルに加え、スコープ管理・リスク管理・関係者との調整やコミュニケーションの経験が必要です。
まず社内で小規模プロジェクトのリードを担い、実績を積み上げていくことが現実的な移行ルートです。
スペシャリストとマネジメント移行の年収曲線の違い
技術特化型のスペシャリストは、スキルが深まるほど希少性が高まり年収も上がりますが、上限に達するのが比較的早い傾向があります。
一方、マネジメントに移行したタイプはキャリアの中期(30代後半〜40代)以降に年収が大きく伸びるケースが多く、長く年収を伸ばし続けたいという視点ではマネジメントルートが有利なケースが多くなっています。
30代ITエンジニアは資格取得(PMP・高度情報処理技術者等)で年収を数十万〜百万円単位で上げられる
資格取得は、スキルの可視化と市場価値の向上に直結する効率的な手段です。
30代エンジニアが年収アップに活用しやすい資格として、国際的なプロジェクト管理資格と国内の情報処理技術者資格の2系統が挙げられます。
PMP資格の年収優遇効果
PMI(Project Management Institute)が公表する「Project Management Salary Survey」によると、PMP資格保有者は非保有者と比較して、年収中央値で9〜16%程度の優遇が確認されています。
プロジェクトマネジメント能力の国際的な証明として、採用時の評価や年収交渉において有効に機能する資格です。
取得の目安と活用場面
PMPはPM経験3〜5年程度を要件とするため、30代でのキャリアステージと合致しやすい資格です。
大手SIer・外資系IT企業・コンサルティングファームへの転職時や、社内でのPM職への昇格交渉において特に有効に機能します。
出典:PMI「Project Management Salary Survey」
IPA高度情報処理技術者試験の市場評価
情報処理推進機構(IPA)が実施する高度情報処理技術者試験(応用情報・システムアーキテクト・ネットワークスペシャリスト等)は、技術力の客観的な証明として採用・昇給評価で参照される機会が多い資格です。
特に大手SIerや公共系システム案件では、資格保有が案件アサインや評価に直接影響するケースがあります。
職種別に有効な試験区分
上流工程・アーキテクチャ設計を目指す場合は「システムアーキテクト試験」、インフラ・ネットワーク領域では「ネットワークスペシャリスト試験」、セキュリティ領域では「情報処理安全確保支援士試験」が、それぞれ市場での評価が高い区分として知られています。
30代ITエンジニアはモダンな技術スタック(Go・TypeScript・クラウド等)への移行で年収と市場価値が上がる
使う技術の選択は、年収に直接影響します。市場での需要が高く、扱えるエンジニアが少ない技術を持っていると、採用競争が激しくなる分、提示される年収も上がりやすくなります。
30代が学習リソースを投下すべき技術の優先順位
経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」によると、DX推進の加速に伴いクラウド・AI・データ分析領域の人材不足が深刻化しており、これらのスキルを持つ人材への需要が特に高まっています。
具体的には、GoやTypeScriptといったモダン言語、AWS・GCP・Azureなどのクラウドサービス、Kubernetesなどのコンテナ技術、MLエンジニアリングやデータ基盤構築に関するスキルが、30代エンジニアの市場価値を高めるうえで効果的です。
今持っているスキルをゼロから捨てるのではなく、現在の技術基盤にモダンな要素を「追加」していくやり方が、現実的でとり組みやすいアプローチです。
30代ITエンジニアの年収アップに最も即効性が高い手段は転職
年収アップの手段の中で、最も短期間で結果が出やすいのが転職です。
社内昇給では年間数万〜数十万円程度の上昇が限界となりやすいのに対し、転職では交渉次第で一度に大幅な年収改善が見込めます。
転職による年収アップの実績データ
厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、転職者のうち前職より賃金が増加した割合は全産業で約34%に上り、特に専門的・技術的職業(ITエンジニアが含まれる区分)では賃金が増えた割合が相対的に高い傾向が示されています。
在籍年数が長くなるほど社内の給与テーブルは動きにくくなり、転職市場での評価と差が開いていく傾向があります。
転職時に年収交渉を成功させる準備
転職での年収アップを最大化するには、事前に市場の相場を調べ、自分のスキルや実績を整理しておくことが欠かせません。
「業界の相場に対して自分がどのくらいの水準にいるか」を数値で示せるよう準備したうえで、複数社を並行して受けることで交渉力が高まります。
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5. 30代ITエンジニアが年収1,000万円を目指すためのキャリアパス
年収1000万への「3つの航路」
自分に最適な「勝てるルート」を色で判別
ITコンサル・
プリセールス
大手SIer・
外資系IT企業
フリーランス
独立への転身
年収1,000万円というラインは、30代エンジニアにとって一つの象徴的な目標です。決して非現実的な数字ではなく、キャリアの方向性と行動次第で30代後半から達成の視野に入ります。
ここでは、年収1,000万円に届きやすいキャリアパスを具体的に解説します。
30代ITエンジニアが年収1,000万円に届きやすい職種①:ITコンサルタント・プリセールスエンジニア
ITコンサルタントやプリセールスエンジニアは、技術知識とビジネス提案力を高水準で兼ね備えることが求められる職種です。
その希少性から、30代後半でも1,000万円超えの年収提示が行われるケースが相対的に多い職種といえます。
ITコンサルタントへの移行ルート
SE・PM経験を経てコンサルファームへ転職するパターン
ITコンサルタントへの移行は、システム開発・導入経験を積んだうえでコンサルティングファームへ転職するルートが一般的です。
大手ITコンサルティングファームでは、30代の中途採用需要が高く、PM・SE経験を持つ人材が評価されやすい傾向があります。
プリセールスエンジニアへの移行ルート
技術力×提案力が評価される職種特性
プリセールスエンジニアは、ベンダーやSaaS企業において技術的な提案活動を担う職種であり、コミュニケーション力と技術力の両立が評価の核心となります。
開発経験を持つ30代エンジニアが、顧客折衝やプレゼンテーション経験を積み上げることで参入しやすいキャリアパスです。
30代ITエンジニアが年収1,000万円に届きやすい職種②:大手SIer・外資系IT企業への転職
国内の大手SIerや外資系IT企業への転職は、30代エンジニアにとって年収をぐっと引き上げる有力な選択肢です。
求められる条件や市場の背景をしっかり把握してから転職活動に入ると、成功しやすくなります。
外資系IT企業への転職で求められる条件
技術スキルと英語力のバランス
外資系IT企業では、技術的なスキルに加えて、英語でのドキュメント読解・会議参加ができるビジネスレベルの英語力が求められます。
ただし、全職種が高レベルの英語を要求するわけではなく、開発職では英語の読み書きを中心としたスキルでも参入できるケースも存在します。
DX推進が生み出す30代IT人材への需要拡大
経産省データが示す構造的な人材不足
経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」によれば、DX推進に伴い高度なIT人材の需要が拡大しており、特に30代のアーキテクト・PM・コンサルタントクラスの人材が不足しています。
こうした人材不足の状況が、30代エンジニアの市場での価値を押し上げています。
30代ITエンジニアが年収1,000万円に届きやすい職種③:フリーランス転身は現実的な道だが事前準備が必要
フリーランスとして独立する場合、月単価80万〜100万円以上の案件を安定受注できれば、年収1,000万円超えは現実的な射程に入ります。
ただし、安定した高単価案件を獲得し続けるには一定の条件が必要です。
高単価案件を獲得するための条件
高単価を得るためには、専門技術領域の実績・ポートフォリオ、過去の大規模案件や上流工程に関わった経験、そして案件紹介エージェントや人脈を通じた営業ルートが欠かせない要素になります。
年収1,000万円フリーランスエンジニアの典型的なプロフィール像
実際に年収1,000万円以上を実現しているフリーランスエンジニアの多くは、10年以上のIT業界経験を持ち、クラウドアーキテクチャ・大規模システム設計・プロジェクトマネジメントのいずれかに強みを持つ人物像が中心です。
正社員時代に大手や上流案件での経験を積み、独立後にその実績を武器に高単価案件を受注するというキャリア軌跡が典型的です。
6. 30代ITエンジニアの年収に関するよくある疑問

30代エンジニアが年収について抱きやすい疑問をまとめました。
30代ITエンジニアで年収500万円以下は低いのか?
結論としては、職種・雇用形態・企業規模によって判断が大きく変わります。厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の情報通信業データを見ると、30〜34歳の平均年収は500万〜530万円台です。
つまり500万円以下でも統計上の「平均以下」ではありますが、決して極端に低い水準ではありません。
特にSES業界の中小企業や地方企業では、30代で年収450万〜500万円というケースは珍しくありません。
ただし、転職市場に出た場合に年収が上がるケースは多く、自分の年収が適正かどうかは、転職エージェントなどで業界内での自分のポジションを確認してみると良いでしょう。
30代未経験からITエンジニアに転職した場合の年収はどうなるか?
30代での未経験転職直後は、ITスキルをまだ十分に身につけていない段階からのスタートになるため、同年代の経験者エンジニアより年収は低くなります。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の情報通信業・短期勤続層のデータを見ると、業務経験が浅い段階の賃金は30代であっても20代前半に近い水準になりやすい傾向があります。
ただし、前職での業務経験(営業・コンサル・金融等)がIT領域と組み合わせて評価されると、入社時点から一定の評価を受けるケースもあります。
その後のキャッチアップ速度は個人差があるものの、IT業界での実務3〜5年を経れば500万円台に到達するケースが多く、その後の伸び方は技術力やキャリアの方向性によって大きく変わってきます。
30代ITエンジニアは社内年収交渉と転職のどちらが年収アップに効果的か?
即効性と上がる金額の大きさという点では、転職のほうが有利です。社内昇給は人事制度の範囲内に限られるため、一度の昇給で増える金額は数万〜数十万円が限界になるケースがほとんどです。
一方で厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、転職によって賃金が増えた割合は専門的・技術的職業で高く、個人の技術力や経験が市場での評価として給与に反映されやすいことが示されています。
社内交渉をうまく進めるには、業界の市場相場を示すデータの準備、自分の担当業務や成果の数値化、そして他社からのオファーを交渉材料として活用することが有効です。
まず転職市場で自分の評価を確認してから社内交渉に臨むのが、最も効果的な進め方といえます。
7. まとめ|30代ITエンジニアの年収相場と、年収アップに向けた第一歩

30代ITエンジニアの年収は、政府統計データで500万〜570万円台が基準となりつつも、職種・企業規模・スキルによって400万〜1,000万円超まで幅広く分布しています。
年収アップには上流工程への移行・資格取得・技術スタックの刷新・転職という複数の手段があります。
30代の今の状況をしっかり把握し、まず自分の市場価値を確認することが、次の一歩につながります。