この記事では、外国籍エンジニア特有のニーズに対応した17の転職サイトを7つのカテゴリーに分類し、目的・経験年数・職種別の活用法をくわしく解説します。
外国籍ITエンジニアにとって、日本での転職はビザサポート、日本語要件、企業文化の違いなど独特の課題があります。
しかし、2025年までに43万人のIT人材不足が予想される中、適切な転職サイトを選べば理想的なキャリアの実現につながります。
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- 外国籍ITエンジニアに最適な転職サイト17選とその特徴・活用法について
- 経験年数・目的・職種別の戦略的転職サイト選択方法について
- 実際の転職成功事例とよくある質問への実践的な回答について
1.外国籍ITエンジニアにおすすめのIT転職サイト5選
外国籍ITエンジニアにとって、日本での転職は言語の壁やビザサポート、企業文化の違いなど、独特の課題がありますが、適切な転職サイトを選ぶことで、これらの課題を乗り越え、理想的なキャリアを築くけます。
現在、日本では2025年までに約43万人のIT人材不足が予想されており、外国籍エンジニアへの需要は非常に高まっています。この状況を活かし、自分のスキルと経験を正当に評価してくれる企業を見つけることが重要です。
1. Japan Dev

Japan Devは、ITおよびソフトウェア開発分野の外国人エンジニア専門に設計されたプラットフォームで、言語と文化の壁を越えた転職活動を支援しています。
言語の壁を最小限に抑制
サイト全体が完全に英語で利用できるだけでなく、「日本語不要」や「海外から応募可能」などの重要な検索フィルターがあります。 日本語に自信がなくても、純粋な技術力で勝負したい世界中のエンジニアを引き付けています。
文化的ミスマッチを防止
「働きがいのある優れたエンジニア文化を持つ」企業のみを厳選して掲載。 企業文化や働き方の透明性を重視することで、候補者の入社後のミスマッチリスクを大幅に軽減します。
戦略的な転職情報を提供
Japan Devは単純な求人掲載を超え、外国人プロフェッショナルが必要とする戦略的情報を英語ブログ記事で公開しています。日本のIT業界の給与水準の詳細分析、エンジニア向けビザ取得ガイド、英語履歴書の書き方などが含まれます。
2. Daijob.com

1998年の設立以来、日本のバイリンガル人材市場をリードしてきたパイオニアとして、Daijob.comはエンジニアのような経験豊富なグローバル専門職に適しています。
ハイクラスグローバルキャリアに特化
主なターゲットは、英語などの高度な語学力と豊富な職歴を持つ専門家です。 多くの求人が幹部職や管理職で、年収は600万円から1500万円超の範囲が多くなっています。
豊富な選択肢とグローバル機能
累計84万人を超える登録ユーザーを誇る、日本最大級のバイリンガル人材データベースです。 世界規模の視点で求人を検索でき、世界各国から希望勤務国を選択し、使用したい言語の豊富なリストから選択できます。
実用的なサポート機能
海外在住者にとって重要な「ビザサポート」の有無で求人を絞り込める実用的なフィルターを含みます。
3. NINJA

NINJAは幅広い外国人人材をターゲットとし、日本での就職活動に包括的なサポートを提供する「ワンストップサービス」として機能します。
多様なキャリアステージをサポート
高度スキルを持つ経験豊富な専門家から新卒者、未経験者、さらにはアルバイト求職中の留学生まで、非常に幅広い層のニーズに対応しています。
日本特有の就活サポートを提供
日本語履歴書の書き方や面接マナーなど、日本独特のトピックに関する実践的なノウハウを提供し、成功した外国人による「先輩インタビュー」がロールモデルとなり、求職者のモチベーション向上に繋がっています。
外国人向け豊富な検索機能
「外国人積極採用」「外国人管理職在籍」などのタグや、必要な「日本語レベル」での絞り込み機能により、候補者が自身の状況や希望に合う職場環境を見つけやすくしています。
4. Gittap

GittapはIT分野の多国籍エンジニア採用に特化した求人サイトです。
IT人材に特化
「多国籍エンジニア・IT人材採用サービス」として明確にポジショニングされ、Japan Dev同様、主にIT分野の外国人人材をターゲットにしています。高度に専門化されたソフトウェアエンジニアの採用を目指す方に適しています。
5. エンジニア求人ナビ

エンジニア求人ナビはエンジニア職に特化し、技術分野の外国人人材にとって特にアクセスしやすい求人サイトです。
外国人を明確に歓迎
「外国人も活躍中」専用カテゴリーの存在は、この求人サイトが外国人エンジニアを重要なターゲット層として明確に認識していることを示しています。
幅広い技術分野をカバー
ITエンジニアに加えて、機械・電気エンジニアの求人も多数取り扱い、製造業分野やWeb業界を超えた就職を検討できます。
多様な雇用形態をサポート
正社員、契約社員、派遣(ハケン)など様々な雇用形態の求人を掲載し、個々の状況やキャリアプランに合わせた柔軟な求職活動が可能です。
2.外国籍エンジニア向け、IT転職サイトの選び方

外国籍ITエンジニアにとって、転職サイト選びは日本人エンジニア以上に重要な決断です。
言語の壁、ビザの問題、企業文化の違いなど、特有の課題を乗り越えるためには、適切なサポートを提供してくれる転職サイトを選ぶ必要があります。
転職サイトのタイプ別の特徴と使い分け方法
4つの転職サイト
1. 大手総合型の転職サイト
- 特徴:豊富な求人数と安定したサポート体制
- メリット
・ビザサポートありの求人を多数保有
・多言語対応や外国人専門コンサルタント配置
・転職ノウハウが蓄積、充実したサポート体制
・大手企業から中小企業まで幅広いネットワーク - デメリット:専門性の高い分野の求人ラインナップが少ない可能性あり
2. 専門特化型の転職サイト
- 特徴:IT業界や職種に特化した専門的サポート
- メリット:
• IT業界の深い知識を持つコンサルタントが在籍
• 技術的なスキルを正確に評価
• 企業の技術スタックや開発環境の詳細情報
• 専門分野での年収相場を正確に把握
3. スカウト・マッチング型
- 特徴:企業からの直接アプローチによる効率的転職
- メリット
• 忙しい現職中でも転職活動が可能
• 企業からの直接アプローチで内定率が高い
• 自分の市場価値を客観的に把握
• 思わぬ好条件のオファーを受ける可能性あり
4. フリーランス・業務委託特化型
- 特徴:自由な働き方を重視するエンジニア向け
- メリット:高単価案件、柔軟な働き方、スキルに応じた報酬
転職サイトは組み合わせて活用しよう
推奨する組み合わせ
- メインサイト(1-2社): 大手総合型から選択し、安定したサポートを確保
- 専門サイト(1社): 自分の専門分野に特化したサイトで深い情報を収集
- スカウトサイト(1-2社): 受動的な転職活動で効率化とチャンスの拡大
具体的なパターン例
- 安定志向型: マイナビITエージェント + リクルートエージェントIT + Green
- 年収アップ志向型: レバテックキャリア + ビズリーチ + ギークリー
- 効率重視型: ダイレクトタイプ + Findy + 転職ドラフト
こういった組み合わせにより、求人の幅広さ、専門性、効率性をバランス良く確保し、転職成功率を最大化できます。
外国籍エンジニア歓迎企業の見極め方
ここでは、外国籍のエンジニアの方々にとって働きやすい環境かどうかを見極めていくポイントについて解説していきます。
求人情報の必須確認項目
基本チェックポイント
- ビザサポートの有無と具体的内容
- 日本語能力要求レベル(N1/N2/ビジネスレベル)
- 外国籍社員の在籍状況
- 英語使用機会の有無
- 研修制度・日本語学習支援
ビザサポートの内容を確認しよう
サポートレベルの違い
- フルサポート: 申請書類作成から提出まで企業が代行
- 部分サポート: 書類提供や手続き指導のみ
- 費用負担: 申請費用の企業負担有無
- 更新サポート: 在留期間更新時の継続支援
外国籍人材を歓迎する企業の特徴
見極めポイント
- 外国籍社員が複数名在籍し、継続勤務している
- 英語での社内コミュニケーションが可能
- 多様性に関する企業方針が明文化
- 国際的なプロジェクトや海外展開を実施
企業タイプ別の特徴
外資系・グローバル企業
- 日本語: N2レベルでも可、英語中心
- 注意ポイント:日本市場向けは日本語が必要になる可能性あり
日系大手企業
- 日本語:N1推奨、社内文書・会議が日本語中心
- メリット:安定性、研修制度が充実している
スタートアップ
- 日本語:N2-N1(企業によって振れ幅が大きい)、技術力重視
- 特徴:比較的柔軟な働き方ができるが業務範囲が広くなる可能性がある
求人の情報を集める方法
- 企業サイト・IR情報
- 社員のインタビュー記事
- 転職エージェントからの内部情報
- LinkedIn等での社員との接触
表面的な情報に惑わされず、上記のポイントを確認して企業を見極めていきましょう。
自分の経験レベル・目標に合ったサイト選択のコツ
外国籍エンジニアの転職サイト選択は、経験レベルと目標によっても大きく変わる場合があるでしょう。
経験年数別!自分に合った転職サイトは?
1-3年の経験者 | ・推奨:大手総合型 ・理由:手厚いサポートと未経験歓迎求人が豊富 ・注意点:スキルアップ可能な企業を重視して選択 |
3-5年の経験者 | ・推奨:専門特化型 ・理由:専門性を活かした年収アップが期待できる ・注意点:技術的なキャリアパスを明確にして転職活動 |
5年以上の経験者 | ・推奨:ハイクラス特化型 ・理由:マネジメント職や高年収ポジションが豊富 ・注意点:リーダーシップ経験をアピールできる準備が必要 |
複数サイトを利用する時の注意点
外国籍エンジニアの転職成功率を最大化するためには、複数サイトの利用が効果的ですが、以下のように注意すべきポイントもあります。
複数サイトを利用する時の注意点
- 複数のサイト経由で、同じ企業の求人には応募しない
- 各サイトでの進捗状況をヌケモレなく管理しよう
- 情報の一貫性を保とう(経歴や希望条件)
- 利用するサイトを一気に広げすぎない
3.【経験年数別】転職サイト活用ロードマップ

外国籍ITエンジニアの転職戦略は、経験年数によって大きく異なります。
各段階での市場価値、求められるスキル、最適な転職サイトを理解し、戦略的にキャリアを構築していきましょう。
経験1-3年|ポテンシャル採用を狙える転職サイト
経験1-3年の外国籍エンジニアは、ポテンシャル重視の採用枠を狙い、基礎スキルの習得と日本での職業経験を積むとよいでしょう。
- 強み: 若さ、学習意欲、柔軟性、新しい技術への適応力
- 課題: 実務経験不足、日本のビジネス文化への理解不足
- 企業のニーズ: 将来性重視、研修制度での育成前提
おすすめ転職サイト
未経験歓迎の求人が豊富で、研修制度が充実した求人が多いサイトを最優先とし、第二新卒・若手向けで書類添削や面接対策といったサポートも充実しているサイトをサブとして活用してもいいかもしれません。
避けるべき典型的な失敗パターン
高年収を求めすぎて高望みをしすぎたり、逆に技術力不足を理由に応募を躊躇することは避けるべきです。日本語能力を過小評価または過大評価せず、自身の成長機会よりも待遇を重視しすぎないことが成功の鍵となります。
経験3-5年|即戦力として自身の価値を上げていこう
経験3-5年の外国籍エンジニアは、即戦力としての価値を最大化し、専門性と年収の大幅アップを狙っていきましょう。
実務経験、専門スキル、プロジェクト完遂力が強みとなり、専門性を活かした転職やマネジメント経験の獲得が主な機会となります。企業からは即戦力やチームリーダー候補として期待されます。
おすすめ転職サイト
年収アップの実現を狙って、技術特化型のサイトをメインで活動し、サブで年収800万円以上のハイクラス求人やスカウトが期待できるサイトも活用しなたら、自身の市場価値を把握していくのも良いでしょう。
経験5-10年|マネジメント・リーダー職への転換
経験5-10年の外国籍エンジニアは、技術力とリーダーシップを兼ね備えた希少人材として、マネジメントポジションへの転換も視野に入れてもよいでしょう。
豊富な実務経験、リーダーシップ、グローバル視点が強みとなり、エンジニアリングマネージャー、VPoE、場合によってはCTOポジションも狙える機会となります。
企業からは技術組織の構築・改善やグローバル展開の支援が期待されます。
おすすめ転職サイト
CTO・VPoEなどエグゼクティブポジションを扱うハイクラス特化サイトをメインとし、同時にヘッドハンターの利用も考えてもいいかもしれません。
補助的にハイキャリア向けのスカウト機能で複数ヘッドハンターからのアプローチを受け、市場価値の継続的な把握を行います。
経験10年以上|エキスパート・エグゼクティブ転職
経験10年以上の外国籍エンジニアは、技術エキスパートまたはエグゼクティブとして、企業の技術戦略を牽引するポジションを目指します。
深い専門知識、豊富なマネジメント経験、グローバルネットワークが強みとなり、CTO、VPoE、技術顧問、シニアアーキテクトが主な機会となります。
企業からは技術戦略の立案・実行と組織変革のリーダーシップが期待されます。
おすすめ転職サイト
業界特化型ヘッドハンターとの関係構築をメインとし、エグゼクティブサーチファームを活用し、非公開の重要ポジションへのアプローチをしていきましょう。
また、転職サイトを活用するだけでなく、同業他社のエグゼクティブとの人脈構築を形成しながら、リファラルでの採用活動も視野にいれるとよいでしょう。
4.外国籍ITエンジニアの転職でよくある質問

外国籍ITエンジニアの転職には、日本特有の慣習や制度に関する疑問が多く寄せられます。
ここでは、よくある質問に対して、アドバイスを提供していきます。
「転職活動期間はどのくらい見込むべき?」
回答:外国籍ITエンジニアの転職活動期間は、経験年数と転職条件によって大きく異なりますが、一般的には3-6ヶ月を見込むことをお勧めします。
経験年数別の転職活動期間の目安
未経験-2年の場合
- 期間:4-6ヶ月
- 理由:スキル習得、資格取得、日本語能力向上の時間が必要
- 準備項目:ポートフォリオ作成、基本情報技術者試験、日本語能力試験N2以上
3-5年経験の場合:
- 期間:3-4ヶ月
- 理由:即戦力として評価されやすく、選考がスムーズ
- 重点項目:技術的な実績の整理、年収交渉の準備
5年以上の場合:
- 期間:2-4ヶ月
- 理由:スカウト中心の転職活動が可能
- 注意点:ハイクラス求人は選考が慎重になる傾向あり
転職活動が長期化する場合の対処法
希望条件の見直し(年収、勤務地、職種の優先順位再設定)、転職サイトの変更、スキルアップ・資格取得による市場価値向上を検討しましょう。
「日本語能力はN2レベルで十分?」
回答:職種と企業により異なりますが、N2レベルは最低限の要件と考えてください。より良い条件での転職を目指すなら、N1レベルまたはビジネス会話レベルの日本語力が推奨されます。
例:職種別の日本語要求レベル
技術職中心の場合
- バックエンドエンジニア: N2レベルで可(技術的議論は英語併用が多い)
- フロントエンドエンジニア: N2-N1レベル(UI/UX要件の日本語理解が重要)
- インフラエンジニア: N2レベルで可(技術文書の理解が中心)
コミュニケーション重視の場合
- プロジェクトマネージャー: N1レベル必須(ステークホルダーとの密な連携)
- 社内SE: N1レベル推奨(業務部門との協業が頻繁)
- ITコンサルタント: ビジネスレベル必須(提案・交渉が業務の中心)
「在職中の転職活動で気をつけることは?」
回答:在職中の転職活動では、現職への配慮をしつつも、効率的な時間管理が重要です。特に外国籍エンジニアの場合、ビザの継続性も考慮する必要があります。
在職中転職活動の基本原則
現職への配慮
- 業務時間中の転職活動は厳禁
- 会社のパソコンやメールアドレスは使用しない
- 同僚への転職活動の相談は慎重に
- 引き継ぎを考慮した退職タイミングの設定
効率的な活動方法
- 平日夜間・週末の時間を有効活用
- オンライン面接の積極的な利用
- 有給休暇を利用した平日面接の調整
- スカウト型転職サイトの活用で受動的な転職活動
ビザ・法的な注意点
在留資格の継続性確保
- 転職先での業務内容が現在の在留資格に適合するか確認
- 転職後の在留資格変更手続きの準備
- 空白期間を作らない転職スケジュール
競業避止義務の確認
- 現職の就業規則・契約書の競業禁止条項確認
- 転職先が競合他社でないか慎重に判断
- 必要に応じて法律専門家への相談
「リモートワーク求人の見つけ方は?」
回答:リモートワーク求人は特化型サイトの活用や、検索条件の設定により効率的に見つけることができます。現在はリモートワーク推奨の求人も多いため、希望の求人が見つかりやすい傾向にあります。
効果的な求人検索戦略
検索条件の設定
- キーワード:「リモート」「在宅」「テレワーク」「フルリモート」
- 勤務地:「全国対応」「勤務地不問」
- 企業の特徴:「グローバル企業」「スタートアップ」
企業タイプ別のアプローチ
- IT系スタートアップ:柔軟な働き方を重視
- 外資系企業:グローバル標準のリモートワーク
- SaaS企業:リモートファーストの企業文化
5.おすすめのIT転職サイトを活用して、転職を成功させよう
外国籍ITエンジニアとして転職を成功させるには、適切な転職サイトの選択と効果的な活用が重要です。
そのためにも、自分の経験レベルや目標をきちんと理解し、また外国籍ならではの強みを活かしながら、そのうえで自身にあったサイトを複数活用していきましょう。
ビザサポート、日本語要件、企業文化を十分に理解した上で、計画的な転職活動を進めれば、必ず理想的なキャリアを実現できるでしょう。