総務省の住民基本台帳によると、日本で暮らす外国人住民は367万7,463人(令和7年1月1日現在)で、過去最多を更新しました。
外国人が日本で暮らしたり働いたりするうえで欠かせないのが、住所や世帯を証明する外国人の住民票です。
この記事では、住民票が作られる仕組みや対象者、手続き、翻訳文のルール、過去の住所を証明する方法まで、実際に必要になる知識をわかりやすく整理します。
- 住民票が作成される外国人と、作成されない外国人の違いについて
- 入国・転入時の届出(14日以内)と必要書類について
- 2012年以前の住所履歴の確認方法と、非居住者の登記対応について
1. 外国人の住民票とは|制度の概要と2012年の法改正

2012年(平成24年)7月9日に外国人登録法が廃止され、外国人も日本人と同じ住民基本台帳法の対象になりました。
これにより、日本に適法に中長期間暮らす外国人にも、日本人と同じように住民票が作られます。
外国人にも住民票が作成される仕組み
制度が一つにまとまったことで、国・市区町村・出入国在留管理庁が情報をやり取りするようになりました。
その結果、届出の手間が減り、住所の情報も正確に保たれやすくなっています。以前は日本人と外国人で台帳が分かれていましたが、今は国籍に関係なく同じ台帳に登録されます。
住民票と戸籍の違い(外国人に戸籍は作成されない)
住民票は「どこに住んでいるか」を証明する書類、戸籍は「家族や身分の関係」を証明する書類です。
外国人にも住民票は作られますが、戸籍は作られません。たとえば日本人と外国人が結婚しても、外国人側に新しい戸籍ができるわけではなく、日本人配偶者の戸籍に結婚の事実が記載されます。
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2012年の制度改正で、外国籍の方も日本人と同じ台帳で管理されるようになり、日本で腰を据えて働く基盤が整いました。
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2. 外国人の住民票が作成される対象者と対象外の在留資格

住民票が作られるかどうかは、在留資格によって決まります。作られる対象者は、次の4つに分けられます。
住民票が作成される4つの対象者
対象者をチェック
- (1)中長期在留者:
在留資格を持ち、3か月を超える在留期間が決まっている、在留カードの交付対象者。就労・留学・家族滞在などで暮らす多くの外国人が当てはまります。 - (2)特別永住者:
平和条約国籍離脱者やその子孫など、特別永住者証明書の交付対象になる方。 - (3)一時庇護許可者・仮滞在許可者:
一時的に上陸を認められた方や、難民認定を申請中で仮滞在の許可を受けた方。 - (4)経過滞在者:
日本で生まれた方や日本国籍を失った方で、その日から60日以内の方。
住民票が作成されないケースと注意点
次のいずれかに当てはまる場合は、住民票は作られません。
住民票が作られないと、印鑑登録ができず、マイナンバーカードも受け取れません。住民票の写しが必要な契約や行政サービスが使えないこともあります。
また、在留期間の更新を忘れて在留資格が切れると、住民票が消されてしまうことがあるので注意が必要です。
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住民票が作られるかどうかは在留資格と深く結びついており、在留期間が切れると住民票も消えてしまいます。
ビザの在留期間の考え方や、取得から更新までの全手続きを整理しておくと、住民登録の場面でも慌てずに対応できます。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
3. 外国人の住民票の手続き|14日以内の届出と必要書類

海外から新しく入国したときや、他の市区町村から引っ越したときは、住民登録の届出が必要です。
届出の期限は「住み始めてから14日以内」
届出の期限は、日本に着いた日ではなく、新しい住所に実際に住み始めた日から14日以内です。
期限内に届出をしないと過料の対象になることがあります。また、正当な理由がないまま長期間、住居地の届出をしないでいると、在留資格の取消し事由に該当する場合もあるため、早めの手続きが大切です。
新規入国・転入時に必要な持ち物
主に次の書類が必要です。市区町村によって違う場合があるので、事前に各自治体の案内を確認してください。
- 在留カード(後日交付の場合は、その旨が書かれたパスポート)
- パスポート
- マイナンバー関連の書類(他の市区町村からの引っ越しなら転出証明書など)
- 世帯主との続柄がわかる書類(外国人が世帯主の世帯に入る場合)
在留カードの持参と住所の記載
住居地を届け出ると、在留カードの裏面に新しい住所が記載されます。窓口に在留カードを持っていかないと住所の記載が終わらず、後日もう一度カードを持って行くことになります。
空港で在留カードを受け取った場合は、そのカードを必ず窓口に持参してください。
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転入・転出の届出は、住み始めてから14日以内という短い期限があります。
引っ越しそのものでつまずくと、住民登録も後ろ倒しになりがちです。外国籍の方が日本での引っ越しで直面しやすい壁と、その乗り越え方を先に知っておくと安心です。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
4. 外国人の住民票の続柄記載と翻訳文のルール
日本で暮らす外国人住民の約8割は15〜64歳の生産年齢層で、最も多いのは25〜29歳です(総務省・令和7年)。
結婚や出産で新たに世帯をつくる場面が増えるため、世帯主が外国人となるケースでの続柄証明は、今後さらに身近な手続きになると考えられます。
外国人が世帯主になる世帯に入るとき、住民票の続柄を「夫」「妻」「子」などの正式な家族関係として記載するには、関係を証明する書類が必要です。
世帯主が外国人の場合に必要な続柄証明
日本の戸籍に婚姻や親子の記録がないため、本国が発行した「婚姻証明書」や「出生証明書」など、続柄を証明する公的な書類が必要です。
これらを出せないと、住民票の続柄が「同居人」や「縁故者」と記載され、正式な家族として反映されないことがあります。
翻訳文の添付ルール
本国の証明書には、日本語の翻訳文を添える必要があります。
窓口でいちばん多い不備が、この翻訳文の付け忘れです。翻訳に資格はいりませんが、翻訳した人の名前(署名)と翻訳した日付を必ず書く決まりがあります。
出典:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和7年1月1日現在)」
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世帯主が外国籍の世帯に入る場合、続柄の証明には婚姻証明書など本国の書類と翻訳文が必要です。
結婚を機に家族で暮らす際は、配偶者ビザの準備も同時に進むことが多いもの。申請の流れや必要書類を、住民票の手続きとあわせて確認しておきましょう。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
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5. 外国人の住民票への通称の記載

外国人住民は、普段使っている日本式の名前などを「通称」として住民票に記載できる場合があります。
通称の記載に必要な要件
通称を記載するには、その名前を日常的に使っている事実がわかる書類(在職証明書、給与明細、郵便物、健康保険証など)を、ふつう2点以上出す必要があります。
希望するだけでは記載できず、実際に使っている証明が求められます。
通称の変更・削除に関する注意点
一度記載した通称は、婚姻などの身分行為による場合を除き、原則として変更できません。削除自体は可能ですが、削除したあとに以前と異なる通称を記載することは「変更」にあたるため、原則として認められません。
そのため、通称の削除・変更は慎重に判断しましょう。細かい運用は自治体によって違うので、住んでいる市区町村の窓口で確認してください。
出典:江東区「平成24年7月9日以降の外国人の住民票について」
6. 外国人の住民票で確認できない2012年以前の住所履歴

不動産登記や相続などで、過去の住所を証明しなければならないことがあります。ここで問題になるのが、住民票に載っている履歴の範囲です。
現行の住民票に過去の履歴が載らない理由
今の外国人の住民票は、2012年7月9日にゼロから新しく作られた台帳です。
そのため、それより前の住所の移動や名前の変更、昔の通称の履歴などは、住民票ではさかのぼって確認できません。
外国人登録原票の開示請求で過去の履歴を確認する
2012年より前の情報を確認するには、市区町村の窓口ではなく、出入国在留管理庁に「外国人登録原票」の開示請求をします。
請求は本人などが行い、郵送または窓口で申請します。昔の住所や名前の履歴は、この外国人登録原票で確認するのが基本の流れです。
7. 非居住者の不動産登記|住民票の代わりとなる宣誓供述書
就労資格で日本に暮らす層の増加を背景に、外国人による不動産の取得・登記の相談も増えています。
海外に住む外国人(非居住者)が日本の不動産を買って登記する場合、日本に住所がないため住民票を取れません。この場合の対応をまとめます。
日本に住民票がある外国人の場合
日本に在留資格があり住民票がある外国人は、日本人と同じように「住民票」と「印鑑登録証明書」を使って、購入や登記の手続きを進められます。
非居住者は宣誓供述書(アフィダビット)が必要
日本に住民票がない非居住者は、住民票と印鑑証明書の代わりに「宣誓供述書(アフィダビット)」を用意します。
これは、本国の公証人や日本の大使館・領事館などで、本人の名前・住所・生年月日を証明してもらう書類です。
用意には時間と費用がかかるため、取引の予定に余裕を持って準備しましょう。個別の登記手続きは状況により異なるため、必要に応じて司法書士など専門家に確認してください。
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日本で不動産を扱う場面では、住民票の有無が手続きを大きく左右します。
まずは住まい探しから始める方も多いはず。東京での賃貸の相場や契約の流れを知っておくと、住民登録を含む入居後の手続きまで見通しを立てやすくなります。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
■住まいと生活の基盤が整ったら、次のキャリアへ
住まいや各種手続きなど、日本での生活基盤が整ってくると、次に気になるのがキャリアの方向性ではないでしょうか。
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よくある質問
住民票の写しはどこで、いくらで取得できますか?
住んでいる市区町村の窓口などで取得でき、手数料は1通300円程度が一般的です(金額は自治体によって異なります)。
請求のときは、在留カードやマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。多言語の申請書を用意している自治体もあります。
外国人でもマイナンバーカードは作れますか?
住民票がある外国人住民は、マイナンバーカードを申請できます。
ただしカードの有効期間は在留期間の満了日などまでとなる点に注意が必要です(高度専門職第2号・永住者・特別永住者を除く)。在留期間の更新中などは、更新が許可されてから申請するのが安心です。
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住民票やマイナンバーは、銀行口座の開設をはじめ、日本での生活に欠かせない各種契約の土台になります。
口座開設でどんな書類が求められるのか、住民票との関係もふまえて手順を押さえておくと、入国後の生活立ち上げがぐっとスムーズになります。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
他の市区町村や海外へ引っ越すときも届出は必要ですか?
必要です。別の市区町村へ引っ越すときは、今の市区町村で転出の届出を、新しい市区町村で転入の届出を行います。
海外へ引っ越すときも転出届が必要です。手続きの時期や必要書類は自治体によって異なるため、事前に窓口へ確認してください。
まとめ|外国人の住民票で押さえておきたいポイント

外国人の住民票について、大切なポイントを整理します。
- 2012年の制度改正で、外国人も日本人と同じ住民基本台帳で管理されるようになりました(ただし戸籍は作られません)。
- 住民票が作られるかは在留資格で決まり、短期滞在(3か月以下)などは対象外です。
- 届出の期限は、新しい住所に住み始めてから14日以内です。
- 外国人が世帯主の世帯に入るときは、続柄を証明する書類と日本語の翻訳文が必要です。
- 2012年より前の住所履歴は外国人登録原票、非居住者の登記は宣誓供述書で対応します。
手続きや必要書類は自治体によって違います。実際に手続きをするときは、住んでいる市区町村や出入国在留管理庁の公式案内を確認してください。
