日本で働く外国人の職業ランキングを、厚生労働省の最新データ(令和7年10月末時点)をもとに産業別TOP10で紹介します。
外国人労働者数は約257万人と過去最多を更新しました。そのうえで、エンジニアがどこに位置しているのかを、在留資格・働く地域・給与の3つの角度から解説します。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
- 産業別の職業ランキングTOP10と、情報通信業(IT)の位置づけについて
- エンジニアが該当する在留資格と、技能実習・特定技能との違いについて
- 在留資格別の給与水準と、働く地域が東京へ集中している実態について
1. 【最新】日本で働く外国人の職業ランキングTOP10

まずは、日本で働く外国人を産業別に見た職業ランキングです。厚生労働省の令和7年10月末時点のデータでは、上位10産業は上記のとおりです。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
1位:製造業(24.7%)
約63.5万人が働き、長年1位を維持しています。食料品や輸送用機械器具の製造が中心で、技能実習や特定技能の人材が現場を支えています。
2位:サービス業(他に分類されないもの)(15.2%)
ビルメンテナンスや職業紹介・労働者派遣業などを含む区分です。派遣・請負の形で働く人が多く、実際には製造の現場で働いているケースも少なくありません。
3位:卸売業・小売業(13.3%)
コンビニやスーパー、量販店などの販売・接客が中心で、留学生のアルバイトも多く含まれます。前年比14.2%増です。
4位:宿泊業・飲食サービス業(12.4%)
飲食店やホテル・旅館が中心です。前年比17.1%増と大きく伸びています。
5位:建設業(8.0%)
技能実習・特定技能を中心に、人手が足りない現場を支えています。前年比16.1%増です。
6位:医療・福祉(5.7%)
順位は6位ですが、前年比25.6%増と主な産業のなかで最も高い伸びです。介護分野で特定技能が広がったことが背景にあります。
7位〜10位:情報通信業(IT)はここに入る
7位はIT企業が多く含まれる情報通信業で、約9.8万人(3.8%)、前年比8.1%増です。
以下、学術研究・専門技術サービス業、運輸業・郵便業、教育・学習支援業と続きます。産業別に見ると、IT分野は上位とはいえません。
2. 日本で働く外国人の職業ランキングにエンジニアが出てこない理由

ランキングの上位にIT・エンジニア職は登場しません。これは統計の見せ方によるもので、エンジニアが少ないという意味ではありません。
産業別ランキングが示すのは「業界ごとの人数」だけ
産業別ランキングが示すのは、どの業界に何人いるかです。どのような立場やスキルで働いているかは表れません。
情報通信業の約9.8万人は製造業と比べれば少なく見えますが、この数字だけでエンジニアの存在感は測れないのです。
在留資格別に見ると「専門的・技術的分野」が1位
同じデータを在留資格別に並べ替えると、見え方が大きく変わります。
エンジニアなどの専門人材が入る「専門的・技術的分野」が約86.6万人(33.7%)で最も多く、前年比20.4%増と伸びも大きくなっています。この区分は令和6年に初めて1位となり、令和7年もトップです。
「現場で働く人が中心」というイメージは実態と合わない
技能実習の伸びが前年比6.1%増にとどまる一方、専門的・技術的分野は20.4%増です。
日本の受け入れの中心は、すでに専門人材へ移りつつあります。エンジニアは、この最も伸びている層の中心にいる職種です。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
▼あわせて読みたい
統計で全体像をつかんだあとは、実際に日本で働くうえでの前提知識もあわせて確認しておきたいところです。
ビザの基本的な考え方から給与の仕組み、職場で戸惑いやすい慣習まで一通り整理しています。ランキングの数字を自分の状況に置き換えて読むための土台になります。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
3. 日本で働く外国人エンジニアの在留資格ランキング|技人国と高度専門職
日本で就ける仕事は、持っている在留資格によって決まります。ここでは、エンジニアに関係する在留資格を整理します。

出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
技術・人文知識・国際業務(技人国)
エンジニアの多くが取得する在留資格で、約46.8万人(前年比13.8%増)が該当します。システム開発や設計、インフラ構築などの技術的な仕事が対象です。
情報通信業で働く外国人約9.8万人のうち、およそ3人に2人にあたる約6.6万人がこの資格で働いています。
単純作業だけを担当することはできない
技人国は、専門的・技術的な仕事を前提とした在留資格です。
専門性を伴わない単純作業だけを担当することは認められていません。応募するときは、実際の仕事内容が在留資格の範囲に収まっているかを確認しましょう。
高度専門職とポイント制
学歴・職歴・年収・年齢・日本語能力などを点数にして、合計70点以上に達すると「高度外国人材」として認められるのが高度専門職です。
認められると在留期間は一律で最長の5年が決定され、入国・在留手続きも優先的に処理されるとされています。日本で長く働きたいエンジニアにとって、有力な選択肢になります。
永住許可を申請できるまでの期間が短くなる
永住許可は原則として10年以上の在留歴が必要ですが、高度外国人材は70点以上で3年、80点以上で1年に緩和されます。
いずれも継続在留などの条件があるため、申請前に要件を確認してください。
技能実習・特定技能はエンジニア職では使えない
技能実習と特定技能は、製造・建設・介護・外食など人手不足が深刻な分野が対象で、IT・ソフトウェア開発は含まれていません。このことは、制度の説明だけでなく実数にも表れています。
厚生労働省の在留資格別・産業別データを見ると、情報通信業で働く外国人約9.8万人のうち、技能実習は254人、特定技能は385人です。
合わせても全体の1%に届きません。一方で技術・人文知識・国際業務は約6.6万人にのぼります。
IT分野の入口は、制度上ほぼ専門職ルートに絞られているといえます。エンジニアの場合は、技人国か高度専門職が基本になります。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」在留資格別・産業別データ
4. 日本で働く外国人エンジニアが多い地域ランキング|約8割が東京
職業と同じくらい大切なのが、働く場所です。情報通信業で働く外国人の分布には、ほかの産業にはない特徴があります。

出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」都道府県別・産業別データ
東京への集中はIT分野ならでは
情報通信業で働く外国人約9.8万人のうち、約7.8万人が東京で働いています。割合にすると、およそ8割(79.6%)です。
この数字は、外国人労働者全体で見た東京の割合25.4%と比べると約3.1倍にあたります。一方の製造業は、最も多い愛知でも全国の約15%にとどまり、上位が複数の県に分かれています。
IT分野では、職種を選ぶことがそのまま住む場所を選ぶことに近くなると考えておくとよいでしょう。
東京以外という選択肢をどう考えるか
求人数では東京が圧倒的に有利です。ただし生活コストや競争の激しさまで含めると、神奈川・大阪・愛知・福岡なども選択肢になります。
いずれも情報通信業の外国人労働者数で全国上位に入る地域です。家賃や通勤時間まで含めて比べると、選び方の幅が広がります。
▼あわせて読みたい
働く地域を選ぶときは、求人数だけでなく生活コストとのバランスも欠かせません。
家賃・光熱費・食費といった項目ごとの目安と、給与相場との関係を整理しています。東京と地方のどちらを選ぶか迷っている方は、手元に残る金額まで含めて比べてみてください。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
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5. 職業・在留資格別に見る日本で働く外国人の年収

在留資格の違いは、給与にも表れます。厚生労働省「令和6年外国人雇用実態調査」による、一般労働者の月額給与(毎月決まって支払われる額)は次のとおりです。

エンジニアの水準はどう読むか
この数字は在留資格ごとの平均で、職種による差は含まれていません。読み違えやすいのは、エンジニアが入る「専門的・技術的分野」の約28.9万円です。
届出データを重ねると、専門的・技術的分野の約86.6万人のうち特定技能が約28.6万人を占めます。およそ3人に1人が特定技能であり、その特定技能の平均は約25.0万円と区分平均を下回ります。
つまり、特定技能を除いた専門職の平均は28.9万円を上回る計算になります。この28.9万円は、エンジニアの水準そのものではなく、下限側に寄った数字として読むのが妥当です。
なお同じ調査では、企業が外国人労働者を雇用する理由として「労働力不足の解消・緩和のため」が69.0%で最も多く、「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が54.7%で続いています。
企業側が専門人材に何を期待しているかを知る手がかりになります。
出典:厚生労働省「令和6年外国人雇用実態調査」/厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」
年収を左右する3つの要素
チェックすべき3要素
- 技術領域:
クラウド、セキュリティ、AI・データ分野は需要が高く、水準も上がりやすい傾向があります - 日本語力:
英語だけで応募できる求人もありますが、日本語ができると選べる求人と条件の幅が広がります - 企業タイプ:
外資系、Web系、SIerでは、給与の決まり方や評価の考え方が異なります
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在留資格別の平均額は目安にはなりますが、自分の技術領域や経験がいまの市場でどう評価されるかまでは分かりません。
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6. 外国人エンジニアが日本で働くときに押さえる3つのポイント

最後に、ランキングを自分のキャリアに活かすために、確認しておきたいポイントを3つ紹介します。
専攻・経歴と仕事内容のつながりを確認する
技人国では、大学などで学んだ専攻や実務経験と、就く仕事の内容につながりがあるかが審査されます。応募前に、自分の学歴・職歴と募集職種の関係を説明できるように整理しておくと安心です。
転職したら届出と在留資格を確認する
就労資格で働く外国人が転職した場合、勤務先が変わったことを届け出る必要があります。転職後の仕事内容が今の在留資格の範囲を超えるときは、在留資格の変更手続きも必要です。
とくに注意したいのが高度専門職です。高度専門職1号は勤務先が指定されているため、引き続き高度専門職として在留する場合でも、転職で勤務先が変わるときは在留資格変更許可申請が必要になるとされています。
手続きの要否は個別の事情で変わるため、事前に出入国在留管理庁の案内で確認するか、必要に応じて専門機関へ相談してください。
長期の在留プランをキャリアに組み込む
高度専門職のポイントは、年収や職歴が積み上がってから届くこともあります。
転職や昇給のタイミングで計算しておくと、永住許可も含めた将来のプランを早めに立てられます。
▼あわせて読みたい
転職にともなう届出や在留資格の確認は、手順を知らないまま進めると思わぬつまずきにつながります。
在留資格を維持したまま転職を進めるための流れと、事前に準備しておきたい書類・確認事項をまとめました。次の一歩を具体的に考えている方はあわせてご覧ください。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
よくある質問
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情報処理技術者試験などのIT資格は、高度専門職のポイントに加算されますか?
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出入国在留管理庁のQ&Aでは、いわゆる「IT告示」に掲げられた情報処理技術に関する試験・資格も、ポイント付与の対象になるとされています。
対象となる試験は告示で定められているため、申請前に最新の内容を確認してください。
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高度専門職に最低年収の基準はありますか?
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エンジニアが該当する「高度専門職1号ロ」と、経営・管理にあたる「高度専門職1号ハ」では、年収が300万円に達しない場合、ほかの項目で合計70点を超えていても高度外国人材として認定されないとされています。
詳細は出入国在留管理庁の案内で確認してください。
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外国人エンジニアの配偶者は日本で働けますか?
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高度外国人材の配偶者は、要件を満たせば「特定活動」の在留資格で「技術・人文知識・国際業務」などにあたる就労が認められ、週28時間といった時間制限なくフルタイムで働けるとされています。
本人と同居していることなどの条件があるため、詳しくは出入国在留管理庁の案内で確認してください。
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日本で働く外国人の国籍で最も多いのはどこですか?
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令和7年10月末時点ではベトナムが最も多く605,906人(全体の23.6%)です。
次いで中国431,949人(16.8%)、フィリピン260,869人(10.1%)と続きます。伸び率ではミャンマー、インドネシア、スリランカが上位です。
まとめ|日本で働く外国人の職業ランキングとエンジニアの立ち位置

日本で働く外国人の職業ランキングは、1位の製造業をはじめ、サービス業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、建設業、医療・福祉が上位を占めます。
情報通信業は7位ですが、在留資格別に見れば専門的・技術的分野が33.7%で最も多く、前年比20.4%増と最も伸びています。エンジニアは、日本の受け入れが専門人材へ移るなかで、その中心にいる職種です。
働く場所は東京に約8割が集中し、給与は在留資格によって差が出ます。ただし「専門的・技術的分野の28.9万円」は特定技能を含んだ平均であり、エンジニアの水準を測るには注意が必要です。
技術領域・日本語力・企業タイプを意識して選ぶことが、日本で長く活躍するための土台になります。統計は毎年更新されるため、最新の動きは厚生労働省の資料もあわせて確認してみてください。
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